【謎のBMW】「BMW 1800 TI」のピックアップってなに?BMW自身が改造?果たしてこの奇抜なピックアップは誰が造ったのか?
2025年8月24日

BMW 1800 TI:このBMWは誰が改造したのか?「BMWが自社で改造した」と販売者は主張するが、BMWではこの奇抜な1800 TIのピックアップ改造は確認されていない。いずれにせよ、驚くべき車だ!
世界にピックアップにコンバート(改造)された車は数え切れないほど存在する。しかし、この車は特にユニークだ。荷台には2つのトランクが2つの蓋で覆われた構造で、4ドアセダンの後部ドアの下半分と、奇妙に後方に引き伸ばされたルーフが特徴だ。かなり狂気じみている。
なぜBMWは1800 TIのピックアップ改造車について知らないのか?

しかし、現在オークションに出品した人々はそれだけでは満足していないようだ:「BMWに特別注文された2台のうちの1台」と、彼らは広告に誇らしげに記している。イギリスの販売プラットフォーム、「Car and Classic」は次のように伝えている:「販売者は、この車両がBMWディーラーのサービス車両として使用されるために製造された2台限定の特別仕様車の1台であると述べている。」

BMW製という可能性はある。ただし、我々がBMWに問い合わせたところ、「この車両については一切コメントできない」と回答した。それでも、一部のウェブサイトでは既に「BMWが自社で製造した車両」と未確認の主張がされている。
ユニークなピックアップコンセプト

誰がやったにせよ、結果は、非常に珍しいものだ。オーストラリアの「ユーテ」や南アフリカの「バッキー」のような平らで深い荷台を持つピックアップトラックではなく、4ドアセダンの後席部分とトランクはそのままに、後席ドアの上半分をカットしただけなのである。つまり、Bピラーから後ろがリアエンドまでカットされ、前席の背中の部分に窓ガラスと後席を覆うパネルが溶接された。トランクリッドはほぼそのまま生かされているというわけだ。

明らかに、キャビネットや羊を運ぶためのものではない。販売者によれば、未指定のBMWディーラーでサービス車両として使用されていたとのことだが、その使用目的は不明なままだ。

特にMストライプで装飾が施されたこの車は、「ツール ド フランス」でレース用自転車を運ぶサポート車両のように見える。

このノイエクラッセ(ニュークラス)は力強いエンジンを搭載している:1.8リッターのソレックスダブルキャブレターを装備し、110馬力を発揮するエンジンで、当時、非常に人気があったモデルだ。

当時「ノイエクラッセ(Neue Klasse)=ニュークラス」と呼ばれたこのシリーズは2ドアと4ドアのセダンしかなかった。しかも、ベースとなった「1800 TI」はツーリングカーレースの人気のベース車だった。

フランス製であることは間違いない:このBMWは、フランスのメーカー、「マルシャル(Marchal)」の典型的な黄色いヘッドライトと追加ライトを装備しており、現在フランスでオークションに出品されている。

フランスの当局は、歴史的なデザインを再現した黒いナンバープレートをクラシックカーに再発行している – ドイツのH(クラシックカーライセンス)ナンバープレート愛好家たちは、この制度を夢見ている!

1965年のフランスの道路では、後方に傾いたリヤウィンドウをほぼ毎日見かけたものだ。1961年に発売された「シトロエン アミ6」。この小型車も同様のデザインだった。
このBMWピックアップの価値

carandclassic.comのオークションに出品された「BMW 1800 TIピックアップ」の落札価格は16,000ユーロ(約272万円)だった。
次のオーナーは、この謎めいたほぼ唯一無二の車について、さらに多くのことを発見するかもしれない。
Text: Frank B. Meyer
Photo: privat