完全武装フェラーリ この防弾フェラーリ458スペチアーレは約625,000ドル(約6,600万円)以上する!
2020年12月25日
このフェラーリ458スペチアーレはなんと弾丸を防ぐことができる。より正確に言うなら、最大44口径までのピストルの弾丸で撃たれても平気にできている。そして本当にすごいのは、鎧の重さがたったの71kgだということだ! 我々が入手した全情報をお届けする。
通常、防弾装備など、装甲は、アウディA8やメルセデスSクラスなどの高級セダンに施される。
あるいは、トヨタ ランドクルーザーやメルセデスGクラスのような大型SUVもしばしば装甲モデルとして改造されることがある。
しかし、防弾スーパーカーは絶対的な例外だ。
その極めて珍しい防弾スーパーカー、B4アーマー(装甲)を装備したフェラーリ458スペチアーレをアメリカの会社がを作り上げた!
アッドアーマー(AddArmor)というアメリカの会社は、さまざまな車の装甲を専門にしている。
例えば2019年、アメリカのワイオミング州に拠点を置く同社は、すでにAPRがチューニングしたアウディRS 7(765馬力)にB4アーマーを装備し、「世界最速のセーフルーム」として販売して、ネット上で多くの注目を集めた。
そして今回、アッドアーマー社は次なる注目のプロジェクトとして、希少なフェラーリ458スペチアーレを完成させたのだった。
このアッドアーマーの新しい目玉商品の装甲化における最大目標は、重量わずか1290kgの標準モデル605馬力スペチアーレを防弾化することで2トンの怪物にしないことだった。
実際、フェラーリは約71kgしか車重が増えていないと言われており、B4アーマー(装甲)としては極めて少ない。
更に、アッドアーマー社は、多数のカーボンパーツと超軽量のカプリストエキゾーストシステムを追加することで、余分な重量を減らすことができたと述べている。
要するに、この防弾フェラーリは、最終的には、通常のスペチアーレよりも30kgほどしか重くならないという。
同時に、フラップエキゾーストはV8エンジンを40馬力増加させて、最高出力を645馬力にまでアップさせたという。
B4装甲フェラーリ458スペチアーレ
もちろん、B4アーマー(装甲)というレベルでは、大口径銃弾も、爆発物にも対抗できないが、小型のピストルからの弾丸(最大44口径)からは乗員を守ることができるようになっている。
防弾のために、アッドアーマー社は、スチールの10倍の耐性を持ちながら、同時に重量が約60パーセントも軽くなる合成素材の特殊素材を使用している。
また窓は複層ガラスでできており、厚さはわずか2センチほどしかないという。
ちなみに外貨にゃ内装からは、このフェラーリ458スペチアーレが防弾モデルだということはわからない。
防弾フェラーリの価値は約625,000ドル(約6,600万円)
残念ながら、458スペチアーレのコンバージョンにどれだけの費用がかかったのかは不明だ。
しかし、アッドアーマー社によれば、防弾フェラーリは約625,000ドル(約6,600万円)の価値があるとされている。
他のモデルのアーマーパッケージは、28,000ドル(約300万円)弱の価格からとなっている。
さらにその鎧はリバーシブルとなっており、再販の場合には、残留物を残すことなく削除することができるようになっているという。
これは、特にフェラーリ458スペチアーレのようなコレクターカーにとっては、非常に大きなメリットとなるだろう。
防弾のフェラーリ、というものがあることを正直知らなかったが、どんな世界に生きる人であっても自分でステアリングホイールを握って走りたい、という要望はあるわけだし、それが少しでも命を守ってくれる防弾性能を持ってくれていたならばありがたい、という人ももちろん世の中には存在しているわけである。
今回の458スペチアーレは、US仕様のフェラーリをベースに仕立て上げられているわけだが、文中にあるように重要ポイントは2か所ある。
ひとつは軽いことで、多くのこの手のクルマと比較すると驚くほど軽く仕上げられている。その分防弾性能はそこそこではあると思われるが、普通のピストルくらいなら防げるとのことだから、まあ十分って言えば十分かと思われる。
もう一つのポイントは、防弾処理をあとで取り外すことも可能、だという点で、そう考えると意外と防弾処理部分は少ないのかもしれない、とも考えられる。
そもそもこれだけの重量差だとガラス部分はどうなっているのか、とか、タイアやホイールやブレーキ部分を狙われたらどうするんだ、と突っ込みたいポイントは多々あるが、誰しもゴルゴ13に狙われるわけではないだから、ちょっとしたアクシデントから守られればよい、というレベルのアーマー性能なのかもしれない。
やりだせばきりがないし、最終的には戦車みたいなクルマに乗らなくてはいけなくなってしまうだろう。まあフェラーリにもこういう珍しい一台も世の中にはあるんだなぁ、というそんな話題で十分だし、我々はこういう配慮をする必要がない生活をしているということを素直に喜びたいものである。
Text: Jan Götze
加筆:大林晃平
Photo: Ferrari