BASF、2025-2026年の 自動車のカラートレンド予測「DRIVING THE PROXY (プロキシを駆動する)」を発表
2025年11月4日
世界最大の総合化学会社BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)は、2025-2026年の自動車のカラートレンド予測及びコレクションを発表。今年のコレクションタイトルは「DRIVING THE PROXY (プロキシを駆動する)」で、アジア太平洋地域、米州、EMEA(欧州・中東・アフリカ)それぞれのエリアのカラーコレクションが発表された。
・インスピレーションを行動へと移す過程を探究し、アイデアと感情を現実につなげるコレクション
・サステナビリティとイノベーションにより、視覚的な洗練度を継続的に向上
・3地域のカラーは、それぞれ異なる世界的な変化と進化する感情的ニーズを反映
「DRIVING THE PROXY」は、創造的なインスピレーションや影響力が、様々な源泉からどのように得られるかを探り、自動車業界におけるデザイン上の意思決定をダイナミックに形作るためのプロキシ(代理)として機能する。

サステナビリティとイノベーションは引き続きこのコレクションの中心的な要素で、一部のカラーには、再生可能またはリサイクル原料が使用されており、さらに、多色顔料や金属調などの質感の革新により、視覚的な洗練さも高められている。
Photo:アウトビルトジャパン
全体として、滑らかで緻密な表面と控えめな輝きが特徴の、洗練された様々なソリッド調カラーを展開。赤みの色相からモーブやニュアンスのあるブラウンなど、温かくより情感豊かな色相が表現されている。
世界中の自動車OEMは、BASFコーティングス事業本部によるカラーに関する洞察を将来のモデル開発の指針として活用しており、一部のカラーは、早ければ2年以内に市場に登場するとしている。
カラートレンドの概要
45色で構成される今回のコレクションでは、BASFコーティングス事業本部のカラーデザイナーたちは、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アジア太平洋、米州の3つの地域における、それぞれの文化的・技術的変化を反映したキーカラーを選定した。

Photo:アウトビルトジャパン
地域別のキーカラー
EMEA(欧州・中東・アフリカ)地域:TESSERACT BLUE (テッセラクト ブルー) 次元を拡張するブルー
TESSERACT BLUEは、先進的な干渉顔料によって表現された、グリーンとバイオレットのハイライトをもつ鮮やかなブルー。幾何学的な抽象表現から着想を得たTESSERACT BLUEは、知覚に訴え、視覚的な奥行きによる多次元的な表面体験を生み出す。

「気候変動や社会構造の変化など、複雑に絡み合うダイナミクスは、象徴的かつ目に見える空白を生み出し、社会規範の再構築を促していることがわかります。この文脈において、TESSERACT BLUEは視点の転換を表しています。すなわち、空白を埋めることです。包括的で未来志向の解決策、自動車の外観に、調和のとれた未来像を提示します。」と、BASFコーティングス事業本部の自動車カラーデザイングローバル責任者であるマーク・グートヤールは述べている。
アジア太平洋地域:PHYGITAL MAGNETAR (フィジタルマグネター)加速的な進歩と静かな外観
PHYGITAL MAGNETARは、明るいホワイトのハイライトをもつ温かみのある滑らかなメタリックカラー。このカラーは、絶え間ないイノベーションへの追求と、穏やかさと明瞭さへの強い欲求という、この地域が抱える二面性を捉えている。先進的な2コート技術を使用して、物理的領域とデジタル領域を滑らかな金属調意匠で橋渡する。

「アジア太平洋地域における、イノベーション疲れをめぐる継続的な議論に着想を得ました。PHYGITAL MAGNETARは、穏やかで表情豊かな外観によって、イノベーションを感じさせない空間を作り出し、デザインが静かに未来を再定義します。」と、BASFコーティングス事業本部アジア太平洋地域の自動車カラーデザイン責任者である松原千春は述べている。

Photo:アウトビルトジャパン
米州:AUXETIC NEUTRAL (オーセチック ニュートラル) 中立がアイデンティティになる場
AUXETIC NEUTRALは、文化的なインスピレーションを受けた豊かで深みのあるブラウンで、中立性を大胆なデザインステートメントとして再定義する。そのすっきりとした輝きは、鮮やかさと奥行きを加え、触感的で多次元的な表面を作り出す。カラーはファッションと工業デザインの両方から影響を受けている。

グートヤールは次のように述べている。「今日のデザインは、個人の著作性よりも、集団的な表現が重視されています。中立性、さらには匿名の著作性さえも、包括性を実現するための手段となり、多様な意見が共存し、アイデンティティを形成することを可能にしています。AUXETIC NEUTRALは、こうした時代を乗り越えるために望ましい品質を反映しており、複雑さや開放性を受け入れながらも、独自性があり、記憶に残るカラーです。」
BASFコーティングスのカラーの専門性
BASFコーティングス事業本部のカラーデザイナーたちは、毎年、ファッション、消費者行動、テクノロジー、自然など、世界的なトレンドを探究している。これらの洞察を基に、自動車のカラートレンド コレクションを創造し、カラー、表面、意匠に関する新しいコンセプトの開発を続けている。これらの洞察は、世界中の自動車OEMによる将来のモデルのデザインや計画に活用されており、BASFコーティングス事業本部は、デジタルおよびバーチャルカラーツールの専門知識を提供し、自動車メーカーの業務を支援している。注目すべき事例として、過去のコレクションで紹介された「BURSTING BLUE(バースティング ブルー)」があり、現在では、市場で広く採用されているカラーとなっている。
■BASFのコーティングス事業本部について
BASFのコーティングス事業本部は、メタル、プラスチック、ガラス基板など幅広い産業における革新的な製品の開発、生産、販売を行っています。これらのポートフォリオは、新しい市場や事業開発を目指すInnovation Beyond Paint(塗料を超えたイノベーション)プログラムによって提供してまいります。私たちは、先進的なパフォーマンス・ソリューションを創造し、世界中のパートナーのニーズを満たすために、パフォーマンス、デザイン、新しいアプリケーションを推進しています。BASFは、ヨーロッパ、北米、南米、アジア太平洋地域の拠点のネットワークを活用することで、お客様の利益のために、専門的でグローバルなチームのスキル、知識、リソースを提供しています。2024年におけるBASFコーティングス事業本部の世界の売上高は約38億ユーロでした。
私たちは情熱と専門性を原動力に、これまでのコーティングスビジネスを超えて、真の新しい価値を創出します。詳細は www.basf-coatings.com(英語)およびLinkedInをご覧ください。
■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。私たちは、持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追求しています。また、お客様のグリーントランスフォーメーションを可能にする、選ばれる化学会社になるという意欲的な目標を掲げています。全世界で約112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、コア事業の事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、ニュートリション&ケア)、スタンドアローン事業の事業セグメント(サーフェステクノロジー、アグロソリューション)から成ります。2024年のBASFの売上高は653億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は https://www.basf.com/global/en.html をご覧ください。
Text:アウトビルトジャパン
Photo:BASFコーティングス事業本部

