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【兄弟対決】ハイブリッドか電気自動車か?「フィアット グランデパンダ」のHEV対BEV どちらが真のグランデパンダであるかを検証!

2025年12月27日

フィアット グランデパンダ(Fiat Grande Panda):ハイブリッド対電気自動車。ガソリンかバッテリーか、どちらのパンダが真にグランデなのか?生まれ変わったフィアットのカルト的な小型車を検証する。

外観上の違いはほとんどない

1980年の初代「パンダ」を彷彿とさせる、伸びやかなデザインのボディの下には、実用的なスペースが確保されている。また、今の「グランデパンダ」には、ハイブリッド(HEV)だけでなく、BEVも用意されている。我々は、どちらが真の「グランデ」であるかを検証する。

BEVパンダ(写真)とパンダ ハイブリッドは、CMPスマートカープラットフォームを採用しており、外観上の違いはほとんどない。
こちらはHEVグランデパンダ。

実際、2台の「パンダ」は、外観も内装も一見したところほとんど違いがない。どちらも、ステランティスの手頃な「CMP」スマートカープラットフォームを採用している。

ハイブリッドはより高機能な装備が必要

硬質プラスチックが多く、チープな感じがするトリムがコスト削減の証だが、ガタつきはほとんどない。装備も適切だ。電気自動車ではベーシックで十分だが、HEVでは「アイコン(21,990ユーロ=約395万円~)」を選ぶべきだろう。そうすれば、窓とサイドミラーが電動で、フロントとリヤのライトがLEDになり、2つのデジタルスクリーンが搭載され、Apple CarPlay/Android Autoを通じてスマートフォンをミラーリングできるなど、さまざまな機能を利用できるようになっている。

「グランデパンダ ハイブリッド」には、「アイコン」トリムをお勧めする。基本装備に比べ、多くの便利で快適な機能を備えている。

前席は快適な空間だが、後部は居心地が悪い場合がある。ハイブリッド車と同様に、スペースは基本的に狭苦しくないものの、バッテリーパックのために床がかなり高くなっているため、背の高い乗員は膝の角度が鋭くなり、やや不快に感じるかもしれない。

膝の角度に注目。

トランクも、BEVの方は361~1,315リットルで、バッテリーがスペースを犠牲にしているが、後席の快適性ほどではない。ハイブリッドの方は、このクラスとしては十分な412~1,366リットルの容量があり、小さなバッグ1つ分広くなっている。

BEVグランデパンダはトランクの容量を犠牲にする:BEVのトランクは361~1,315リットルの容量があるが、ハイブリッド車の方がもっと大きい。
写真ではわかりにくいが、ハイブリッドの方は412~1,366リットルの容量がある。

ハイブリッド車のボンネットの下には、101馬力の1.2リッター3 気筒エンジンが搭載されており、29馬力の電動モーター(48ボルトのマイルドハイブリッド)と組み合わせることで、110馬力のシステム出力を実現している。こうして、ハイブリッドパンダは陽気に田園地帯を走り抜け、デイリーユースに長けていながら、時には高速道路も難なく走れる性能を発揮する。

電気自動車は都市部の使用に適している

一方、電気自動車は、その性能がかなり劣っている。113馬力の電動モーターは、同様に軽快な走りを実現するが、郊外では200kgの重量増が顕著に負担となり、最高速度は132km/hに制限されている。

フィアット グランデパンダ エレクトロは、都市環境での使用に適している。その理由のひとつは、航続距離が237kmと短いからだ。

BEVのグランデパンダは都市部やその周辺地域での使用に適している。テストでの航続距離は237kmとかなり控えめであり、最大充電能力は11/100kW(AC/DC)であるため、長距離の移動は忍耐のを強いられる。そのため、BEVのグランデパンダはどちらかといえばセカンドカーとして、ハイブリッドは日常的に使いやすい車として、さらにわずかながらも経済的に運転できる車だと言えるだろう。

結論:
「フィアット グランデパンダ」を通勤やプライベートな近距離移動にのみ使用する場合は、BEVをお勧めできる。それ以外の場合は、ハイブリッド車を選ぶことになるだろう。ハイブリッド車は日常的に使いやすく、最終的にはより経済的に運転できることが証明されている。

フォトギャラリー:新型フィアット グランデパンダ

Text: Berend Sanders and Gerald Czajka
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD