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【新着情報】アウディQ8 60 TFSIe 462馬力プラグインハイブリッドQ8を徹底検証

2021年1月9日

プラグインハイブリッドシステムを備えたアウディのトップモデルSUV「Q8」に初試乗 その実力と評価は?

462馬力のプラグインハイブリッドシステムを搭載したアウディQ8の走りとは。プラグインハイブリッドとして、アウディQ8は今までと比べて大幅に燃料が節約できるはずだ。そして、電動モーターは、さらなるパワーを供給してくれる。我々はアウディのSUVトップモデルの462馬力ハイブリッドバージョンを初試乗した。以下にレポートする。

ドイツではディーゼルへの不信感が募り続ける中、プラグインハイブリッドへの需要が高まっている。
A8とQ7にのみ搭載されていたハイブリッドシステムをQ8に2種類のパフォーマンスレベルで搭載した。
そしてそのパッケージはQ8にジャストフィットしている。
我々は、462馬力のQ8 60 TFSIeを早速運転してみた!

リッターあたり37kmの平均燃費

3リッターV6ガソリンエンジンとトランスミッションに電動モーターの組み合わせは、ポルシェ カイエンEハイブリッドやVWトゥアレグeハイブリッドにも見られる。
Q8 55 TFSIeとQ8 60 TFSIeの性能データを見ると、それぞれ381馬力+600Nmと462馬力+700Nmを発揮する。
この強力なプラグインハイブリッドは、まだドライビングダイナミクスとパワーデリバリーの面で完成度は高いと言えないまでも、ディーゼルモデルを時代遅れにする可能性は高い。
136馬力の電動モーターは、少なくとも紙の上では、かなりの燃料節約に貢献する。
Q8 60 TFSIeの平均燃費は、リッターあたり、なんと37kmとされている。
スタート時には、常にピュア(純粋)Eモードが設定されていて、50km/hを過ぎると、内燃機関が作動するようになっている。

ロゴを除けば、55と60のTFSIeは外から見てもプラグインハイブリッドだとは、ほとんどわからない。

2.5トンの重さが目立つ

好燃費に加えて、eモーターは、多くの追加パワーも提供する。
総重量が2.5トンを超えるにもかかわらず、Q8 60 TFSIeは、0から100km/hまで5.4秒で駆け抜け、最高速度はリミッターにより一応240km/hにとどまる。
プラグインQ8は、純粋に電動で走行することができるようになっていて、純電動で135km/hで走行することができる。
ただし、単純に高速道路を高速でストレートに走行している時には感じないが、カーブではその重さが目立ってしまう。
ロール補正、メカニカル(機械式)センターディファレンシャル、最大23インチのホイールをもってしても、物理的な問題を克服することはできない。
ここでは、純燃焼エンジンに比べて余分な重量が明らかに目立つ。
それにもかかわらず、シャシーとステアリングは優れたチューニングによってかなりの水準に仕上がっている。

7.4kWのフルパワーで、17.9kWhのバッテリーは約2.5時間で再び満タンになる。

トランクが約100リットル収縮

「アウディQ8 60 TFSIeクワトロ」のインテリアは、純燃焼モデルのQ8やリフレッシュされたQ7と何ら変わらない。
ダッシュボードとセンターコンソールは、10.1インチと8.6インチの2つの高解像度タッチディスプレイで占められており、すべての車両機能を表示、操作することができ、自由に設定することもできるようになっている。
全長5.01メートル、ホイールベース3メートルで、車内には十分なスペースが確保されている。
背の高い大人でも、リアのヘッドレストが短すぎることを除けば、とても快適に座ることができる。
プラグインハイブリッドバージョンのトランクには505~1,625リットルの荷物を収納できるが、バッテリーパックがボディの下に装着されているため、電動システムのないディーゼルやガソリンバージョンよりも約100リットル少なくなっている。
Q8 60 TFSIeの価格は92,800ユーロ(約1,178万円)から始まる。
一方で、弱いバージョンの55 TFSIeは、75,351ユーロ(約956万円)から入手可能となっている。

コクピットは普通のQ8と変わらない。トランクスペースだけが小さくなっている。

いよいよアウディもQ8のレベルまでプラグインハイブリッドのモデルを導入する運びとなった。もはやヨーロッパにおいても、それだけディーゼルエンジンのモデルが劣勢ということなのかもしれないが、ますますこの流れは大きくなっていく一方のような気もする。
そうは言っても世の中適材適所だし、大型SUVやバスやトラックなど、ディーゼルエンジンを一気に廃止するのではなく、その長所を生かしながらハイブリッドシステムと組み合わせるなどして改良・延命しながら使い続けてもいいのに、と思ってしまう。いきなりなんでもかんでもEV方向という流れはあまりに不自然に思えるし、まだまだディーゼルエンジンの魅力や長所は大きいものがあると個人的には考える。
今回のQ8も自動車として、その重さとトランクスペース以外は文句のない出来とのことだが、ディーゼルエンジンのモデルと比較した場合、トルクの威力と航続距離の魅力で、やはりまだディーゼルエンジンのモデルを(私は)選びたい。もちろん近い将来にプラグインハイブリッドのようなモデルだけになってしまう時代はやってくるだろうが、まだ今はディーゼルエンジンのモデルも自由に選べるし、利己主義と言われてもその魅力には抗しがたいほどのものがあるからである。

Text: Stefan Grundhoff
加筆: 大林晃平
Photo: AUDI AG