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【素敵な時間と空間】クラシックカーラリーに参加するフェラーリそれぞれのエピソードと裏話 楽しそうで幸せそう うらやましい(笑)

2025年10月25日

ザルツブルク地方のクラシックカーラリーに登場するフェラーリ。魅力的な車と楽しいストーリー。誕生日プレゼントはフェラーリF355に同乗してラリーに参加、走行距離わずか8,000kmの308、天才テニスプレーヤー、ボリス ベッカーのマネージャーが所有する328。クラシックカーラリーでの驚くべきエピソード。

ヨルク シュロープファーには、まったく予想していなかったことが起こった。見知らぬ若い女性が、きしむような黄色のフェラーリから降りてきて、助手席に座るよう彼に声をかけたのだ。「お誕生日おめでとう!ほら、ちょっとドライブしてみない?」

これは実際に起こった出来事だ。ザクセン州フライベルク出身のヨルク シュロープファーは、オーストリア国境近くのバート ライヘンハルで休暇を過ごしていた。56歳の誕生日、彼は妻と一緒に1時間ほど南下したところにあるオーストリアのヴァークラインに向かった。そこでは、義理の娘の父親であるウド ヴァルターが、クラシックカーのラリー「ザルツブルク ランド クラシック」に参加していたからだ。

ヨルクとハイケ シュロープファーは、その事実をほとんど信じることができなかった。ヨルグの56歳の誕生日に、黄色のフェラーリF355 F1スパイダーでドライブを楽しむことになったのだ。
Photo: Conrad Walter

サプライズとして用意されたフェラーリF355の助手席

彼らはゴールアーチで待ち合わせ、ウドはイェルクにお祝いの言葉を述べ、そして「ついてきて!」と1999年製の黄色い「フェラーリF355 F1スパイダー」の前へと誘った。そして「どうぞ助手席に座ってください!」と言うとヨルクは驚きながら深く沈み込んだレザーシートに滑り込んだ。フェラーリのオーナーがV8エンジンを始動すると、381馬力のエンジンが轟音を響かせ、曲がりくねった道を駆け上がった。

ザルツブルク ランド クラシック2025のゴール地点であるヴァークラインで、誕生日のサプライズが始まった。
Photo: Astrid Götz/B&M Marketing

「まったく信じられなかった!」と、ヨルク シュロープファーは、ゴールのアーチをくぐった後で、こう語った。「ドライブは素晴らしく、黄色も最高で、フェラーリの音も素晴らしい」と。さらに彼を感動させたものがあった。「オーナーの方々が参加してくださった親切さです!本当に感謝しています。」

ヨルクは家具販売員で、自身は「BMW 520i」を運転し、いくつかの古いDKWオートバイを所有しているが、今までフェラーリに乗ったことは一度もなかった。

ウド ヴァルターは、隠しカメラのためのドッキリのように、この誕生日のサプライズを企画した。彼は、スタートラインに並んだ4つのフェラーリチームのうちの1つに、ヨルクを助手席に乗せて1周走らせてあげないか、と声をかけたのだった。

クラシックカーラリーは、ザルツブルク州の見事なルートを走った。
Photo: Lena Willgalis/B&M Marketing

参加者であるシュテファン シュミット(同じく56歳)と妻のアイリス シェットラーは、ボン近郊のレマーゲンから、黄色の「フェラーリF355スパイダー」で参加した。特にアイリスさんはこのアイデアにすぐに夢中になった。こうして彼らは、ヨルク シュロープファーに忘れられないひとときをプレゼントしたのだった。

ザルツブルク ランド クラシックではフェラーリがひしめき合う

このラリーでフェラーリは1台だけではなかった。ここで一挙に多くのフェラーリの旧車やヤングタイマーを見たければ、ブランドミーティングに参加する必要がある。オーストリアで開催された「ザルツブルク ランド クラシック2025」には、約75台の車しか参加しなかったが、そのうち4台は80年代、90年代、2000年代のフェラーリだった。

1981年式、走行距離8,000kmのフェラーリ308 GTSi

出場車の中で、製造年数は最も古いものの、走行距離は最も短いフェラーリは、シルバーの「フェラーリ308 GTSi」だった。1981年に製造されたこの車は、その後30年間、ニューヨーク州の個人自動車博物館に保管されていたと、オーナーのノルベルト アーノルディ(62歳)は語った。

ノルベルト アーノルディは、フェラーリ308 GTSiにマルティニ風の装飾を施した。ただし、「マルティニ」の代わりに「アーノルディ」と記されている。
Photo: Frank B. Meyer/AUTO BILD

「マグナム」フェラーリは窓際に置かれていたようで、シルバーの塗装はつやを失っていた。「2014年に5,000マイル(約8,050km)を走行してドイツに到着しました」と、トリーア近郊のテメルス城に住むアーノルディは述べた。

「次のオーナーもフェラーリをほとんど運転しませんでした」。33年間で8,000kmに相当する走行距離で、いくつかの損傷を修復する必要があった。

「私は6年前にこの車を購入し、現在では18,000マイル(約29,000km)を走行しています」。

ノルベルト アーノルディ氏は、ちょっとしたジョークを思いついた。伝説的なマルティニ(Martini)のスポンサーステッカーのようなストライプを308に貼ったのだ。「マルティニ」のロゴの代わりに、同じフォントで自分の名前「アーノルディ」をプリントした。

逆コンバーチブル効果のあるフェラーリ360スパイダー

リンツのエドゥアルド コラーとイングリッド シュタイネダーの赤い「360スパイダー」も、フェラーリらしく、走行距離はわずか約34,000kmだ。6年前にコラーが購入したとき、走行距離はわずか20,000kmだった。彼らのフェラーリは2001年に製造されたものだが。そのため、V8エンジンは8,500回転(!)で400馬力を発揮するその性能を、おそらくほとんど発揮する機会がなかっただろう。

涼しい天候の日は、イングリッド シュタイネダーとエドゥアルド コラーは、フェラーリ360スパイダーのソフトトップを開けるのが特に好きだ。
Photo: Frank B. Meyer/AUTO BILD

我々の地域では、コンバーチブルのドライバーは、屋根を閉めたままでは車内が暑くなりすぎる場合、喜んで屋根を開ける。そうすることで、熱い空気が逃げ、走行風によってドライバーは涼しくなるからだ。

しかし、「フェラーリ360スパイダー」では、それはまったく効果がない、とエドゥアルド コラー氏は語る。それどころか、「この車の幌を開けると、エンジンからの熱が前方にそのまま放出されてしまう。そのため、特に暖かい日には、屋根を閉めたまま走行することを好みます」と述べている。

ガラス窓から、フェラーリ360スパイダーのV8エンジンがよく見える。コックピットでは、0から100km/hまで4.6秒という加速力だけでなく、その存在感を強く感じることができる。
Photo: Frank B. Meyer/AUTO BILD

ボリス ベッカーのマネージャーが所有していたフェラーリ328 GTS

ザルツブルク ランド クラシックのスタート地点には、おそらく最も著名な前オーナーを擁するフェラーリを、シュトゥットガルト近郊のレオンベルクに住むマーティン コーン(59)が持ち込んでいた。彼の赤い「フェラーリ328 GTS」は、新車当時、イオン ティリアック(Ion Tiriac)が所有していたもだ。ドイツで天才テニスプレーヤーのボリス ベッカー(Boris Becker)のマネージャーとして有名になったルーマニア人は、1989年に270馬力のフェラーリを購入し、ドイツで登録した。

マーティン コーンは、著名な前オーナーが所有していたフェラーリ328 GTSを誇りに思っている。
Photo: Frank B. Meyer/AUTO BILD

現在でも素晴らしい状態の「328 GTS」は、マーティン コーンにとっての「生涯の宝物」だと言う。素敵な物語だ。

Text: Frank B. Meyer