【BMWの水素自動車】新型燃料電池BMWが2028年に登場―ただし生産地は国外
2026年1月21日
BMWは水素駆動の開発を粘り強く推し進めている。近く、トヨタが開発した最新世代の燃料電池を搭載したプロトタイプが投入される予定だ。BMW初の量産水素モデルは2028年に計画されているが、その生産はドイツ国内では行われない。
水素駆動は依然として健在だ。ドイツ国内では新規登録台数が伸び悩み、多くの水素ステーションが閉鎖されているにもかかわらず、BMWはこの代替パワートレインに固執している。ミュンヘンに本拠を置く同社は、最新となる第3世代燃料電池を最初のプロトタイプに搭載する計画を発表した。新型水素モデルの量産開始は2028年を予定している。
BMWは技術的リーダーとの提携を通じてこの技術を獲得している。2024年秋、BMWはトヨタと燃料電池開発における集中的な協業を開始した。目的は「革新力と技術的専門性を結集すること」であると、当時BMW CEOのオリバー ツィプセ(Oliver Zipse)は語っている。
もっとも、この協力関係は以前から存在していた。BMWはすでに2013年、トヨタの第1世代燃料電池をミドルクラスの「535i」に組み込んでいる。現在は、第2世代燃料電池を搭載した水素車として、「iX5」 が100台弱の少量生産で製造されている。

必要スペースは25%削減
新モデルが再びミドルサイズセダンの「i5」になるのか、それとも「iX5」になるのかについては、BMWに繰り返し問い合わせても依然として明らかにされていない。技術的な仕様や価格も現時点では不明だ。ただし、2028年からBMW初の量産水素乗用車として現行モデルを発展させる意図があると考えるのは自然だ。ミドルサイズSUVは大型の高圧タンクを収めるのに十分なスペースを持ち、レジャービークル全般と同様、依然として高い人気を誇っている。

Photo:Jonas Rattel
確かなことが一つある。第3世代燃料電池は乗用車とトラックの双方に対応できる設計で、第2世代に比べて大幅にコンパクト化されている。そのため、車両アーキテクチャへの統合は従来よりも容易になった。新しい燃料電池システムに必要なスペースは約25%削減されている。
効率も「大幅に向上」し、「顕著な改善」を果たしたという。AUTO BILDのテストでは、「iX5」燃料電池車の水素消費量は100kmあたり1.5kgで、現在の水素価格はスタンドによって異なるものの20~25ユーロ程度だ。BMWによれば、航続距離も現行モデルに比べて大きく伸びている。
新型水素BMWはオーストリア製
生産はオーストリアのアッパーエーストリア州のシュタイア工場で行われる。メーカーによれば、生産設備の改修はすでに進行中だ。新モデルの水素駆動システム用コンポーネントは、BMWランツフート工場で製造される。
この技術協力はBMWとトヨタの双方にメリットをもたらすと、BMWは説明する。比較的遅れてEV開発を本格化させたトヨタはBMWから学ぶことができ、一方でバイエルンのBMWは、すでに第2世代ミライで世界的に数千台の水素車販売実績を持つ日本メーカーから燃料電池技術について多くを学んでいる。
BMW iX5 Hydrogenをドライブ

「iX5」と同様、「X5」の水素仕様も電動モーターで駆動され、その電力は燃料電池によって供給される。約100台規模の「iX5」テストフリートを通じて、BMWは技術的なギャップを少なくとも部分的に縮小することを目指している。「iX5 Hydrogen」の電動モーターは401馬力を発生し、後輪を駆動する。BMWによれば、アンダーボディに配置された2本の高圧水素タンクにより、航続距離は504kmに達する。
この二本立て戦略によって、BMWは市場と技術の双方に対する柔軟性を示している。つまりBMWの顧客は、純粋な電気自動車を選ぶことも、短時間の補給で長い航続距離を得られるモデルを選ぶこともできるというわけだ。これこそが燃料電池駆動の強みである。
もっとも、このプロジェクトを成功させるには、2028年までにいくつかの条件が満たされる必要がある。BMWのプロジェクトマネージャー、ユルゲン グルトナーは2024年、ミュンヘンの新聞「メルクール」に対し、その条件として十分に整備された水素ステーション網を挙げた。同氏は、2028年までにはそれが実現すると見ている。
Text: Roland Wildberg
Photo: BMW

