【新着情報】トヨタGRスープラ スポーツトップ コンセプト

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果たしてこのおしゃれなタルガトップのスープラは生産化されるのだろうか?

トヨタがSEMAショー(Specialty Equipment Market Association=米国自動車用品工業会が主催する世界最大規模の自動車アフターマーケット見本市)に出品したショーカー、GRスープラ(A90 MK5)ベースのスープラ タルガ「スポーツ トップ コンセプト」は、90年代の象徴的な先代モデルにオマージュを捧げている。しかし残念ながらこのクールなコンセプトモデルが生産化される可能性は低い。

直列6気筒、タルガルーフ、リアウィング: これが、トヨタスープラMK4が世界中のファンの心に焼き付けた組み合わせだ。だがBMWをベースにした現在のMK5スープラには、タルガルーフとリアウィングはない。しかし、トヨタは、「スポーツトップ」と呼ばれる最新のショーカーが示すように、決してMK4タルガトップのことを忘れてはいるわけではない!

3Dプリンターからのルーフパーツ

このショーカーは、2020年に、初めてオンラインで開催されたチューニングカーショー、「SEMA360」のために、北米トヨタによって特別に作られたプロトタイプモデルだ。トヨタはその前年の2019年のSEMAショーでも、MK4を引用したオリジナルスポイラーを装着した「スープラ ヘリテージ エディション」を出品して、センセーションを巻き起こし、多くのファンの心を痺れさせた。

2019年のSEMAショーに出品されたスープラの「ヘリテージ エディション」。

今回、トヨタはさらに一歩進んで、湾曲したリアウィングと丸いテールライトに加えて、タルガルーフを備えた「スポーツ トップ」を作り上げた。先代モデルはほとんどの市場でクーペとして販売されていたが、少なくとも、『ワイルドスピード』が公開されて、大人気を博して以来、人々はスープラといえばタルガを思い浮かべるようになった。「スポーツ トップ」の2枚の取り外し可能なパネルは、3Dプリンターで製作されたもので、クリップを外すだけで取り外しが可能になっている。剛性を高めるために、Bピラー、ルーフ後部、アンダーボディ全体が補強されている。

タルガルーフと弓型スポイラーは、ただ単にMK4に非常によく似合うだけではなく、優れた機能も発揮する。

トヨタは、ショーカーにボディキット、新しいホイール、サスペンション、ブレーキ、エキゾーストシステムなども設定した。加えて、BMW製B58の直列6気筒もアップグレードされたが、トヨタは詳細を公表していない。「スポーツ トップ」のシリーズ化?残念ながら望みは薄いだろう。その理由は手間とコストがかかりすぎるからだという。

その理由が本当だとすればそれはなんとも残念なこととしか言いようがない。ヤリスやカローラなら、コストが最優先であったとしても仕方がないが、スープラはそういう種類の車ではないからだ。もちろん今のままのスープラは走りもよく、スタイルも(批判はあるものの)スポーツカーらしいもので、街で見かけても他の車とは違った魅力を醸し出すことに成功していると言える。もちろんこれから出てくると予想される、より高性能なバージョンも大切だが、それとは若干路線の違う今回のようなオープンモデルがあったとしたら、よりスープラの魅力を高めるのではないだろうか。前述のように今までのスープラに備わっていたタルガのようなオープンモデルは、より鮮明にスープラらしさを表演する大切なアイテムではないだろうか。今回の車の仕上がりは、開口部といった細部などを見てもかなり完成度が高い。だからこそ、この仕様を追加してくれたらと思えてならないし、蛇足ながら、登場が予告されたライバルのフェアレディZに、Tバールーフが備わっていたら、きっと昔のファンは喜ぶと思うのだが…。

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Text: Moritz Doka
加筆:大林晃平
Photo: Toyota