【新車情報】アウディSQ5 TDI が フェイスリフト
2020年12月2日
フェイスリフトにより、アウディSQ5 TDIはパワーと汚染物質ともに低減。
アウディは、SQ5 TDIのフェイスリフトバージョンを発表した。新しいSQ5は数馬力を失うが、同時によりクリーンになる。我々が入手したすべての情報をお届けする。
アウディのミディアムクラスSUV、アウディQ5のフェイスリフトを受けて、スポーツバージョンのSQ5 TDIもフェイスリフトされた。
果たしてどのような変更が加えられたのかをまとめてお届けする。
外観がシャープになったSQ5 TDI
通常のQ5と同じように、SQ5 TDIもまた、その外観のためのモデルアップグレードにかなりの労力と手間がかけられた。
これには新しいライトも含まれていて、フロントのデイタイムランニングライトは、その先代よりもはるかにシャープな形状を備えたものとなっている。
LEDヘッドライトは標準で装備されており、オプションでマトリックスLEDが用意されている。
リアには、アウディQモデル専用グラフィックを採用した、有機ELテールライトが採用されている。
フロントエプロンにはSモデル特有の大型エアインテーク、リアにはアウディSQ5の新しい丸いテールパイプカバーが採用されている。
インテリアは基本的にQ5と同じ
インテリアは、基本的にはQ5のフェイスリフトのものが引き継がれているため、そのコネクティビティもそのまま利用可能となっている。
配色はブラックとグレーの2色で保たれている。
本革と合成皮革の素材ミックスが標準装備となっている。
オプションで、アルカンターラに似た特性を持ちながら、実際にはリサイクル素材を使用したカバー、「ダイナミカ」を選ぶこともできる。
電動調整式スポーツシートも標準装備されている。
パワーを抑えたエンジンの改良
ボンネットの下には3リッターV6ディーゼルエンジンが引き続き搭載されるが根本から作り直された。
そのスペックは従来の347馬力から6馬力少ない341馬力となり、700Nmの最大トルクは維持されている。
48ボルトの電動システムのおかげで、エンジンはマイルドハイブリッドのままで、ベルトスタータージェネレーターはエンジンを切った状態でも航行を可能にしている。
電動ブースターコンプレッサーは、ターボが回転する前からブースト圧を発生させる。
8速ティプトロニックもそれに合わせて変更されている。
すべての変更にもかかわらず、TDIは尿素SCR触媒コンバーターシステムのおかげで、先代モデルよりもクリーンになっている。
2021年春の市場投入
アシスタントに関する限り、新型SQ5は、通常のアウディQ5からインスピレーションを受けている。
これには、SQ5が周囲の環境とのコミュニケーションを可能にする「car-to-x」サービスも含まれているはずである。
2021年の第1四半期に、SQ5はフェイスリフトモデルとしてドイツ市場に投入される予定だ。
エントリー価格は69,900ユーロ(約873万円)となっている。
アウディSQ5はTDI、つまりディーゼルエンジンのモデルであるということに特色が込められている。あえてガソリンエンジンではなくディーゼルエンジン、そしてそのディーゼルエンジンに電動ブースターユニットの付いたターボを載せて、クアトロシステムを駆動する、そんなハイテクノロジー満載なアウディらしい一台、それがSQ5なのである。
今回のマイナーチェンジで興味深い部分は、あえてパワーを控え、エンジン特性を(おそらく)エコロジカルな方向に振ったことであろう。パワーを控えたといっても、たった6馬力じゃん、と突っ込まれるかもしれないが、こういうハイパフォーマンスモデルでは常に高性能を目指すことが常であり、あえて数値上のパワーを絞ってまで環境への対応を見せたこともやはりアウディらしい。
たかが6馬力かもしれないが、その数字を下げてまで追い求めたものはより複雑で大きな部分なのではないかと予想される。まだまだディーゼルエンジンもハイパフォーマンスも追い求めながらより効率よく、環境にやさしく、そんな目標をたててこそのアウディだし、そういう意味では今後の方向性を示す一台になるのではないだろうか。
Text: Andreas Huber
加筆:大林晃平
Photo: Audi AG