【このクルマなんぼ?】 ラリーレジェンドとスポーツカー20台  伊パドヴァ自動車展示即売会より

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あのクラシックスポーツカーとラリーレジェンドは今いったいどのくらいするのか? 先ごろイタリアで開催されたパドヴァの展示即売会に出品された貴重かつ希少な車のうち20台を選んで価格とともに紹介する。

イタリアのベネツィアの西にある小都市、パドヴァでおこなわれたアウト エ モト デポカ(Auto e Moto d’Epoca)2020には、多くのラリーレジェンドと、スペシャルなスポーツカーが多く出展された。それらのスペシャルクラシックスポーツカーの中から興味深い20台を選んで価格とともにレポートする。

現在でも、1960年代から90年代のラリーカーは、多くの自動車ファン魅了している。
例えば、つい先ごろ、コロナウイルスによる特別規制下での開催となったパドヴァのアウト エ モト デポカ2020でも、一部の国際的なディーラーは参加できなかったものの、多くの希少かつ希少なクラシックカーが展示され、世界中から高い注目を浴びた。
出展された車は4000台以上という想像を超えた数で、10,000ユーロ(約125万円)のヤングタイマースポーツカーから、6桁(1,250万円以上)のラリーレジェンドまで、ファン垂涎のクルマがほぼすべて揃っていた。

56,000ユーロ(約715万円)のミッドエンジン レジェンドクリオV6

また、今回はラリーカーのみならず、多種多様な興味深い車両が出展されていた。
例えば、56,000ユーロ(約715万円)の価格で販売されていた、ミッドエンジンの伝説のルノー クリオV6フェーズ1や、かつてはロンドン自動車博物館に所蔵されていた初代のバットモービルなどなどだ。
そのバットモービルは、7.5リッターV8エンジンを搭載した1966年式リンカーンをベースにしている。
火炎放射器やバットレーダーなどのエクストラも組み込まれているという。
そして、派手な色のポルシェを探している人たちには、レアなボディカラー「ライムグリーンメタリック」を身にまとったポルシェ928 Sが展示されていた。

いまや伝説的な存在となったミッドエンジン ルノー クリオV6フェーズ1。総走行距離73,000kmのルノーのV6を入手するには、56,000ユーロ(約715万円)の費用がかかる。
※数年前までは東京の街でも見かけたクリオV6、エアコンがつかないことは難点だが、もうこういうミッドシップのルノーが登場する可能性は低いことを考えれば、希少性は高まる一方かもしれない。

3.0リッターV6、345馬力と全輪駆動のオペル アストラ ラリー。「無冠の帝王」として知られるラリードライバー、マルク アレンが1996年シャモニー24時間レースに優勝した時に駆ったラリーカーだ。価格は要応談。
※マルク アレンが乗った車とのことだが、その程度の良さなどを見るとスペアカーの可能性もある。それでも価値は高いので結構な金額となるのではないだろうか。

30,000ユーロ(約380万円)というお金があれば、コンパクトEVを購入できる。しかしそのお金があれば、パドヴァのクラシックカーショーでは、この1973年のシムカ ラリー 2が買える。多くの運転の楽しさを備え、そのボディカラーのおかげで、駐車場で見失うこともない。
※シムカ ラリーももうじき半世紀、ではあるがいまでもその魅力は変わらない。コンパクトで格好いいクラシックカー(というのは似合わない)と考えれば、380万円は妥当な金額といえる。

1998年に製造されたこのマングスタ プロトタイプ002は、最後のデ トマソだ。これはプレスキットに掲載されていたモデルであり、後に「Qvale」というバッジに付け直され。ユニークな車の歴史を備えた1台の価格は、50,000ユーロ(約635万円)というものだ。
※珍車の中の珍車。おそらく誰もデ トマソとは思ってくれないだろう。エンジンなどは、フォード マスタングのもの(なはず)である。

オリジナルのインテリア、正規のエンジンとシャシーナンバー、レアカラー「ライムグリーンメタリック」を備えた1980年製ポルシェ928S。価格は要応談。
※もはやクラシカルな928だが、一部のマニアにはカルト的な人気を誇る。維持にはかなりの情熱とコストがかかるので覚悟は必要。

犯罪者をスタイリッシュに追いかけたいですか? それにはこの、シャーシ番号3999のオリジナルフェラーリ250 GTE 2+2パトカーが最適だ。作られたたった2台のうちの唯一生き残った車だ。価格は要応談。
※映画「フェラーリの鷹」を髣髴とさせる一台。ブラックの外装と、タンの内装とのコンビネーションとは、なんとも洒落たパトカーだ。

70年代の愛好家のための日本のバロック音楽、それがこのトヨタ セリカSTだ。1969年製造の1.6リッターエンジンと105馬力を搭載したモデルTA22できれいにレストアされている。価格は要応談。
※右ハンドルのセリカだが、アンバー色のウインカーから考えると、輸出モデル。走行距離は不明だが、丁寧に乗られてきた一台と思われる。

BMW M3の中でも最も美しい1台と言えるのではないだろうか。「ラグナセカブルー」で2003年の343馬力E46マニュアルモデル。フルメンテナンス済みで39,000ユーロ(約495万円)。
※程度もボディカラーもよく、なかなか魅了的なM3だ。今となってはなんともコンパクトでいい感じである。価格もそこそこで、妥当である。

フェラーリ レストモッド: 1970年代のフェラーリ308をベースに一部をカスタマイズしたレストモッド。それでも、それは昔の夢のままだ。50万ユーロ(約6,350万円)。※我々が以前レポートした308のレストモッドも出展された。価格はもちろん、なんとも高価である。

ランチア デルタHFターボ ヴィンテージ1998は、今や非常に稀なモデルだ。192馬力を備えたエキゾチックなスポーツカーは、リーズナブルな10,900ユーロ(約138万円)という価格で手に入れることができる。
※なんとも希少な一台だが、色が悪いせいか?意外と買いやすい価格。横に並んでいる観音開きの一台や、うしろのアルファロメオも気になる…。

ルノー アルピーヌはフランスのスポーツカーのレジェンドモデルだ。この1987年アルピーヌGTAは、V6ターボとマニュアルトランスミッションを備え、総走行距離は38,000kmだ。価格は要応談。
※この未来的なアルピーヌもすでに30年以上が経過したモデル。ヘッドライトのプラスチックなどは交換済みらしくとてもきれいではあるが、それでも必ずそれなりのメンテナンスは必要なので購入の際には注意してほしい。

ポルシェ968クラブスポーツ(CS)は1993年から1995年までしか生産されていない。標準モデルよりも50キロ軽いモデルは、今日では希少な存在だ。価格は要応談。※968CSももはやプレミアム価格の常連。サイズなどを考えると、今でも魅力的なポルシェである。

寒い冬の日のコロナ封鎖下で、いじくり回す何かをまだ探している人へ。オリジナルの状態で25,000ユーロ(約317万円)の、このルノー アルピーヌA310(1974年製造)を入手すれば、ガレージに閉じこもってたっぷりと作業をすることができますよ。※ということで、程度はそこそこ(というかワルそう)だが、直す楽しみのある方には好適な一台かもー。

バットマンとロビンのように市中を駆け抜ける。そのことは、ロンドンモーター博物館に所蔵されていたオリジナルのバットモービルを使えば可能となる。このバットモービルは、7.5リッターV8を搭載した1966年式リンカーンをベースに作られている。火炎放射器やバットレーダーなどのエクストラが搭載されていると思われる(もちろんいずれも機能しないはずだが)。
価格は当然(?)要応談。
※残念ながら本来は備わっているはずの「コウモリ型の受話器」を持った電話が見当たらない。

クルマ自体はカルトだ。パドヴァで提供される三菱ランサー エボは、日本限定モデルのため右ハンドルで46,500ユーロ(約590万円)だ。
※ナンバープレートから、以前はカリフォルニアにいたことがわかる。ホイールもきれいで程度は良さそうだ。

フォード エスコートMk2ラリー。70年代に成功を収めたフォードのスポーティモデルは、カプリとエスコートと呼ばれていた。名ラリードライバー、アリ ヴァタネンがMk2エスコートを駆って1981年の世界ラリー選手権を制した。価格は要応談。
※こちらはアリ ヴァタネンが乗ったクルマそのものではないが、なかなか程度の良さそうなエスコートMK2ラリーだ。オーバーフェンダーともはや小径のアルミホイール、4灯のフォグランプがたまらない、という方には、ぜひぜひお勧めの一台だ。

VWゴルフ1.9 TDIのレースカー。ディーゼルのゴルフをレースカーに? おどろくことに当時は存在したのだ! パドヴァには、240psのディーゼルエンジンを搭載した1996年のVWモータースポーツのオリジナルワークスカーがあった。
価格は要応談。
車検をパスして街で乗れるかどうかは、怪しいところではあるが…。

街中でも完璧に使えるクラシックカー? それを解決する1台は、1984年に製造されたアウトビアンキA112アバルトだ。9500ユーロ(約120万円)で69馬力、「アズーロメタリック」でパッケージされている。
※一時期エンスーの選ぶ車といえばこれ、だったっけ。街中で今完璧に使えるかどうかは別として、サイズや簡単なメカニズムを考えれば、所有しやすいことは確か。ただし、壊れて上等、くらいの心構えでどうぞ。

ランチア デルタ インテグラーレ マルティーニ: アウト エ モト デポカ2020は、ランチア デルタ インテグラーレのホットスポットだった。その中でも特に特別なのが、この「エボ1 マルティーニ6」だ。ランチアの第6回世界ラリー選手権タイトル獲得を記念した1992年の特別モデルで、わずか310台のみが製造された。現在の価格:10万ユーロ(約1,270万円)以上。
※ここ数年著しく価格が上昇しているデルタ インテグラーレ。もはや1,000万円を突破と聞いてもあまり驚かなくなってしまった。この限定車ももちろん10万ユーロ(約1,270万円)以上というプライスが普通についている。

ランチア037ラリー:50万ユーロ(約6,350万円)以上の資金があれば、すぐに380馬力のこのランチア037グループBエボでラリーに参加することができる!
※キャメルカラーのやや派手な色の一台だが、037はこれからもランチアの歴史を代表する一台であることに間違いない。

Text & photo: Bernd Schweickard
加筆:大林晃平