わずか19台のみの公道用レーサー「カプリコーン 01 ザガート」はイタリアンデザイン&ドイツ製パワーユニットを備えた900馬力モンスター!
2026年1月14日
カプリコーン 01 ザガート(Capricorn 01 Zagato):アイフェル地方の目立たない倉庫に、900馬力のモンスター、カプリコーン01ザガートが停まっている。カーボン、コンプレッサーV8、マニュアルトランスミッション、わずか19台のみ。イタリアのデザイン、ドイツの心臓からなる公道用レーシングカーの誕生。
ミュースパート、早朝。アイフェル地方はいまだ霧に包まれているが、ゴットリープ=ダイムラー通りに並ぶ無骨な工業建築の裏側では、自動車界を震撼させる出来事が進行している。カプリコーンの本社で、地獄のような咆哮を放ち、ミラノの芸術品のような佇まいを持つハイパースポーツカーが形を成しつつあるのだ。
それが「カプリコーン 01 ザガート(Capricorn 01 Zagato)」。900馬力、スーパーチャージャー付きV8、視界の限りカーボンファイバー尽くしである。
ホールの内部は、まるで宇宙ミッションのクリーンルームに足を踏み入れたかのようだ。大きなガラス窓の向こうでは、NASAの技術を思わせるシャシー部品が生み出されている。開発工房の中で、それは突然、私たちの前に姿を現す。ステージも演出照明もない。ただのコンクリート床とネオンライト、そしてザガートが万年筆で描いたかのようなボディ。象徴的な「ダブルバブル」ルーフドーム、長く筋肉質なライン、狂気のモグラ塚のようなディフューザー。その下には、カプリコーンによるドイツ流エンジニアリングが息づいている。

近くの組み立てスタンドにはモノコックが横たわっている。羽のように軽く、漆黒で、ほとんど挑発的なほど剛性が高い。技術者がリアハッチを開けると、そこには5.2リッターのスーパーチャージャー付きV8が収まっている。配線はまるでグランドピアノの弦のように整然としている。900ps、トルク1000Nm、9000rpm。0-100km/h加速は3秒未満、最高速度は360km/h。そしてギアチェンジは―覚悟してほしい―マニュアルだ。レーシングカー同様の5速ドッグレッグ。「これ以上のパワーは誰にも必要ない。私たちは運転できるアナログなクルマを作りたかった」と語るのは、かつてニュルブルクリンクを所有したことでも知られるカプリコーンCEO、ロベルト ヴィルト(Robertino Wild)だ。同社は数十年にわたり、ブガッティ、ポルシェ、アウディ、さらにはF1に至るまで、名だたるメーカーにカーボンファイバー部品を供給してきた。

そして今、彼らは自らの名を冠したクルマを世に送り出す。しかも新規参入メーカーとは思えないほど大胆な垂直統合を実現している。カーボンファイバー製ボディ、シャシー、サスペンション部品、さらにはエンジンの改良まで、すべて自社内で完結させているのだ。シャシーはフルカーボンでLMP1レベル。サスペンションはビルシュタイン製で、ドライバー支援システムは一切なし。なぜなら、このクルマを買う人間は運転の仕方を知っている、というのがエンジニアたちの確信だからだ。ブレンボ製ブレーキ、21インチホイール、ほぼ50:50の重量配分、車両重量は1200kg以下。このクラスで、これ以上軽いクルマはほとんど存在しないだろう。
インテリアは、自動車技術の時を遡る博物館に足を踏み入れたかのようだ。丸形メーター、レザー、ハードトップシート、4点式ハーネス。巨大なディスプレイも、過剰な電子装備もない。だが、エアコン、カメラ、リフトシステムは備わっている。
メルセデスのKERS、シュロスのHANS
アイフェル地方のカーボンファイバーの専門家たちは、自分たちの仕事を熟知している。メルセデスのKERS、シュロス(Schroth)のHANSシステム、ポルシェ911 GTのカーボン部品、ブガッティのコンポーネント―それらすべてにカプリコーンが関わっている。間接的に獲得した世界選手権タイトルは約200にのぼる。そして今、彼らは初の公道走行可能なハイパーカーを開発しているのだ。

生産されるのはわずか19台。これはザガート創業年である1919年へのオマージュだ。価格は1台あたり295万ユーロ(約5億4,575万円=税抜き)。そのうちの3分の1は部品代だけで消えるという。それにもかかわらず、問い合わせは殺到している。これまでに75人が関心を示し、そのうち半数はすでに完売。プロのレーサー、コレクター、そしてカーボンファイバーと過給パワーを愛する大富豪たちだ。
次に控えるのは? スパイダーだ。オープンで、よりワイルドに。さらにザガートらしく、さらにアイフェルらしく。
Text and photo: Fabian Hoberg

