【このツートンカラー612なんぼ?】最も不人気なフェラーリ「フェラーリ 612 スカリエッティ」の人気が上昇中!
2026年1月3日
ドイツの中古車情報:フェラーリ 612 スカリエッティ(Ferrari 612 Scaglietti)。フェラーリ 612スカリエッティは、長いあいだマラネロ製モデルの中でも不遇な存在のひとつだった。だが近年、このV12グランツーリスモの価値と魅力が、コレクターだけでなく広く認識され始めている。
長らくフェラーリのラインアップにおける「醜いアヒルの子」とされてきたのが、「612スカリエッティ」だ。先代モデルの「456 GT」が、いまやクラシックとして評価を確立しているのとは対照的である(つい最近も、フェラーリ元会長のルカ ディ モンテゼーモロが、ロンドンでの映画プレミアに456 GTで姿を見せた)。一方で612スカリエッティのイメージはいまだに、「599 GTBの美観に劣る兄弟車」と「取るに足らないヤングタイマー」のあいだを漂っている。しかし、それはあまりにも不当な評価だ。
なぜなら、612スカリエッティの構成要素は実に的確だからだ。エレガントなピニンファリーナのデザイン(多くのフェラーリファンが、伝説的デザインハウスとの再タッグをどれほど望んでいることか)、5.7リッターV12エンジン(オプションでマニュアルトランスミッションも選択可能)、そして4シーター、フェラーリとしては例外的とも言える日常的な使い勝手さえ備えている。
だが、「612スカリエッティ」にはひとつ問題があった。2000年代初頭、フェラーリのラインナップは、「360モデナ」、その後の「F430」、「599 GTB」など、非常に魅力的だったため、4シーターの「612」は顧客からまったく注目されなかったのだ。しかしデビューから20年が経ったいま、このエレガントな2+2シーターの真価は、コレクターに限らず徐々に再評価され始めている。
多くの初期フェラーリを手がけたカロッツェリアの名匠、セルジオ・スカリエッティにちなんで名付けられた全長4.90mの「612」は、時を経ても色褪せないデザインの完成度に加え、心をつかむエンジンも大きな魅力だ。アルミニウム製ボンネットの下には、フロントミッドシップに搭載された5.7リッターの自然吸気V12エンジンが収まっている。

540馬力、最高速度320km/h
540馬力、589Nmを誇る「612スカリエッティ」は、2004年、ほとんどのスーパーカーを圧倒した。加速タイム、0-100km/hは4.2秒、0-200km/hはわずか12.7秒だった。フェラーリは当時、最高速度を320km/hと発表した。これらの数値は、今日でもなお印象的なものだ。ちなみに、108リットルという巨大なタンク容量も同様だ。
2007年、フェラーリは創業60周年を記念して、60台限定の特別モデル「612セッサンタ」を発売した。このモデルは、追加装備に加え、特徴的なツートンカラーで識別することができた。
一見すると、デュッセルドルフのディーラー「AutoSL GmbH」が掲載した「フェラーリ612スカリエッティ」は、この希少で貴重な特別モデルのひとつと思われるかもしれない。しかし、「Avorio over Blu Scozia」という響きのある名前の高級なツートンカラー塗装は、このモデルが通常の「612スカリエッティ」であることを隠している。もちろん、フェラーリに関しては「通常」という言葉は常に相対的なものだが。

今回紹介する車両は、2004年に発表されたモデルで、すでに21年の歴史を誇っている。しかし、その間、「612」の走行距離はわずか57,850km、年間走行距離は2,800kmにも満たないほどだ。さらに、ディーラーは、この「612スカリエッティ」の点検記録簿がフェラーリによって完全にスタンプされていることを保証している。
オリジナルカラーか、再塗装か?
ツートンカラーは確かに目立つが、それでも上品だ。しかし、インテリアについては同じことは言えない。フェラーリのコックピット全体はターコイズ色のレザーで覆われており、カーペットも色調が調和している。インテリアで唯一、その雰囲気を和らげているのは、ダッシュボードに車体色と同じ色で塗装されたパーツだ。この外観は、確かに万人の好みに合うとは限らないが、かなりユニークであることは確かだ。しかし、この「612」がマラネロ工場からこの色の組み合わせで出荷されたものなのか、それとも以前の所有者の誰かが後から塗装し直したものなのかは不明だ。

マルチピースのノヴィテック製ホイールは標準装備ではないものの、現代的なチューニングとして認められる。残念ながら、このモデルは、マニュアルトランスミッション車ではない。後継モデルのFFとは異なり、「612スカリエッティ」は、オープンシフトゲート付きマニュアルトランスミッション、または当時最先端だったF1シフトのどちらかを選択できた。ただし、オープンシフトゲート付きは199台しか出荷されなかったと言われている。そのため、「612」のマニュアルトランスミッション仕様は今日、非常に人気が高く、高価だが、中古の「612スカリエッティ」の供給は基本的に限られている。
この時代のモデルと比較すると、「612スカリエッティ」は、最近価格が上昇しているとはいえ、魅力的な価格だ。ドイツでは、最も安価なモデルが80,000ユーロ弱(約1,450万円)から販売されている。当時の基本新車価格が268,300ユーロ(約4,950万円)であったことを考えると、「612」は依然としてお買い得な車と言えるだろう。
市場価格をわずかに上回る価格
ここに掲載されているデュッセルドルフの車両は、118,890ユーロ(約2,150万円)で販売されており、現在の市場価格をわずかに上回っている。しかし、非常に目立つカラーコンビネーションのため、真剣な購入希望者は交渉の余地があるかもしれない。だが、一見「安い」価格に決して惑わされないように。「612スカリエッティ」は、デザインや駆動系だけでなく、メンテナンス面でも、まさにフェラーリらしい車なのだ。一方、フロントミッドシップV12フェラーリがこれほど手頃な価格で入手できる機会は、今後もうないだろう。「612スカリエッティ」は、長い間、不当にも「醜いアヒルの子」として過小評価されてきた。

結論:
長い間、「フェラーリ612スカリエッティ」を過小評価していたが、今では、この素晴らしいV12エンジンを搭載した大型の2+2シーターが本当に好きになった。この車両は、2色の塗装と派手なインテリアで、決してエレガントとは言えないが、その点がまさに魅力でもある。このような「612スカリエッティ」は、2台とないだろう。



Text: Jan Götze
Photo: AutoSL GmbH

