【ラルフ ローレンのF50なんぼ?】記録的な高値が付く可能性を持つラルフ ローレンの愛車だったフェラーリF50がオークションに その落札価格は?
2025年8月24日

わずか349台のみが製造されたフェラーリF50(1995)がオークションに出品された。しかも、この黄色のF50の初代オーナーはファッションデザイナーのラルフ ローレンだ。そして記録的な高値が付くことになる。
1967年、ラルフ ローレンは融資を受けて自身の企業「ラルフ ローレン コーポレーション」を設立した。約60年後、彼のファッション帝国は、2万を超える従業員を擁し、数十億ドル(数千億円)の売上高を誇っている。
アメリカ人デザイナーは、その資金の一部を自動車に投資した。現在86歳の彼は、情熱的な自動車愛好家であり、印象的なコレクションを所有している!
彼の元所有車の一つである、非常に希少な「フェラーリF50」が、8月にモントレーオークションで、有名なオークションハウス、RMサザビーズによって競売にかけられた。「F50」は、伝説的な「F40」の後継車として、1995年にマラネロのスポーツカーメーカーの50周年を記念して発売され、349台しか製造されなかったため、「F40」よりもはるかに希少な車となっている。
「F50」は、発表当時、フェラーリが提供できる最高の車だった。4.7リッターのV12自然吸気エンジンは、1993年まで使用されていたフォーミュラ1エンジンをベースに開発された。道路走行用に、最大回転数は驚異的な15,000rpmから8,500rpmに削減され、同時に排気量は3.5リッターから4.7リッターに拡大された。その結果、520馬力と最大トルク471Nmを発揮する。「F50」は0から100km/hまで3.9秒で加速し、最高速度は325km/hとされている。

黄色はF50では珍しい
349台しか製造されなかった「F50」は、いずれもコレクターズアイテムだが、この黄色の「F50」はさらに特別な存在だ。工場出荷時には、「F50」は赤、黄色、黒、銀の4色から選択可能だった。顧客の大半は「ロッソコルサ」と呼ばれるフェラーリの赤を選択した。米国に輸出された55台の「F50」のうち、「ジアロモデナ(Giallo Modena)」で注文されたのはわずか2台のみだった。そのうちの1台は、1996年6月14日に最初のオーナーであるラルフ ローレンに納車され、彼はこのフェラーリを約7年間所有し、定期的に運転していた。
記録によると、「F50」は2003年5月に、約5,300km走行した状態でディーラーに引き取られ、同年中に売却された。2000年代初頭、この「F50」は、米国で開催された、いくつかのイベントに出展されたが、その後姿を消した。車台番号ZFFTG46A2S0104798の「F50」の最後の公の登場は2009年に遡る。

走行距離は9,000km未満
その後、「F50」は2代目オーナーのコレクションのハイライトとして大切に保管され、ほとんど走行されていない。これが、納車から29年経った現在でも走行距離が8,628kmに過ぎない理由だ。

フェラーリがほぼ新車同然の状態にあるのも納得だ。長年、細部まで丁寧に手入れされ、定期的なメンテナンスが施されてきた – すべてが丁寧に記録されている。2024年末には、「フェラーリ セントラル フロリダ」で大規模なメンテナンスが行われ、メンテナンスに加え、タンクの交換、ブレーキとタイヤの交換も行われた。
F50の推定落札価格
「F50」には、フェラーリから直接申請し、審査に合格した場合に発行される、名誉ある「フェラーリ クラシケ認証書」が付属している。「フェラーリF50」の30周年を記念して、希少なカラー、非常に良好な状態、そして極めて低い走行距離だけでなく、著名な初代オーナーも魅力だ。
このような背景から、550万から640万ユーロ(約9億3,500~10億8,800万円)相当の推定価格は決して高すぎるものではないだろう。数年前までは、「F50」は100万~150万ユーロ(約1億7,000~2億5,500万円)で販売されていたが、過去3~4年で価格は急騰している。現在では、400万ユーロ(約6億8,000万円)を超えるオークション結果が一般的になっており、これは赤色の車両で、走行距離が長く、ラルフ ローレンのような著名人の所有歴がないものも含まれる。
結論:
長年、「フェラーリF50」は多くのコレクターのレーダーから外れていたが、最近ではオークションで「F40」を大幅に上回る結果を出している。ラルフ ローレン所有の「F50」が、このモデルの新記録を樹立できるかどうかに注目が集まったが、果たしてその結果はF50の最高値となる790万ユーロ(約13億4,300万円)という破格の値段で落札されたのであった。
Text: Jan Götze
Photo: Jorge Guasso / Courtesy Of RM Sotheby´s