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【この唯一無二のビートルなんぼ?】VWビートルのストレッチリムジン?ストレッチされた特別なVWビートルがオークションに その落札価格は?

2025年8月27日

ミニバーとマホガニー仕上げ。改装費用は新車16台分の費用に相当。ストレッチ ビートルがモントレー・カー・ウィークでオークションに出品された。VWビートルにチャウフェール風の魅力。ストレッチリムジン?もちろん。でもビートルのフロントグリル、マホガニー内装、後部座席にジョン ウェインの肖像画付き。

この「フォルクスワーゲン ビートル」は、シリーズモデルと共通するのは大まかな形状だけ。1969年にカリフォルニアのポルシェ輸入業者ジョン フォン ノイマンによってストレッチリムジンに改造された。改造はモータースポーツ界で知られるトラウトマン バーンズ社が請け負った。

ホイールベースは1メートル以上延長され、新しいドア、仕切り壁、内装が追加された。当時の改造費用は約34,500ドル(約510万円)で、量産型「ビートル」の中古価格が2,063ドル(約30万円)だったことを考えると、かなりの費用がかかったことがわかる。

VWビートルにマホガニー、ミニバー、折りたたみ式シート

車内はラウンジのような雰囲気で、グレーのベンチシート、折りたたみ式シート、マホガニーの装飾パネル、折りたたみ式ミニバー、電動式プライバシースクリーン付きの仕切り壁。さらに、インターコム、電動窓、5つのスピーカーを備えたサウンドシステムも搭載されている。

標準のビートル後部座席とは比べ物にならない。ここではすべてがオーダーメイドだ。

一方、ドライバーの座席は依然としてシンプルだ:黒のビニールシート、ミニマリストなコクピット、そして4速マニュアルトランスミッション。リムジンとしては珍しいが、「ビートル」らしいスタイルだ。

ドライバーズエリアは、まだシリーズ生産のビートルを強く連想させる。

ハリウッドの輝きと愛称

そのエキゾチックなデザインから、この「ビートル」は「LAオートショー」に出展され、広告にも登場した。VW自身は当時、「35,000ドル(約518万円)のビートル」というスローガンで宣伝し、シンプルな国民車というイメージを覆す宣言をした。

ストレッチ ビートルに風格:リムジンはおよそ1メートル延長された。

ジョン ウェインは1970年のアカデミー賞授賞式に、このストレッチリムジンで送迎されたと伝えられ、その愛称「ロールス ワーゲン」が誕生した。この名前は後に公式のVW文書にも登場した。

「ロールス ワーゲン」がオークションに出品

このユニークなビートルは、モントレー カーウィークの一環として開催されたRMサザビーズの「モントレーオークション」で競売にかけられた。専門家は、売却価格が15万ドルから20万ドル(約2,220~2,960万円)になると予想していた。

新しい重量を支えるため、ビートルにはより強力な1.6リッターエンジンとウェーバーキャブレターが搭載された。

オスカー仕様の「ビートル」で、ストレッチスタイルとマホガニーの魅力を味わいたいと思っていた人にとって、これは一生に一度のチャンスだ。

結論
こんな「ビートル」が必要だろうか?おそらく必要ないだろう。しかし、それがまさにこの車の特別さとも言える。一般的な国民車から、マホガニー、ミニバー、オスカーの雰囲気を備えた豪華なストレッチリムジンへと変身した「ワーゲン ビートル」だ。完全に過剰な仕様だが、だからこそ唯一無二の存在なのだ。日常の車ではなく、物語に満ちた一台だ。

このストレッチビートル「ロール ワーゲン」は最終的に335,000ドル(4,920万円)で落札された。

Text: Marie Milius
Photo: Bild: Karissa Hosek / RM Sotheby’s