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世界中で大旋風を巻き起こしているベビーランクル 「トヨタ ランドクルーザーFJ」を徹底チェック!動画付き

2025年12月1日

トヨタ ランドクルーザーFJ:我々はJapan Mobility Show2025での世界初公開を機に、車両室内外の総チェックを行った。

「「トヨタ ランドクルーザー」の小型版については、長い間、憶測や噂が飛び交っていた。そして今回、トヨタはついに正式発表を行った。「ランドクルーザーFJ」という名の小型オフロード車が、2026年から発売される予定だ。我々は、「Japan Mobility Show 2025」でのデビューを機に、車内外の総チェックを行った。

トヨタ ランドクルーザー:1951年以来のアイコンモデル

「ランドクルーザー」は1951年に誕生した。当時は「トヨタBJ」という名称だった。そして、当時も今も、その要求は変わらない。信頼性、耐久性、そしてオフロード性能だ。世界190以上の国と地域で、約1,215万台を販売し、真のオフロードのアイコンとしての評判を確立し、2024年に新世代モデルとして最後にアップデートされた。

メルセデスもつい最近、「ベビーgクラス」を発表した。そして今、トヨタも「ランドクルーザー」のミニバージョンを発売し、今回のモビリティショーで大きな話題を呼んでいる。

デザインとサイズ

デザイナーは、新しい大型モデル(日本向けバージョン)の外観を明確に参考にしたようだ。角張ったフォルムとレトロなスタイルが融合し、コンパクトでありながら、一目で「ランドクルーザー」だとわかるデザインとなっている。

トヨタのデザイナーは、コンパクトクルーザーEVのコンセプトカーから、ランドクルーザーFJの角張った形状を取り入れた。

フロントには2種類のバリエーションがある。1つは、以前の世代を彷彿とさせる丸型ヘッドライトを備えたレトロなデザイン、もう1つは、コンセプトカーと同様にC字型のデイタイムランニングライトが印象的なデザインだ。どちらのフロントも、中央にトヨタのロゴが入った細いグリルが共通している。

トヨタは2種類の外観を提示した。写真右はレトロなスタイル、左はC字型のヘッドライトを備えたややモダンなスタイルだ。
Photo:TOYOTA

その下には、アルミ調のインサートが組み込まれた、豪華なプラスチック製のフロントバンパーが配置されている。さらに、フレア付きフェンダー、プラスチック製の大きなホイールアーチ、アウトドア用品の取り付けや追加の収納スペースを確保するための「モールパネル」も備わっている。

トヨタは、この展示会で、頑丈なサイドシルプロテクター、高めのエアインテーク、ルーフにマウントされたARBプレートを備えたFJを展示した。
Photo: AUTO BILD / Nele Klein

リヤには、垂直に立つリヤウィンドウ、スペアタイヤ、そしてC字型のリヤライトが装備されている。さらに、ブラック塗装の18インチホイールがデザインを引き立てている。

リヤに装備されたスペアタイヤが、ダウンサイジング版のオフローダーを完成させている。

トヨタによれば、フロントおよびリヤコーナーバンパーは取り外し可能であり、損傷した部品のみを交換できるため、修理のしやすさが向上しているという。また、いくつかのカスタマイズオプションも用意されているとのことだ。

FJのテールゲートは、実用的に横に開くため、トランクに簡単にアクセスできる。
Photo: AUTO BILD / Nele Klein

成長した新型「ランドクルーザー」とは対照的に、その弟分であるこのモデルはよりコンパクトになっている。高さのみが、その差がごくわずか(20mm)だ。

・全長:4,575mm(350mm短縮)
・全幅:1,855mm(130mm短縮)
・全高:1,960mm(20mm短縮)
・ホイールベース:2,580mm(270mm減少)

新型のハンドルを握ってみた

現行の「ランドクルーザー」を運転したことがある人なら、「FJ」もそのファミリーの一員であることにすぐに気付くだろう。なぜなら、ここでもおなじみのデザインが採用されているからだ。キャビンは、ダークな内装で高級感にあふれている。これは、ダークなルーフライニングも一因だ。

さらに、触覚的なボタンとスイッチが快適なフィードバックを与える、しっかりとした多機能ステアリングホイール、デジタルコンビネーションメーター、そして大きな長方形のインフォテインメントディスプレイも備わっている。シートは十分な横方向のホールド力を提供し、快適で、明るいコントラストのステッチが上品なタッチを添えている。スペースも十分に確保されている。

ランドクルーザー FJのインテリアはシンプルでありながら親しみやすく、大型のランドクルーザーとよく似ている。室内は広々としている。

トヨタは、「ランドクルーザー FJ」に衝突警報機能を含むアクティブセーフティパッケージ「トヨタ セーフティ センス」が搭載されることを明らかにしている。大型モデルに搭載されているオフロードクルーズコントロールやマルチテレインモニターなどのシステムも搭載されるかどうかは、現時点では不明だ。

ベースと駆動

駆動に関しては、「2TR-FE」タイプの2.7リッター4気筒エンジン(163馬力、246Nmのトルク)を採用。6速オートマチックトランスミッションと、切り替え可能な四輪駆動と組み合わせている。プラットフォームは、「IMVシリーズ」をさらに発展させたもので、SUVやピックアップトラック用の、ラダーフレーム構造をベースにした車両プラットフォームだ。これにより、オフロード走行に適した最低地上高と傾斜角度が確保されている。

2026年に市場投入予定

ただ、一つ悩ましい問題がある。2026 年半ばに日本で市場投入される予定だが、残念ながら、この小型「ランドクルーザー」がヨーロッパにも投入される予定は現時点ではない。その理由は、EUの厳しい排出ガス規制にある。

結論:
小型の「ランドクルーザー FJ」はベストセラーになる可能性がある。象徴的な「ランドクルーザー」のオフロード性能と、日常的に使用できるコンパクトさを兼ね備え、しかも広い室内空間を確保している。モダンで、素朴、そしてレトロな、見事な組み合わせだ。トヨタが小型の「ランドクルーザー FJ」をヨーロッパでも販売する方法を見つけ出すことを願ってやまない。「スズキ ジムニー」同様、世界中で、きっと多くの購入者が見つかるだろう。

※ワールドプレミア時のYouTube動画(2分50秒+字幕付き)
https://youtu.be/4R2YiyXy5rw

Text: Nele Klein
Photo: TOYOTA MOTOR CORPORATION