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【このRX-7なんぼ?】ワイルド・スピードに登場したマツダRX-7がグッドウッド フェスティバル オブ スピードのオークションで約1億8,000万円で落札された!

2025年8月18日

マツダRX-7ヴェイルサイド(Mazda RX-7 VeilSide):『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』に出演したマツダRX-7ヴェイルサイドが約1億8,000万円で落札された!

すごい!グッドウッド フェスティバル オブ スピード2025の一環として、オークションハウス、ボナムスが、ハリウッドの過去を持つ希少な「マツダRX-7ヴェイルサイド」をオークションにかけ、映画「ワイルド・スピード」のファンが100万ユーロ(約1億7,400万円)以上で落札した!その全貌をご紹介!

2001年、ドイツではまだドイツマルクが通貨として使われていて、9月11日のテロ攻撃が世界を震撼させ、ドイツ語版ウィキペディアがオンラインで公開された。その同じ年に、それまでほとんど知られていなかったストリートレースシーンに焦点を当てたアクション映画、『ワイルド・スピード(The Fast and the Furious)』が公開された。この映画はメガヒットとなり、現在までに11作からなるシリーズ映画の基礎を築いた。最近ではハリウッドの影響力がますます強まっているが、初期の作品、第1作目の『ワイルド・スピード』、『ワイルド・スピード2』や『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』は、カーマニアの間で伝説的な地位を確立している。

車によるカルト人気

この伝説的な地位は、ストーリーよりもむしろ車によるものだ。ポール ウォーカーは、第1作で、ブライアン オコナー役として「三菱エクリプス」を運転し、その後「トヨタ スープラ(A80)」に乗り換え、第2作目では「日産スカイラインGT-R R34」を運転した。3作目『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』は、シリーズにとって大きな転換点となった。この作品は、『ワイルド・スピード2』の後に公開されたものの、物語のタイムラインでは『ワイルド・スピード6』の後となるため、シリーズの流れにスムーズに組み込まれていない。

「マツダRX-7ヴェイルサイド」はワイドボディキットにより、もはやマツダRX-7(FD)の原形をとどめない。

映画に登場する自動車のスターの1台が「マツダRX-7ヴェイルサイド」だが、一見してその正体が分からない。これは、有名な日本のチューナーである「ヴェイルサイド(VeilSide)」が、ロータリーエンジン搭載の「マツダRX-7(FD)」に「フォーチュン」と名付けたワイドボディキットを装着したためだ。このキットは「RX-7」の幅を20cm以上広げ、完全に新しい外観を与えている。映画では、サン カン(Sung Kang)演じるハン ルー(Han Lue)が、オレンジと黒に塗装された「マツダRX-7ベイルサイド」を運転している。

2台だけが生き残った

オークションハウス、「ボナムス(Bonhams)」の説明によると、この「マツダRX-7ヴェイルサイド」は撮影をほぼ無傷で乗り切った2台のうちの1台だと言う。多くのハリウッド作品と同様に、いくつかの車両は全損になることが予想され、時には計画的に壊されることもあるため、複数の同一車両が用意されていた。『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』も例外ではなかった。

この「マツダRX-7ヴェイルサイド」は、バケットシート、スパルコ製ステアリングホイール、助手席ディスプレイ(ただし、このチューニングされたRX-7は当時の時代を遥かに先取りしていた)でチューンアップされている。

この「マツダRX-7ヴェイルサイド」は、静止画やクローズアップシーン専用に使用され、派手なドリフトシーンには使用されていない。これが、映画公開からほぼ20年経った現在でも、一見して優れた状態を保っている理由だ。

ボディには損傷は一切見られない。19インチのレーシングエボリューションホイールに315/25 ZR19のタイヤも良好な状態だ。注目すべき点は、「ヴェイルサイド」による改造後、オリジナルの「マツダRX-7」の部品はほとんど残っていないことだ。ボディで残された部分は、ルーフとテールゲートだけだ。

走行距離は10万km以上

走行距離は107,480km(66,785マイル)と記載されており、波乱に満ちた映画の歴史を考えると「RX-7」は驚くほど手入れが行き届いている。これは外観だけでなく、技術面でも同様だ。約10万km走行後、280馬力の2ローターロータリーエンジンは、著名なチューナー。「RE雨宮」によってオーバーホールされた。

「マツダRX-7ヴェイルサイド」のエンジンルームは見た目は荒々しいが、ほぼ標準仕様だ。イギリスでは最近まで車検をクリアしていた。

映画出演を終えた後、「マツダRX-7ヴェイルサイド」は2008年にディーラーの「New Era Imports」を通じてイギリスのオーナーに売却された。そのオーナーは、ほとんど使用せず、雨の日は一度も運転しなかった。オークションに備えて、英国のスペシャリスト、「Haywards Rotaries」によって徹底的に点検された。

100万ユーロ(約1億7,400万円)以上で落札

小さな使用痕(おそらくカメラの設置によるもの)や映画スタジオのラベルは、『ワイルド・スピード』の過去をほのめかす微妙なヒントとなっている。その過去は、あるファンにとって明らかに多額の価値があったようだ。「マツダRX-7ヴェイルサイド」は、333,855ユーロから467,398ユーロ(約5,800~8,130万円)の推定価格を遥かに上回る価格を叩き出した。最終的にハンマーが落ちた価格は、手数料を含む驚きの911,000ポンド(1,057,887ユーロ=約1億8,220万円)だった。これにより、この個体は世界一高価な「RX-7」となるだろう。

結論:
私も『The Fast and the Furious』の大ファンだが、2006年に映画でハンが乗っていた車がどれかすぐに気づかなかったことをよく覚えている。「マツダRX-7ヴェイルサイド」はアイコン的な存在で、『ワイルド・スピード』で最もクールな車の1台だが、100万ユーロ(約1億7,400万円)を超える価格は本当に驚異的な価格だと思う!

Text: Jan Götze
Photo: Bonham Cars