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【面白ネタ】魔改造?それとも世紀の芸術品?天才前衛芸術家の草間彌生がステーションワゴンに改造したメルセデス500 SELがドイツに戻ってきた

2026年1月16日

メルセデス・ベンツ 500 SEL(W126)ステーションワゴン:日本を代表する水玉や網目模様を特徴とする前衛芸術家の草間彌生は、自身のメルセデス 500 SELをステーションワゴンに改造した。そして今、その車はドイツに戻ってきた!

これは芸術なのか、それとも・・・?ほぼそう言えるだろう。世界的に有名な画家、彫刻家、写真家である草間彌生氏の依頼により、スカイブルーの「W126」にはテールゲートが取り付けられた。

そして今、このワゴン車が芸術作品であるかどうか、あるいはむしろ撤去すべきかどうかについて、自動車ファンたちは熱く議論を交わしている。

ステーションワゴンに改造されたSクラスの車重は1,700kg。

メルセデスSクラスがステーションワゴンに改造された経緯

事実を述べると、1981年に日本人アーティスト草間彌生が「Sクラス」を注文した。この車はデュッセルドルフに納車された。「500 SEL」、ダークブルー(カラーコード 904)、内装はライトグレーで、真面目なビジネスマンにぴったりの車だった。

メルセデススターの広いCピラーと平行四辺形の追加サイドウィンドウ。

しかし、芸術家にとってはそうではなかった!草間彌生は1982年にメルセデスを故郷に持ち帰った。そこで1984年から1985年にかけて、この車は大きな変化を遂げた。彼女は車体製造会社に、「W126」をステーションワゴンに改造するよう依頼したのだ。

その理由は?伝えられていない。高い荷台と固定式の後部座席により、改造された「W126」は実用性に優れているとは言えず、絵画や彫刻の輸送には最適とは言えなかった。

ルーフレールはメルセデスS123のものではなく、おそらく日本車からのものだろう。

デザインの良し悪しについては意見が分かれる。太すぎるCピラーなのか、それともセダンのリアウインドウ周辺に残る大きなライン処理が、ステーションワゴンをどこか不格好に見せているのだろうか。

重厚なクオリティが際立つ。1本あたり400Nmの力を持つダンパー2本でテールゲートを持ち上げ、厚さ21mmの無垢材で作られたパーセルシェルフは金属製チェーンで吊り下げられている。

しかし、品質に関しては、日本人は素晴らしい仕事をしている。彼らは車を分解し、なんと「チャイナブルー」(カラーコード 934)で塗装し、オリジナルのリヤウィンドウとウィンドウフレームからテールゲートを製造している。「パテはほとんど使われておらず、すべてが板金で成形されています」と、現在のオーナーであるベルリンのフレッド オームケ氏は語る。

エクステリアでは、フェイスリフトモデル由来のブルーのドアハンドルとサッコプレートを採用。インテリアでは、一体成型のヘッドライナーに加え、レッドレザーがテールゲート部分まで張り込まれている。リアサイドウインドウの縁取りやドアポケットのエッジには、バールウッド(瘤木)が用いられている。

「ミディアムレッド」のシート。ドアポケットにもバールウッド(瘤木)が使用されている。

メルセデス 500 SELステーションワゴンがドイツに到着

30年ものあいだ放置されていたこの「ブルーホエール」を、自動車ディーラーのロジアーがオルデンブルクへと持ち込んだ。これを3万ユーロ(約525万円)で購入したフレッド オエムケ(Fred Oehmke)氏は、ほぼ同額をさらに投入。今では行く先々で注目を集める存在となっている。

すっかり夢中になっている。オーナーのフレッド オエムケ(Fred Oehmke)氏は多くを語らないが、日本から戻ってきたこの希少車をどのように見つけたのかを明かしてくれた。

これは芸術家、草間彌生氏の愛車だった

このメルセデス 500 SEL ステーションワゴンは草間彌生が手掛けたアートカーではない。彼女の作品に典型的なのは網目模様であり、さらに象徴的なのが「水玉(ポルカドット)」だ。草間は幼少期から幻覚を体験しており、水玉や網目の模様が見え、その中に自分が溶け込んでしまうことを恐れていたという。

彼女はそれを芸術的に表現した。絵を描き、彫刻を作り、写真を演出した。その多くに、無数のドットが用いられている。

現在90歳を超えた草間彌生は、かつてないほど世界的に知られる存在となっている。1977年以降、自らの意思で精神科病院に暮らしている。

2009年、草間彌生はアウディR8とその周囲を赤い点で飾った。ここでは、当時のアウディジャパン社長、ドミニク ベッシュ(Dominique Boesch)氏とともにこの作品を披露している。
Photo: Yoshikazu Tsuno / Getty Images

ここでは草間彌生の作品を見ることができる

彼女の作品は、スイスやドイツなどで展示される予定だ。スイスのバーゼル近郊リエーンにあるバイエラー財団美術館では、2026年1月25日まで大規模な回顧展が開催され、その後ケルンへ移り、2026年3月14日にルートヴィヒ美術館で開幕する。スイスでの入場料は30スイスフラン、割引25スイスフラン、25歳以下は無料。ケルンでの入場料は11ユーロから、割引は7.50ユーロからとなっている。

比較的軽微とはいえ深刻な不具合もあった。日本ではかつて、M117エンジンに柔らかすぎるバルブステムシールが装着されていたが、現在は正規品に交換されている。

草間彌生の作品も展示されている企画展「ニキ・草間・村上」は、ハノーファーのシュプレンゲル美術館にて2026年2月14日まで開催中。入場料は14ユーロ、割引は10ユーロ。

Text: Frank B. Meyer
Photo: Olaf Tamm/AUTO BILD