【このアストンDB7なんぼ?】V12を備えた希少なグランツーリスモ アストンマーティンDB7が新車のアウディA3より安い値段で販売中!なんで?
2025年10月14日

アストンマーティンDB7ヴァンテージ(Aston Martin DB7 Vantage): デビュー当時はフェラーリと肩を並べる存在だったが、現在ではアウディA3と同じ価格帯となっている。DB7ヴァンテージは、ほとんど忘れ去られた英国の高級スーパースポーツカーだ。
一見すると、この「DB7」は絵に描いたような英国のクラシックカーのように見える。長いボンネット、スリムなシルエット、控えめな優雅さ、そのすべてを備えている。しかし、アルミのボディの下には、英国のエンジン専門メーカー、コスワースと共同開発し、フォードのケルン工場で組み立てられた6.0リッターV12エンジンが搭載されている。「DB7ヴァンテージ」は、6気筒エンジンへの批判に対するアストンマーティンの答えであり、V12エンジンを搭載した初の量産アストンマーティンだった。

このクーペは、最初のオーナーによって61,100km走行されている。しかし、状態は良好で、広告によれば「著名な前オーナー」が所有していたものだ。この車は2001年製造、つまり1999年のジュネーブモーターショーで、改良されたシャーシ、外観の洗練、新しいV12エンジン搭載で発表された、「ヴァンテージ」世代の成熟期に製造されたものだ。基本価格は、当時、約202,000マルク、現在の価値で約103,000ユーロ(約1,800万円)だった。
装備によっては、価格は大幅に上昇し、装備の充実したバージョンではおそらく14万ユーロ(約2,450万円)近くに達したと思われる。つまり、「フェラーリ360モデナ」と同等の価格だ。2003年に生産が終了するまでに、「DB7ヴァンテージ」は合計4,431台が生産された。
フォードのテクノロジーを搭載したアストンマーティンDB7
ボンネットの下には、48バルブ、420馬力の5.9リッターV12エンジンと5速オートマチックが搭載されている。快適性を重視したチューニングだが、0から時速100kmまで約5.1秒で加速し、最高速度は265km/hだ。

サスペンションは全輪ダブルウィッシュボーン、ブレーキは大型ディスクと強力なキャリパーを採用。さらに、メカニカルリミテッドスリップデフも装備。スポーティでありながらも、今日の標準的なアシストシステムは搭載されていない。
内外ともに、まさにブリティッシュスポーツカー
インテリアは、コノリーレザーとウォールナット材が調和し、どちらも良好な状態を保っている。「DB7ヴァンテージ」には、スポーツシート、シートヒーター、クルーズコントロール、オートマチックエアコン、サウンドシステムが装備されている。ウィンドウ、ミラー、シートは電動式で、無線式セントラルロックも搭載されている。

安全面では、「DB7」は2つのエアバッグ、キセノンライト、ABS、および警報装置を搭載している。さらに、フォグランプ、トラクションコントロール、およびイモビライザーも装備されている。
ブラックに塗られた外観は、18インチのアルミホイールにサマータイヤが装着されている。スポーツサスペンションと触媒コンバーターは標準装備だ。この「DB7ヴァンテージ」は現在、約35,000ユーロ(約610万円)で販売されており、その価格は今日の「アウディA3」とほぼ同じだ。V12エンジンを搭載した、スタイルと独自のリズムを備えた希少なグランツーリスモが、だ。



Text: Marie Milius
Photo: Deckert GmbH