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【このベビーベンツなんぼ?】世界一速い190 E!AMGの5.5リッターV8を搭載した「メルセデス190 E」が販売中

2026年1月8日

ドイツの中古車情報:騙されてはいけない。これは普通の“ベビーベンツ”ではない!1990年モデルのメルセデス190 Eのボンネットの下には、360馬力を発生する5.5リッターV8が収まっている。

このメルセデス190 Eは、ピュアリスト向けの個体ではない。オリジナルの190 E 2.3-16、あるいは2.5-16 Evo Iを探しているのであれば、別の個体を当たったほうがいい。しかし、真のパワーを備えた、唯一無二の可能性を秘めた190を求めているなら、このオファーは見逃せない。

メルセデス・ベンツ190(W201)は、ファンから親しみを込めて「ベビーベンツ」と呼ばれている。若者からベテランまで幅広い層に今なお高い人気を誇り、まさにメルセデスの象徴的存在であり、理想的なデイリークラシックカーでもある。1982年から1993年までに180万台以上が生産されたが、このダークグリーンの190は別格だ。ボンネット下に収まるのは4気筒でも6気筒でもなく、AMG製の5.5リッターV8なのである。

もちろん、この5.5リッターV8を190に収めるためにはいくつかの調整が必要だったが、結果的にエンジンベイに無理なく収まっているのがわかる。

この車両を販売しているのは、ニュルンベルクに拠点を置くディーラー「Sportgarage GmbH」。彼らは大規模な改造内容を詳細に記録している。ベースとなったのは1990年式のメルセデス190 E 2.3で、そこから本格的な“トラックツール”が作り上げられた。しかも、ただのトラックツールではない。圧倒的なパワーを備えた一台だ。

まず、非力な4気筒エンジン(M102)は取り外され、メルセデスのV8へと換装された。それがM113である。このエンジンは1997年にEクラスでデビューし、その後2000年代までさまざまな排気量・出力仕様で採用された。信頼性の高さから、現在でもメルセデスファンからの評価は高い。

360psが生み出す強烈な咆哮

この190では、AMG E55に搭載されたM113エンジンが選ばれた。排気量5,439ccから360馬力sと510Nmを発生し、これはオリジナル比でほぼ3倍の出力に相当する。トランスミッションは、強化焼結メタルクラッチを備えた6速マニュアル。改良されたエキゾーストマニホールドを除けば、自然吸気V8は問題なく190のエンジンベイに収まっているという。フロントバンパーには追加のエアインテークが設けられ、冷却性能も確保されている。さらに、H&R製スポーツサスペンションや、前後ともにドリルドディスクを備えた大径ブレーキシステムなど、必要に応じた改造が施されている。

Evo Iルックのエアロパーツと、純正Evo IIホイールの組み合わせにより、このコンバージョンは“OEM+”と呼ぶにふさわしい仕上がりだ。

エクステリアにも一切の妥協はない。さりげなくスポーティな印象を狙い、フロントにはスプリッター付きのEvo I風バンパー、リアにはEvo Iのリアウイング(おそらく純正ではない)が装着されている。足元には純正Evo IIホイールを履き、全体を上質なダークグリーンで塗装した。

インテリアは豪華とは無縁で、「ミニマル」という表現が最もふさわしい。トラックツールらしく、必要最低限の装備以外はすべて撤去されている。ドライバーと助手席にはフルバケットシートとSchroth製レーシングハーネスを装備。評価すべき点として、すべての改造内容は車両書類に正式登録されており、さらにこの“モンスターベンツ”には有効なドイツの車検(TÜV)が新たに取得されている。

V8搭載190の価格は?

気になる点として、走行距離はメーター表示の41,306kmとされているが、実走行であることは確認できない。一方で、このワイルドなコンバージョンはコレクターズアイテムというより、サーキット走行を楽しむための一台と考えるべきだろう。

購入には相応の資金が必要だ。ディーラーの提示価格は5万9,900ユーロ(約1,010万円)。決して安くはないが、190 E 2.5-16 Evo Iや、ましてやEvo IIに比べればはるかに安価であり、しかもそれらより圧倒的に速い。

批判を承知で言えば、私は多くのメルセデス190を正直「退屈」だと感じている。しかし、この個体はまったく別だ。十分なパワーを備えた自然吸気V8、徹底的に軽量化されたインテリア、そして6速マニュアル―純粋なドライビングプレジャーの塊にしか思えない。もちろん、ピュアリスト向けではないが。

Text:Jan Götze
Photo:Sportgarage GmbH