冬のトラブルは“想定内”知っておくべき駆け付けサービス完全ガイド― バッテリーあがり、雪道の立往生、そのとき頼れる先はどこか ―
2026年2月4日
冬はクルマにとって最も過酷な季節だ。低温によるバッテリー性能の低下、積雪や凍結路によるスタック(立往生)、さらには降雪時の視界不良による軽微な事故まで、トラブルの発生率は他の季節に比べて明らかに高い。重要なのは「トラブルを防ぐこと」と同時に、「起きてしまった際、どこに連絡すればいいかを事前に知っておくこと」である。
春はすぐ先ですが、いまだに大雪による被害も続出している昨今。冬季ドライバーが必ず把握しておきたい駆け付けサービスをアウトビルトジャパン編集部が体系的に整理します。

Photo:アウトビルトジャパン
JAF(日本自動車連盟)― 冬の絶対的スタンダード
特徴:
・会員数2,000万人超、日本最大級のロードサービス組織
・保険未加入でも利用可能(非会員は有償)
・冬季トラブル対応の実績が圧倒的
冬に強い理由:
・バッテリーあがり、雪道スタック、チェーン脱着補助など対応範囲が広い
・四輪駆動・悪路対応の専用車両を保有
・山間部や豪雪地帯でも出動率が高い
注意点:
・繁忙期(大雪時・連休)は待ち時間が長くなることも
・非会員の場合、作業内容によっては高額になるケースあり
編集部的評価:
「保険に付帯するロードサービスでは不安」というユーザーほど、JAF会員の安心感は大きい。

Photo:JAF
自動車保険付帯ロードサービス ― “無料”の代表格
主な対応内容:
・バッテリーあがり
・レッカー搬送(距離制限あり)
・雪道での軽度スタック引き出し
メリット:
・保険料に含まれているため追加費用がかからない
・事故時の対応と連携しやすい
盲点になりやすいポイント:
・雪道スタックは「1回のみ無料」「一定条件下のみ対応」など制限が多い
・チェーン脱着や除雪作業は対象外のケースも
・豪雪時はJAFより出動が遅れる場合あり
編集部的評価:
都市部や軽度トラブル向け。内容を事前に「約款レベル」で確認しておきたい。
自動車メーカー系ロードサービス ― 新車ユーザーの特権
例:
・トヨタ「トヨタアカウント/T-Connect」
・日産「NissanConnect」
・メルセデス・ベンツ「24時間ツーリングサポート」
・BMW「BMWエマージェンシー・サービス」
・フォルクスワーゲン「エマージェンシーアシスタンス」
特徴:
・新車保証期間中は無料
・車両特性を熟知した対応
・正規ディーラーへの優先搬送
冬季での強み:
・電動パーキングブレーキやEV特有のトラブルにも対応
・高級車・輸入車オーナーにとっては安心材料
注意点:
・保証期間終了後は利用不可、または有償
・雪道スタック対応は保険系と同等レベルの場合も

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クレジットカード付帯ロードサービス ― “知る人ぞ知る”選択肢
主なカード:
・JAF提携カード
・ゴールドカード以上に多い付帯特典
利点:
・年会費内でロードサービスが使える場合あり
・サブ的な保険として有効
限界:
・冬季トラブルの対応範囲は限定的
・積雪スタックは対象外となるケースが多い
地方自治体・高速道路会社の救援体制
覚えておきたいポイント:
・高速道路上ではNEXCOの緊急ダイヤル(#9910)
・豪雪地域では自治体や警察・消防と連携した救援が行われる場合も
注意:
・民間ロードサービスとは異なり「移動」や「修理」は行わない
・あくまで安全確保と交通障害の解消が目的
ここまでは、ロードサービスを個別にあげてみたが、冬のロードトラブル対策でよく聞くのが、「保険に入っているから大丈夫」とか「JAFに入っていれば安心」という声だ。しかし取材と実例を重ねると、どれか一つだけでは不十分という結論に行き着く。
編集部の結論はこれだ
■ ベース:自動車保険付帯ロードサービス “最低限の保険”として必須
・事故対応との連携
・軽度トラブルは無料
・都市部では迅速
■ 主軸:JAF 冬の実働部隊
・雪道スタック、悪路救援の対応力
・保険では断られがちなケースもカバー
・車ではなく「人」に付く安心感
■ 補完:メーカー純正ロードサービス 電子制御時代の切り札
・EV、輸入車の専門対応
・正規ディーラー搬送
・車両特性を理解した作業
編集部的“最強の組み合わせ”
自動車保険 + JAF +(メーカー系サービス)
一見すると過剰に見えるが、以下のような条件が重なった瞬間、その真価ははっきりする。
・大雪
・深夜
・山間部
・EVや輸入車

Photo:アウトビルトジャパン
車種別チェックポイント
SUVオーナー編:「四駆=安心」は過信しない
起きやすい冬トラブル
・雪道でのスタック(腹下が雪に乗る)
・未舗装路や圧雪路での脱出不能
・車重増加によるバッテリー負荷
駆け付けサービスの選び方
・JAF加入はほぼ必須
・SUVでもスタックは起こる。特に都市型SUV+オンロードタイヤの組み合わせは要注意
・悪路対応車両・牽引ノウハウの差が出る
・保険付帯ロードサービスは「補助的」に活用
・引き出し作業が「1回まで無料」など制限されがち
「4WDだから大丈夫」という油断が、最も多い救援要請の原因。本格SUVであっても、救援実績と装備力でJAFが一歩リードする。

Photo:autobild.de
EV(電気自動車)オーナー編 冬は“電欠”と“低温性能”を意識せよ
起きやすい冬トラブル
・低温下での航続距離低下
・充電スポット到達前の電欠
・12V補機バッテリーあがり(意外に多い)
駆け付けサービスの選び方
・メーカー系ロードサービスを最優先
・EV固有の制御・牽引方法を熟知
・誤ったレッカーは車両損傷のリスク
・JAFは「補完的存在」として有効
・12Vバッテリー対応、立往生時の安全確保
注意点
保険付帯ロードサービスでは「EVの充電切れは対象外」「最寄り充電スポットまでの搬送不可」など制限があるケースもあるので注意が必要。
EVは“走れなくなってから”では遅い。冬は航続距離を3割減で見積もるのが現実的だ。

Photo:Toni Bader
輸入車オーナー編 電装系と専用対応の差が明暗を分ける
起きやすい冬トラブル
・バッテリー電圧低下によるシステムエラー
・電動パーキングブレーキの解除不能
・センサー誤作動(ACC/ADAS系)
駆け付けサービスの選び方
・メーカー純正ロードサービスが第一選択
・車種ごとの牽引モード、解除手順に精通
・正規ディーラーへの優先搬送
・JAF併用で対応力を補完
・地方・豪雪地帯ではJAFのネットワークが有利
注意点
一部輸入車はバッテリー交換だけで再始動できず、診断機がないと復旧できない場合があるので「とりあえずレッカー」が通用しないケースもあることに注意が必要だ。
輸入車は“誰が来るか”が結果を左右するので、サービス内容より「車種理解度」を重視したい。

Photo:Ralf Timm
【タイプ別・推奨ロードサービス構成】
| 車種タイプ | 推奨構成 |
| SUV | JAF + 自動車保険付帯 |
| EV | メーカー系 + JAF |
| 輸入車 | メーカー系 + JAF(地方走行多い場合) |
冬の駆け付けサービス選びに「万人向けの正解」はない。クルマの性格を理解し、それに合った備えをすることが、トラブル時の最短復帰につながる。
冬のトラブル対策:編集部からの提言
・JAF+自動車保険の併用が最も安心
・出発前に「連絡先をスマホに登録」しておく
・バッテリーは3年以上使用している場合、冬前点検を推奨
・スコップ、ブースターケーブル、防寒具は積雪地域では必須
まとめ:
冬のドライブにおいて、駆け付けサービスは“保険”ではなく“装備”であると考えたい。「使わずに済めばそれでいい」ものだが、いざというときに知っているかどうかで結果は大きく変わる。ぜひ、自身のカーライフに合ったサービスを再確認してほしい。
Text:アウトビルトジャパン

