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第2世代の「シトロエン C5エアクロス」が間もなく登場 STLAミディアムプラットフォームをベースに大幅にサイズアップ EVモデルも含む全情報

2025年9月4日

シトロエンC5エアクロス(Citroën C5 Aircross):初代シトロエンC5エアクロスが2017年に発売されて以来、2025年に中型SUVの後継モデルが登場する時期が来た。フランスのレンヌ工場で生産される。ニューモデルはSTLAミディアムデューティ・プラットフォームをベースに、大幅にサイズアップ。フランス車として初めてフル電気自動車のë-C5エアクロスもラインナップされる。

一見、安くなったように見えるが

シトロエンは、新型「C5エアクロス」の受注を開始した。価格は、ベースグレード「You」のマイルドハイブリッドガソリンエンジン搭載車で33,990ユーロ(約625万円)からとなっている。

一見すると値下げされたように思えるが、実際には先代モデルより価格は上がっている。というのも、初代モデルがコンフィギュレーターに最後に掲載されていた時の価格は34,070ユーロ(約590万円)からだったが、それは中間グレードの「Plus」での設定だったからだ。新型の同グレード「Plus」では35,990ユーロ(約625万円)からとなり、出力は従来同様145psに据え置かれている。

電気自動車は40,000ユーロ(約695万円)以上

「C5エアクロス」は初めてBEVも登場。213馬力の電動モーターを搭載したシトロエンは、さらに高価格となり、最低価格は42,590ユーロ(約740万円)となっている。

発売時には、さらにパワフルな電気自動車(231馬力)と、195馬力のプラグインハイブリッドも発表されている。ただし、どちらもまだコンフィギュレーターには掲載されていない。

デザイン:C5エアクロスの新しいブランドイメージ

外観は、これまでの丸みを帯びた形状から一転、よりシャープなエッジの印象に変わった。さらに、シトロエンのブランドデザインが採用されており、これは「C3」や「C4」のフェイスリフトモデルでも一部採用されている。

これには、レトロなデザインの新しいロゴや、デイタイムランニングライトに水平と垂直の要素を組み合わせた新しいヘッドライト(オプションでマトリックスLED技術も選択可能)などが含まれる。

リヤライトは非常に繊細なデザインで、フロントのデザイ呼応している。

サイドビューでは、新型C5エアクロスは流れるようなラインが特徴となっている。グリルからリアまで途切れずに伸びる一本のキャラクターラインがあり、傾斜したボンネットと、2列目シート後方で下がるルーフラインは、高い着座位置のSUVにおける空力性能向上を狙ったものだ。しかし、公表されている空気抵抗係数(Cd値)は0.75で、決して記録的に優れた数値とは言えない。

15cm長くなった

全長4.65mの新しい「C5エアクロス」は、前モデルより15cmも長くなり、幅も4cm広くなって1.90mになった。高さは3cm低くなり、ホイールベースは2.78m(5cm延長)となっている。大きなホイールハウスは、20インチのホイールを収納するスペースを確保している。

外寸が長く、高さも低くなったことで、新しいC5エアクロスはよりスポーティな印象を与える。

駆動:3種類の駆動バリエーション

新型C5エアクロスのプラットフォームは、ステランティスの名高い「STLAミディアムデューティ・プラットフォーム」が採用されており、幅広いパワートレインを展開可能だ。共通するのは、すべてが電動化されているという点である。

エントリーモデルは48ボルト電気システムを採用したマイルドハイブリッドで、最高出力は145ps。ハイブリッド化のために新開発された1.2リッター直列3気筒ターボエンジン(100kW/136馬力)に、最大28馬力を発揮する電動モーターを組み合わせている。動力源は運転席下に配置された0.9kWhのバッテリーで、電動モーターは新設計の「ë-DCS6」デュアルクラッチトランスミッションに組み込まれている。

電動航続距離は86km

さらに、1.6リッターターボチャージャー付き4気筒エンジン(150馬力/110kW)と92kW(125馬力)の電動モーターを搭載したプラグインハイブリッドも用意されている。これにより、システム出力は195馬力(143kW)となり、7速ë-DSCトランスミッションを介して前輪に伝達される。純電動走行距離は86kmだ。

電気駆動は2つの出力レベル

エンジンラインナップは、2つの電気駆動モデルで完成されている。「Standard Range」は73kWhのバッテリーを搭載し、「Long Range」は車体下部に97kWhのバッテリーを装備している。駆動出力は、エントリーモデルの電気自動車で157kW(213馬力)、ロングレンジモデルで170kW(231馬力)だ。

航続距離は、シトロエンによれば520~680kmとのことだ。充電は、どちらも最大160kWで可能だ。2026年からは、オプションで22kWの三相双方向充電器も提供される。

インテリア:リビングルームのようなインテリア

新型C5エアクロスでは、新しいインテリアコンセプトが採用され、まるでリビングルームのような雰囲気を演出している。「ソファデザイン」と呼ばれるそれは、家具を思わせる横長で開放感のあるダッシュボードを特徴としている。下部にはソフトファブリックがあしらわれ、ドアパネルからシートへと連続して張り巡らされることで、心地よく包み込まれるようなコクーン的な空間を作り出している。

まったく新しいデザイン言語で造られたインテリア。二本スポークのステアリングホイールが往年のシトロエンを想わせる。

温かいインテリアの雰囲気は、拡張されたアンビエント照明で強調されている。8種類のカラーから選択可能だ。照明は外側のスピーカー、ドア、中央コンソールの下部にも配置されている。

C5エアクロスの大型「ウォーターフォール」中央ディスプレイ

新しい「シトロエンC5エアクロス」は、ステランティスで現在最大の13インチ中央ディスプレイを搭載している。エレガントな垂直デザインを採用したディスプレイは、ダッシュボードの上に浮かんでいるように見え、中央コンソールまで「滝のように流れる」ように広がっている。この「ウォーターフォール」スクリーンには、時刻やバッテリー残量などの情報を表示する固定のステータスバー、3Dナビゲーション、電話、車両設定、エアコンなどのクイックアクセス機能などが搭載されている。Apple CarPlayとAndroid Autoも搭載されている。

垂直に配置された中央ディスプレイの下には、追加の収納スペースとカップホルダーが配置されている。

インテリアデザインは、10インチのデジタルコックピットとヘッドアップディスプレイで完成されている。デジタル体験に加え、「Hey Citroën」に反応する音声認識機能も搭載されており、より自然な対話ができるようChatGPTも統合されている。

装備:ベースモデルから大型スクリーンを搭載

新しい「C5エアクロス」には3つの装備グレードがあるが、嬉しいことに、ベースモデルの「You」にも13インチの大型ディスプレイが搭載されている。シートは、インテリアの他の部分と同様、家具からインスピレーションを得ている。シトロエンは、広い背もたれとシート座面をアピールポイントとしている。フロントシートの間には、ベースモデルでも冷却可能な収納スペースが備わっている。冷却機能について言えば、2ゾーンオートエアコンも標準装備で、後方駐車センサーも標準装備だ。

中間グレードの「Plus」では、フロントにもパーキングアシストが搭載されている。インフォテインメントシステムにはAI(ChatGPT)が組み込まれており、スマートフォン用の誘導充電、キーレススタート、アンビエント照明などの追加装備も備わっている。リヤウィンドウは着色されている。

トップグレードのより良い空気

その名前が示す通り、「マックス」を選択すると、フル装備が手に入る。これは外見からマトリックスLEDで確認できる。大規模なアシストパッケージにより、高速道路での車線変更を含む半自動運転が可能だ。駐車時には360度カメラビューがサポートしてくれる。空気清浄システム、ヒーター付きステアリングホイール、ヒーター付きフロントシートは標準装備で、電動テールゲートも同様だ。

フォトギャラリー:新型シトロエンC5エアクロス

Text: Katharina Berndt and Sebastian Friemel
Photo: Stellantis