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レーシングテクノロジーを纏ったシビックタイプR「ARTA GT FL5」登場!

2026年1月20日

ARTA GT FL5:このホンダ シビック タイプRは、まるでサーキットを走るために生まれてきたかのような一台だ。ARTAが開発した20台限定のシビック タイプR用コンプリートキットは随所にカーボンファイバーを用い、サーキット直系のテクノロジーが投入されている。

数十年にわたり、日本を代表するコンパクトスポーツカーの中でも、最も高い人気を誇ってきた1台がある。世界的なチューニングシーンにおいて、シビック タイプRほど深く根付いたモデルはほとんど存在しない。映画『ワイルド・スピード』シリーズ第1作に登場したこと(EJ1型)をきっかけに、いわゆる「クルマ好きではない層」にまでその存在が知られるようになった。

そしてシビック「FL5」の最終モデルは、すでに量産車の段階で非常に研ぎ澄まされたドライビングマシンとして完成されていた。しかし、ARTAレーシングチームが開発したこの一台は、そのレベルをさらに大きく引き上げている。

アスリートからレーシング直系モデルへ

2026年1月9日から11日に開催された東京オートサロン2026で、オートバックスは「シビック タイプR ARTA GT FL5」を発表した。これは、日本のSUPER GTに直接ルーツを持つ、妥協のないサーキット仕様パッケージだ。開発を担当したのは、長年にわたり同シリーズで実績を積み重ねてきたオートバックスレーシングチーム。そのため、この改造は単なるドレスアップではなく、空力性能、冷却性能、そして最適なロードホールディングを本気で追求した内容となっている。

新設計のフロントには、サイドカナード、大型スプリッター、そしてボンネット上の大きなエアアウトレットが組み込まれている。

完全に刷新されたフロントマスクは、巨大なエアインテーク、サイドカナード、そして強調されたスプリッターによって、最大限のダウンフォースを生み出す設計だ。ボンネットには複数の機能的なエアベントが設けられ、エンジンルーム内にこもる燃焼熱を効果的に排出する。エアカーテンを内蔵したワイドフェンダーは、FL5のシルエットを視覚的に引き伸ばし、路面に張り付くようなスタンスを強調する。リアには巨大なリアウイングが鎮座し、その下にはセンター出しエキゾーストを備えた大型ディフューザーが広がる。

リアに装着された大型スワンネックウイングは、さらなるダウンフォースの確保を狙ったものだ。

最適化されたテクノロジー

ARTAコンプリートキットは、外観だけにとどまらない。標準のブレンボ製ブレーキに代わり、オートバックスは2ピース構造の高性能ディスクを備えたAPレーシング製ブレーキシステムを採用。シャシーとサスペンションはサーキット走行を前提に専用チューニングが施され、定評ある2.0リッターターボエンジンには大型インタークーラーが組み合わされている。

GTマシンを想起させるステアリングホイール。インテリアにもモータースポーツの雰囲気が持ち込まれている。

オートバックスは公式なパフォーマンス数値を公表していないが、標準仕様で329psを発生するタイプRは、これら最適化されたコンポーネントにより、総合的な性能が大幅に向上していると考えられる。インテリアにもモータースポーツテイストが色濃く反映され、純正ステアリングはスウェード巻きのステアリングへと変更された。レッドアクセントとブラックのレカロシートが、全体の雰囲気を引き締めている。

20台限定生産

価格もまた、その特別性を如実に物語る。「ARTA GT FL5」コンプリートキットは「ホンダ シビック タイプR(HONDA CIVIC TYPE-R)」のオーナーに向けたカスタムキットで、取付、塗装などを含めた販売価格は約1,350万円。つまり約7万3,000ユーロだ。

残念ながら「ARTA GT FL5」は日本専売であり、オートバックスが生産するのはわずか20台のみ。すでに受注は締め切られている。つまり、ドイツのシビックファンにできることは、夢見て、眺めて、賞賛することだけだ。

Text: Nele Klein
Photo: ARTA/AUTOBACS SEVEN