「ブガッティW16ミストラル」すべてのミストラルは納車前に400kmのテスト走行を完了する必要がある!厳格な品質管理のためだ!
2025年8月22日

ブガッティW16ミストラル(Bugatti W16 Mistral):ブガッティW16ミストラルは、納車される前に、厳格な品質管理を受け、400kmを超えるテスト走行がおこなわれる。
新車で400km以上走行しているのに、誰も不満を言わない?これがモールスハイムにあるブガッティの現実だ。なぜなら、99台限定の「ミストラル」を注文した顧客は、1,600馬力のエクスクルーシブなハイパーカーだけでなく、厳格な品質管理も手に入れるからだ。このフランスの伝統ブランド「ブガッティ」は、生産から顧客への納車までのプロセスを初めて公開した。
「ブガッティ ミストラル」は、伝説のW16エンジンを搭載した最後のモデルであり、時代の終わりを告げるモデルだ。そのため、8リッター4ターボエンジンを搭載したこのロードスターは、信じられないほどの速さだけでなく、極めて限定的な存在だ:99台限定、1台あたり595万ユーロ(約10億1,150万円)の高価な車だが、既に完売している。
このハイパーカーを手に入れた幸運なオーナーは、世界最速のロードスターの誇り高き所有者となる。「ミストラル」は453.91km/hの最高速度記録を保持しているが、顧客車両は420km/hで速度制限がかけられている。だが、これは受け入れられる範囲だろう。

妥協のないテスト
しかし、これらのハイパーカーが新しいオーナーの手に渡る前に、「ミストラル」はアルザス地方を走る350kmのテスト走行をこなさなければならない。のどかな風景が想像されるが、これは厳格な品質管理だ。曲がりくねったカントリーロード、高速道路、山岳路など、多様な地形で車を試す。操縦性、インテリアの質感、仕上げのすべてが詳細にチェックされ、何もかもが偶然に任されないようになっている。
強力なエンジンを搭載する「ミストラル」では、当然ながらサウンドチェックも欠かせない。エンジン音から風切り音、タイヤの転がり音まで、すべてが完璧でなければならない。ブガッティは一切の偶然を許さないため、「ミストラル」は古い石壁の狭い路地を走行し、反響音からあらゆる音響の微細な違いを聞き分ける。ルーフもあらゆる位置で徹底的に検査される。
ミストラルをテストできるのは3人だけ
大変そう?その通りだ。だからこそ、世界中で3人の特別に訓練を受けたドライバーだけが最終テストを担当できるのだ。彼らは、耳と感覚だけで、ごくわずかな異常も認識できる特別なノウハウを持っている。走行中は、すべてがディクテーションデバイスで細かに記録される。何かが100%完璧でない場合、車は工場に戻され、再検査される。その後、修正、再走行、再検査を繰り返す。すべてが完璧になるまで、このプロセスは続く。

このプロセスの最終段階では、スーパースポーツカーはさらに過酷なテストに耐えなければならない。コルマール近郊の閉鎖された飛行場で、ミストラルは再び限界まで試される。最高速度300km/hまでの全開走行だ。この速度で、ブガッティはESP、ABS、ブレーキ性能の連携を検査する。ここでもすべてが問題なければ、ようやく納車許可が下りる。
ブガッティは最先端の診断ツールとテレメトリシステムを採用しているが、ブガッティによれば、最も重要なのは人間だ。品質検査の90%は、感覚、直感、そして繊細な聴覚に依存している。なぜなら、ブガッティが作るものは完璧でなければならないからだ。
この完璧なハイパーカーを待ち望み、そのための予算を捻出できる人なら、走行距離が少し増えたくらいでは気にしないだろう。少なくとも、完璧な状態の車両が保証されるのだから。
Text: autobild.de
Photo: Bugatti