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【どれにする?】4気筒か8気筒か?静かに流すのか、それとも怒涛のパワーを解き放つのか?5種類の「Mercedes-AMG GT」をサーキットで比較テスト

2026年1月7日

メルセデスAMG GT 63 4MATIC+:公道と(時折)サーキットのためのスポーツ仕様

「GT 63」は、性能を次の次元へと引き上げる。585馬力という出力は、「GT 55」より109馬力多い。位置づけとしては、「GT 55」と「GT 63 PRO」、そして「GT 63 S E Performance」のちょうど中間にあたる。この点はドライビングトレーニングでは扱いやすいが、サーキットにおいては、「GT 55」に対する約2秒のアドバンテージほどスポーティに感じられない。差の大半はストレートで稼いでいるため、本格的なサーキット走行を考えるなら「GT 63 PRO」を選ぶべきだろう。

「GT 63」には別の美点がある。加速は圧倒的で、サウンドは実に官能的。公道ではそのスポーティさが際立ち、ストップウォッチから離れた世界では、「911」に極めて近い存在として感じられる。

メルセデスAMG GT 63 4MATIC+:従来の後輪駆動モデルと比べ、新型の四輪駆動GTはサーキットでの安定感が大幅に向上している。

快適性を高め、「ポルシェ911」に匹敵する積載性を得るためには、可倒式リアシートの選択を強く推奨したい。これにより荷室容量は321リットルから最大675リットルへと拡大する。子どもがいれば、後席から父親のドライビングを眺めることもできる。

価格は約1,904ユーロ(約34万円)と決して安くはないが、実用性は大きく向上する。ただし一点、2+2としての限界は明白だ。身長150cmを超える人が座るのは、解剖学的にほぼ不可能である。

メルセデスAMG GT 63 PRO 4MATIC+:AMGのDNAを余すところなく受け継いだ612馬力

「GT 63 PRO」は、全体のセッティングが明確にサーキット志向だ。その象徴が、追加料金なしで選べるAMG専用マーキング入りミシュラン パイロットスポーツ カップ2 R。グリップ、トラクション、制動性能はいずれも飛躍的に向上し、まさにサーキットデイ向けの仕様となっている。連続周回にも余裕で耐えうる完成度で、限界域での挙動はとりわけ秀逸。自然と信頼感が高まる。

メルセデスAMG GT 63 PRO 4MATIC+:四輪駆動により、612馬力/850Nmを確実に路面へ伝える。

日常使用では、減速終盤のペダルタッチにやや癖があり、停止直前に押し出される感覚がある点が小さな欠点だが、致命的ではない。空力に関しては圧巻で、サーキット走行時に冷却効率を高めるため、フロントナンバープレートを外せる専用キーまで用意されている。

さらに、フロントアクスル前方のアンダーボディには、外からは見えないエクステンションリップが備わり、気流とバランスを最適化する。これは単なるレーシング風味ではない。走りそのものがモータースポーツだ。驚異的なコーナリングスピード、安定したリアの挙動、そしてわずかなフロント荷重を巧みに補正するバランス。ラウジッツリンクサーキットでのラップタイムは?1分30秒以下だ!

メルセデスAMG GT 63 S E Performance:実績あるV8ツインターボ+ハイブリッド

「GT 63 S E Performance」は、技術的に最も強烈な一台だ。実績あるV8ツインターボにハイブリッドを組み合わせ、外部充電が可能なだけでなく、レースモードでは走行中にエネルギー回生も行う。ここからは、まるでF1のような戦略勝負になる。いつブーストを使い、いつ減速時に4.8kWhのバッテリーへエネルギーを戻すのか。

その見返りは、システムトルク1,420Nm!聞き間違いではない、1,420だ。この“性能の狂宴”は、朝食後の眠気を吹き飛ばすどころか、これまでの常識を根底から塗り替えた。

メルセデスAMG GT 63 S E Performance:マットブラック塗装とポリッシュ仕上げの21インチホイール越しに、巨大なブレーキがのぞく。

マット塗装のクーペは、ほとんど狂気じみた加速で飛び出す。2名乗車、燃料半分の状態で、0–100km/h加速は何度測っても2.8秒。50km/hまでは、わずか9メートルで到達した。詳細はTrack Paceプログラムにすべて記録されている。ドライビングダイナミクスは、まさに圧巻。言葉を失うほど刺激的だ。

少なくとも直線を走っている限りは、である。というのも、「E Performance」が真価を発揮するのはまさにその直線区間だからだ。ラウジッツリンクでは、あれほど巨大なパワーを備えながらも、「GT 63」に対してラップタイムの差はわずか1.3秒にとどまった。これは、アクティブロールスタビライゼーションや後輪操舵を含む、あらゆるドライビングダイナミクス機構を標準で備えているにもかかわらず、である。

追加装備として用意されるのは、他の8気筒モデルと同様、AMGセラミックブレーキシステム(8,925ユーロ=約160万円)のみ。最大限のパフォーマンスと、きらびやかな最新テクノロジーの数々に情熱を注ぎ、なおかつそれを支払える人のための、まさに理想的な一台だ。

テクニカルデータGT 43GT 55GT 63GT 63 ProGT 63 S E
エンジン直列4気筒ターボV型8気筒ツインターボV型8気筒ツインターボV型8気筒ツインターボV型8気筒ツインターボ+電動モーター
排気量1991cc3982cc3982cc3982cc3982cc
最高出力421馬力/6750rpm476馬力/5500-6500rpm585馬力/5500-6500rpm612馬力/5500-6500rpm612馬力/5500-6500rpm+204
馬力
トランスミッション9速AT9速AT9速AT9速AT9速AT
駆動後輪駆動全輪駆動全輪駆動全輪駆動全輪駆動
タイヤサイズ295/30 ZR21-305/30 ZR21295/30 ZR21-305/30 ZR21295/30 ZR21-305/30 ZR21295/30 ZR21-305/30 ZR21295/30 ZR21-305/30 ZR21
タイヤ銘柄ミシュランパイロットスポーツS 5ミシュランパイロットスポーツS 5ミシュランパイロットスポーツS 5ミシュランパイロットスポーツカップ2 RミシュランパイロットスポーツS 5
全長/全幅/全高4728/2100/1359mm4728/2100/1354mm4728/2100/1354mm4728/2100/1354mm4728/2100/1354mm
ホイールベース2700mm2700mm2700mm2700mm2700mm
車重1715kg1895kg1895kg1875kg2120kg
燃料タンク/トランク容量70/321L70/321L70/321L70/321L70/182L
0-100km/h4.6秒3.9秒3.2秒3.2秒2.8秒
最高速度280km/h(電子制御)295km/h(電子制御)315km/h(電子制御)317km/h(電子制御)320km/h(電子制御)
燃費(WLTP)9.7km/L7.1km/L7.1km/L7.1km/L9.4km/L
ベース価格119,589ユーロ168,759ユーロ190,191ユーロ219,674ユーロ219,674ユーロ
全幅はドアミラー込み

Text: Phillip Tonne
Photo: Bild: Ronald Sassen / AUTO BILD