【世界記録更新】メルセデスが中国から電気自動車の記録をドイツに取り戻した!「コンセプトAMG GT XX」24時間走行距離記録を更新
2025年9月4日

メルセデスAMG コンセプトAMG GT XX(Mercedes-AMG Concept AMG GT XX)が24時間走行距離記録を樹立。中国からメルセデスが電気自動車の記録をドイツに奪還。24時間走行距離記録は人間と自動車のストレステストであり、メーカーにとってプレステージアスなマーケティング材料とされている。
内燃機関の時代から、究極の耐久テストとされてきたのが、可能な限り高い速度で24時間走行することだった。メルセデスはこの過酷なテストを「メルセデス コンセプトAMG GT XX」でクリアし、24時間で5,479kmを走行。世界記録を樹立した。
記録はドイツに戻った
この距離で、メルセデスは1日での電気自動車最長走行距離のタイトルを取り戻し、再びトップに立った。以前は、中国のメーカーであるXiaomi(3,944km)とXpeng(3,961km)が最高記録を保持していた。その前は、メルセデスがBEV「CLA」のプロトタイプ(3,717km)で記録を樹立していた。
南イタリアのテストコース
走行は、イタリア プーリア州の伝説的なテストコース、ナルドサーキットで行われた。この円形のオーバルコースは1周12.6kmで、特別な傾斜により、時速300kmを超える速度でも安定した走行が可能だ。1970年代から、このコースは長距離走行と高速走行のテストにおいて最も過酷なテストコースの一つとして知られている。

Photo: Porsche AG
300 km/h と極限の充電性能
最大出力1,360馬力(1,000kW)を発揮する「AMG GT XX」は、コースの大部分を約300km/hで走行した。最高速度は360km/h。充電は平均約850kWで行われた。これはプロトタイプ段階でも稀な数値だ。これにより、チームは24時間の走行をほぼ長い停止なしに完了することができた。
開発では、空力性能(Cd値=0.198)とモーター技術にも特別な注目が向けられた。このコンセプトカーは3基の軸流式モーターを採用し、後輪に2基、前輪に1基が配置されている。メルセデスのEAプラットフォームをベースにした量産車(同じ駆動コンセプトを採用)は、2026年末に発売される予定だ。

ナルドでの新たな記録
ナルドでの24時間走行距離記録をはじめ、メルセデスAMGは合計25の記録も樹立している。そのうちの一つは、2,000、5,000、10,000、 20,000、40,000kmのタイム記録だ。さらに、ジュール ヴェルヌの『80日間世界一周』にインスパイアされた試みでは、8日未満(正確には7日13時間24分7秒)で合計40,075kmを走行し、地球一周に相当する距離を走破した。
Text: Jonas Uhlig
Photo: Mercedes-Benz AG