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初物のスイカは高い スカイアクティブX搭載の「マツダ 3」 マツダの市販乗用車イッキ乗り その7

2025年10月16日

マツダ一人応援団の筆者が、マツダ車イッキ乗りを敢行する無茶ぶり企画。7回目となる今回はマツダの未来を担うと思われる重要な技術がつまったスカイアクティブX搭載の「マツダ 3 X Touring」ファストバックである。

毎回、本当に心優しく気持ちよく車を用意してくださる、マツダ横浜研究所の広報の方が「それでは今週はマツダ3をよろしくお願いします」と言いつつ貸してくださったソウルレッドクリスタルメタリックのハッチバックに乗り込もうとして、かなり驚いた。スカイアクティブXエンジンにマニュアルトランスミッションが組み合わされたマツダ3だったからだ。

これはきっと前々回のCX-30のコンテンツに僕が「マニュアルトランスミッションもスカイアクティブXも、いつの間にかひっそりとラインナップからなくなっちゃってるじゃないか……」みたいなことを書いたのを読んだマツダの方が「んなこというなら、スカイアクティブXにマニュアルトランスミッション組み合わされたマツダ3用意しちょるから、乗ってみるがええ」みたいな感じで用意してくださったお心遣い、なのではないかと思う(考えすぎかな)。

「あれ?マニュアルミッションとスカイアクティブXはどこに?マツダの売れ筋「マツダ CX-30」 マツダの市販乗用車イッキ乗り その4」

カッコイイハッチバック

そんな注目のスカイアクティブXのエンジンに関しての印象は、長くなりそうなので後回しにして、まずはマツダ3の自動車全体としてのことを述べようと思う。

ロングノーズ、狭いガラスエリア、極端に寝たAピラー“こうしたらカッコよくなる”を全部実現したマツダは素晴らしい。

マツダ 3には5ドアハッチバックのファストバックと4ドアのセダンと2タイプがあるのだが、今回はファストバックの方である。というか、そもそもスカイアクティブX(正式名称はe-SKYACTIVE Xと「e」が最初につく)搭載車はファストバックの中でも最上級の「X Touring」というグレードにしかなく、ATまたはMTが選べるほかは4輪駆動のみとなっており、これ一本の仕様である。価格は4,030,400円と400万円を超えマツダ 3の中でも最高価格を記録する。ハッチバックモデルの1.5リッターガソリンエンジン搭載のベーシックグレードは220万9900円からスタートしているし、同じようなグレードのガソリンエンジン(20Sツーリング4輪駆動)が307万3400円、ディーゼルエンジン(XDツーリング4輪駆動)が334万8400円で買えることを考えるとやはり特別に高価な「3」である。(10/9に装備を見直して魅力的を増した新機種「XD Drive Edition」が追加された)

マツダのドアオープナーのデザインは素敵。アクセルペダルがオルガン式なのも好感が持てる。

それだけスカイアクティブX搭載車は特別なわけではあるが、乗り込んだ印象はシンプルで整然としたもので、スカイアクティブXの特別感は、外観上はマイナーチェンジで付け加えられたフェンダーについたエンブレムと、えらく地味で目立たないリヤのエンブレム以外にはほぼない。

快適でホールド感もあるフロントシート。

今をさかのぼること6年前の2019年に登場した時は、めちゃくちゃ格好いいが、こんな太いCピラーを持つハッチバックじゃ、視界は劣悪なんじゃないか、と心配したデザインは、前を向いて運転している限りは何も問題ない。とはいってもリヤカメラやアラウンドモニターがなければ駐車は(僕には)自信をもってできないし、斜め後方視界はぎりぎり、Aピラーも寝ていて乗降性はなかなか厳しい。

シックで質感も高いインテリアで、座り心地もいいシートだが、実際に座ると閉鎖感がある。だからと言って否定してはいけない。カッコよければいいのだ。

後席の乗降性はフロントよりもさらに厳しく、乗り込んでしまえばスペースは問題ないものの、窓の狭さからくる閉塞感は相当なものである。乗り降りのしやすさや、室内スペースを重視する方はセダンかCX-30を購入してください、というマツダの考え方なのだと思うし、これはハッチバックのスペシャリティーカーなのだと捉えることにした。