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これがTOYOTA GAZOO Racingの頂点なのか!「GR GT/GR GT3」― トヨタが放つ“第三のフラッグシップ”

2025年12月12日

TOYOTA GAZOO Racing が、新型スポーツモデル GR GTとそのレーシング仕様 GR GT3を公開した。
2000GT、LFAに続く“第三のフラッグシップ”と位置づけられ、TGRが掲げてきた「モータースポーツ起点のクルマづくり」を象徴する存在となる。

GR GT ― 公道で味わえるレーシングカー

GR GT は「公道を走るレーシングカー」という明確なコンセプトを掲げ開発された。新開発の 4.0L V8 ツインターボにハイブリッドシステムを組み合わせ、システム出力は650PS超、トルクは850Nm超を目標とする。

GR GT は新開発の 4.0L V8 ツインターボにハイブリッドシステムを組み合わせ、システム出力は650PS超、トルクは850Nm超を目標とする。

エンジンは低重心化を徹底したホットVレイアウトを採用し、後部のトランスアクスルと組み合わせることで理想的な重量配分を実現する。骨格はトヨタ初のオールアルミ構造 を採用し、軽さと剛性を両立した。

極めて低重心なパッケージングであることがわかる。

空力と冷却性能を最優先に据えた“空力ファースト”のデザイン手法を採用し、造形はすべて機能から逆算されている。シートポジションは極限まで低く設定され、ステアリング、ペダル、視界のレイアウトもレーシングカーに準じる。日常からサーキットまで、ドライバーとクルマの一体感を突き詰めたパッケージとなった。

GTの名の通りグランドツーリングを意識していると思われるインテリアデザイン。

GR GT3 ― FIA GT3 を戦う本格レーサー

GR GT3は GR GTをベースに FIA GT3規格へ最適化したレーシングモデルとなる。同じく 4.0L V8 ツインターボを搭載し、空力、冷却、剛性はすべてレース基準で仕上げる。

GR GT3はレース参戦用マシン。

プロドライバーだけでなく、ジェントルマンドライバーでも速さを引き出せる“扱いやすいGT3”を目指して開発が進む。ボディは GR GT と共通のアルミ骨格を採用し、さらにレギュレーションに合わせて広角化したワイドボディを組み合わせる。

4.0L V8 ツインターボは快音を放つに違いない。

寸法は全長 4,785mm、全幅 2,050mm、ホイールベース 2,725mm(開発車両数値)。GT3マシンとして世界のレースシーンでの活躍を視野に入れたパッケージだ。

トヨタの“式年遷宮”としての意義

この2台は、トヨタが蓄積してきた“走りの技術”を次世代へと受け継ぐ象徴的な存在となる。TGR はこのプロジェクトを“トヨタの式年遷宮”と呼び、2000GT、LFA に続く“技術の継承と進化”を体現するモデルと位置づける。

高剛性、軽量なGR GTの骨格。

市販スーパーカーと本格GT3レーサーを同時に提示することで、TGR は「公道とサーキット」を完全にシームレス化した新たなスポーツカー文化を構築しようとしている。

今後の注目ポイント

両モデルはまだプロトタイプ段階にあり、最終仕様やスペックは今後順次公開される見込みだ。市販仕様の詳細、内装、価格、そして GR GT3 の参戦カテゴリーなど、今後の続報に大きな注目が集まる。

トヨタが送り出す新たなフラッグシップ、GR GT/GR GT3。その存在は、日本のスーパーカー史に新たなページを刻むことになる。

Text:アウトビルトジャパン
Photo:トヨタ自動車