史上最強の雄牛 ランボルギーニがカリフォルニアで29台限定生産の1080馬力モンスター「ランボルギーニ フェノメノ」を公開!
2025年12月10日
ランボルギーニ フェノメノ(Lamborghini Fenomeno):史上最強の雄牛。1,080馬力を誇る、29台限定生産のフェノメノは、これまでで最強のランボルギーニであるだけでなく、何よりも過激な発想のレヴエルトでもある。300万ユーロ(約5億3,400万円)もするこの風変わりな車の技術スポットをご紹介!
北イタリアのスポーツカーメーカーが、「モントレー カーウィーク」で最も高級なイベント「ザ クエイル」に登場するのは、長年の伝統となっている。ランボルギーニのステファン ヴィンケルマン最高経営責任者は、長年にわたり、カリフォルニアの海岸で、未来の研究、量産モデル、限定生産モデルを発表してきた。しかし、今年の発表ほど壮大なものはめったにない。
また、サンタアガータのスーパーカーがこれほどのパワーを発揮したのは、これまでなかった。1,080馬力というパワーそのものもさることながら、そのパワーによって実現される走行性能も印象的だ。0から100km/hまで2.4秒、0から200km/hまで6.7秒、最高速度は350km/h以上だ。
ランボルギーニ フェノメノ:レヴエルトよりも65馬力強力
この驚異的なパワーは、6.5リッターのV12自然吸気エンジンを筆頭とする、精巧に調整された4基の駆動装置によって実現されている。走行状況に応じて、最大245馬力を発生する3基の電動モーターがこれをサポートする。その結果、「ランボルギーニ レヴエルト」よりも合計65馬力高い出力を実現している。

しかし、自然吸気エンジンは10馬力しか出力アップしていない。835馬力と725Nmという出力は目もくらむような回転数で達成される。最高出力は9,250rpmで発生、レッドゾーンは9,500rpmだ。
自然吸気エンジンは8速デュアルクラッチトランスミッションを介して後輪を駆動し、2基の110kW(150馬力)の電動モーターが前輪に動力を供給する。3基目のラジアルフロー電動モーターは、選択した走行モードに応じて、後輪に追加のトルクを供給する。245馬力の3基の電動モーターは、「フェノメノ」のパワーアップに大きく貢献している。そして、このパワーは、従来までの3.8kWhから7.0kWhに容量が拡大された、新たに開発されたバッテリーから供給され、これまでと同様に旧トランスミッショントンネルに収納されている。

「これほど多くの技術を少量生産車に投入したのは初めてだ」と、ランボルギーニの開発責任者ルーヴェン モーアは強調する。「これは、ラップタイムや技術データだけからわかることじゃない。ハンドルを握った人なら誰でもわかることだ」。この技術的な首謀者は、新しいGT3レースバージョンに採用されているシャーシについても言及している。
ランボルギーニはギミックよりもグリップを重視
平たく言えば、「電子制御式ダンパーはもう使わないが、伸び側・縮み側の動きの自由度はより大きくなる」ということだ。さらに、タイヤ(フロント265/30 ZR 21、リア355/25 ZR 22)とショックアブソーバーとの間の比率もより大きくなっている点も見逃せない。
タイヤは2種類から選択でき、日常走行や高速道路向けの標準タイヤに加え、サーキットでさらなるグリップを発揮するよう専用設計されたブリヂストン製セミスリックも用意されている。一方、カーボンセラミックディスク(フロント420mm、リア410mm)を備えるCCM R Plusブレーキシステムは、最大限の制動力を確保。ランボルギーニは「100km/hから約30メートルで停止可能」と謳っている。

この新しいスーパースポーツカーは、最高の排他性を誇る、いわゆる「Few Off」シリーズの9番目のモデルだ。「2007年にランボルギーニ レベントンを発表したとき、私たちの目標は、ランボルギーニの真髄を体現する、真に卓越したスーパースポーツカーを作ることでした」と、ステファン ヴィンケルマン氏は説明し、次のように続けた。「この新しい「Few Off」は、当社のDNAの基本要素である、独自性と革新性という同じ哲学を継承しています」。
因みに、この車名「フェノメノ」は、2002年にメキシコで戦い、その勇敢さゆえに命を救われた闘牛に由来している。
Text: Stefan Grundhoff
Photo: Lamborghini

