新型「BMW M3 CS ツーリング」フルテスト ワゴンボディを纏ったM3 CSは目眩がするような力感で猛烈に走る!
2026年1月24日
BMW M3 CS ツーリング(BMW M3 CS Touring):レッドゾーンでのツーリング。目もくらむようなパワー、そして威厳に満ちた存在感とエキサイティングな歴史。M3 CSはステーションワゴンとして力強い走りを披露する。我々はミュンヘン発の最もスポーティなステーションワゴンをテストした。
「一台で二役」─それ自体は目新しい話ではない。ミドルサイズのステーションワゴンにスポーツカーの要素を融合させる手法も、これまで何度も見てきた。ロングドライブもこなせてサーキットも走れる─正直、食傷気味ですらある。だが注意してほしい。「BMW M3 CS ツーリング」の本当に驚くべき点、そしておそらくブランドを超えても前例がないのは、日常での実用性と純粋なドライビングダイナミクスとの振れ幅が、現時点でほかのどのクルマよりも圧倒的に広いという事実だ。
「M3 CS ツーリング」は、結局のところM3ツーリングの「特別仕様車」にすぎない。カーボンファイバー、チタン、マグネシウムといった高価な素材を用いて徹底的に軽量化を施し、より高剛性なシャシーに硬めのブッシュを組み合わせただけ、と言ってしまえばそれまでだ。しかし、その結果はツインエキゾーストパイプから雄弁に語りかけてくる。このマシンが追い求めているのは、レッドゾーンまで回し切る快感と、わずかな背徳感そのものだ。

そこで実用面については、ひと言で片付けておこう。可変ダンパーを備え、硬めのサスペンションと巨大なタイヤを装着しながらも、この3シリーズツーリングは一定の優雅さを保ったまま巡航できる。フルブーストをかけていない状況でも、過度な燃料消費を伴うことなく洗練されたパワーを路面へと伝える。静かにクルージングすることもでき、その挙動は驚くほど安定しており、バランスと優れたトラクションを発揮する。要するに、ツーリングカーとしては一級品だ。もっとも、新型「M3 CS」の鋭くスポーティな側面については、一冊の本を割いて語りたくなるほどではあるが。
ボンネットの下には獣が潜む
まず語るべきはエンジンだ。いや、正確にはシリコン、アルミニウム、チタンで構成された工芸品と言うべき存在である。このエンジンは、Mディビジョンにおいておなじみで、長年愛されてきたユニットだ。直列6気筒は慣性力を滑らかな回転へと導き、2基のモノスクロールターボチャージャー(まさに猛獣だ)が燃焼用空気を強制的に送り込む。そしてHPIインジェクションシステムが、バルブトロニックおよびダブルVANOSを備えたバルブトレインを通して、プレミアムプラスガソリンを350barという高圧で燃焼室へと噴射する。

クランクシャフトは、クローズドデッキの中で回転し、排気ガスは極薄肉の軽量マフラーを勢いよく通過する。何と言えばいいのだろうか。551馬力を誇るこの悪魔は、ただただ天上の存在だ。パワー、サウンド、そしてパフォーマンスで人を陶酔させ、低回転域から力強く引き、7000rpmまで一気に回り切る。そしてその鼓動と響きは、大排気量ターボエンジンでは滅多に味わえない次元にある。
| テクニカルデータ | BMW M3 CS ツーリング |
| エンジン | 直列6気筒ツインターボエンジン |
| 排気量 | 2993cc |
| 最高出力 | 405kW (551馬力)/6250rpm |
| 最大トルク | 650Nm/2750rpm |
| 最高速度 | 300km/h |
| トランスミッション | 8速オートマチック |
| 駆動 | 全輪駆動 |
| タイヤサイズ(F-R) | 275/35R19-285/30R20 |
| タイヤ銘柄 | ミシュランパイロットスポーツ5 |
| 燃費 | 9.5km/L |
| 燃料タンク | 59L |
| トランク容量 | 500–1510L |
| 全長/全幅/全高 | 4796/1918/1447mm |
| ホイールベース | 2857mm |
| ベース価格 | 152,900ユーロ(約2,752万円) |
| テスト車価格 | 163,900ユーロ(約2,950万円) |
私たちの計測データが何より雄弁に物語るのは、その凄まじい加速力だ。M3 CS ツーリングは100〜200km/h加速を8秒未満で駆け抜ける。この数値は、ポルシェ911カレラ(正真正銘のスポーツカーだ)をも置き去りにする。
スーパースポーツカーさながらのドライビング体験
直列6気筒エンジンのレスポンスにも強い印象を受けた。アクセルペダルの踏み込み量はミリ単位まで忠実に前進距離へと変換される。同時に、ドライブトレインとボディは驚くほど角が立ち、かつ強固に一体化しており、そのフィーリングは一部のスーパースポーツカーに匹敵するものだ。

もちろん、2000rpm以下の巡航状態から加速を試みると、「M3 CS ツーリング」ははっきりとしたターボの“ひと呼吸”を見せる。というのも、2.1barの過給圧を立ち上げ、コンプレッサーブレードを通過させ、空気柱として圧縮し、インタークーラーを経由させたうえで、6つの吸気通路へと分配する必要があるからだ。そのわずかな間を経てから、CSは一層凶暴に襲いかかり、最大650Nmのトルクをトランスミッションへと叩き込む。
オートマチックトランスミッションは驚異的な反応速度を誇る
この8速オートマチックトランスミッション─BMWがMステップトロニック(ドライブロジック付き)と呼ぶユニットは、直列6気筒エンジンと同様に完璧な仕事ぶりを見せる。とりわけスポーツモードでは、その真価が際立つ。負荷がかかった状態や高回転域でのシフトチェンジは電光石火の速さで、鋭く、明確なショックを伴い、同時にコントロールされたエキゾーストサウンドが響く。加速テスト中、あまりの気持ちよさと高揚感に、20速ギアボックスが欲しくなったほどだ。もっと味わわせてほしい。

最高速に達するまで、オートマチックトランスミッションは終始スムーズにギアを駆け上がっていく。ここで補足しておくと、このツーリングの最高速度は標準で300km/hに設定されている。その速度域においても、驚くほどの安定性を維持する。ステーションワゴンの荷室に荷物やベビーカーを積んだまま、これほどの速さで目的地に到達できるクルマが、ほかにあるだろうか。
シャシーコンセプトもまた、卓越したパワートレインに劣らず印象的だ。電子制御ロジックとトルク配分を備えた可変式の四輪駆動システムは、きわめて高い効果を発揮する。「M3 CS ツーリング」のトラクションはどれほどか?BMWの答えは「十分すぎるほど」だ。車両重量1,851kgという数値を、このツーリングは引き締まったハンドリングと鋭いターンインで見事に相殺する。その気があり、腕に自信があり、さらにタイヤ代を惜しまない覚悟があるなら、ドリフトモードに切り替えることも可能だ。すると、285幅のリアタイヤから煙とホイールスピンを伴う、壮観なオーバーステアを解き放つ。
最高のドライビングモードはレースモード
このモードでは、「M3 CS ツーリング」という獣がコーナーのアペックスに沿って、ドライビングの天才と悪魔の間を絶妙なバランスで行き来する。そこに、極めて強力で完成度の高いブレーキが加わる。テストでは、100km/hから完全停止までの制動距離は最短32mを記録した。安心感と圧倒的な性能、その両方を等しく感じさせる数値だ。
| 評価ポイント | 評価 | 得点 |
| ボディ(車体) | 多用途性に優れ、十分な室内空間を備え、仕上げの品質は非常に高く、安全装備のレベルも充実している。 | 5点満点中4点 |
| 駆動システム | 強力なエンジン、欠点のないギアボックス、卓越した走行性能、際立ったキャラクターを備える。 | 5点満点中4.5点 |
| 走行性能 | 四輪駆動と重い車重にもかかわらず、驚くほど俊敏で身のこなしが軽い。トラクションは極めて優秀だ。 | 5点満点 |
| コネクテッドカー | 運転支援システムは最新世代で、制御はきめ細かく、マルチメディアシステムはトップクラス。ヘッドアップディスプレイの完成度も高い。 | 5点満点 |
| 環境性能 | 車重は重く、燃料消費は多大で、電動化は一切なし。騒音レベルも高い。 | 5点満点中2.5点 |
| 快適性能 | 可変ダンピングシステムにより、静かで滑らかな乗り味を実現する。シートの出来は非常に良く、前席は低い着座位置と豊富な装備を備える。 | 5点満点中4点 |
| コスト | 購入価格は高額で、オプションも例外ではない。維持費は法外で、燃料消費量(スーパープラス指定)は驚くほど大きい。 | 5点満点中1点 |
さらに、200km/hからの連続した緊急制動テストを行っても、Mカーボンセラミックブレーキシステムは微塵も音を上げなかった(もっとも、このブレーキは約1万ユーロ(約180万円)という高額なオプション設定だ)。固定キャリパーは熱負荷を的確に逃がし、システム全体はきわめて堅牢な印象を受ける。電子制御でありながら、ペダルフィールも非常に優れている。
楽しさはレジで終わる
総括すると、BMWは伝統的なツーリングのコンセプトとMテクノロジー、そしてそれに見合うスピードを「ラグナセカ ブルー」という名の夢に融合させた。そして最低152,900ユーロ(約2,752万円)という価格の、ウイングスポイラー付きドリームカーへと仕立て上げている。CSは本質的に、Mディビジョンが通常はオプションとして用意するすべてを、ひとつの完成されたパッケージとしてまとめた存在だ。

その内容には、Mカーボンエクステリアパッケージ、スポーツディファレンシャル、Mドライバーズパッケージ、そしてMカーボンバケットシートが含まれる。これらはあまりにも華やかでエレガントなため、デザイン展で彫刻作品として展示されていても不思議ではないほどだ。それこそがCSにふさわしい。ほかの選択肢など、退屈にすぎる。
結論:
「BMW M3 CS ツーリング」をステーションワゴンとして見れば、完成度が高く、実に優秀な一台だ。これを走りの楽しさを追求するスポーツカーとして捉えれば、まさにセンセーショナルなマシンである。速く、俊敏で、獰猛、そしてクラス最強のエンジンを授かった存在だ。このCSの物語における唯一にしてごく小さな欠点は、その夢のようなクルマが、悪夢のような価格を伴っていることだ。
AUTO BILDのテスト評価:2.4
フォトギャラリー:新型BMW M3 CSツーリング初テスト

















Text: Berend Sanders and Jan Horn
Photo: Christoph Börries / AUTO BILD

