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【訴訟】アストンマーティン ヴァルキリーに欠陥?5億円ハイパーカー購入以来、問題ばかり起きているとし、現在オーナーがアストン相手に訴訟!

2025年8月7日

アストンマーティン ヴァルキリー(Aston Martin Valkyrie)に欠陥?不満を抱える顧客がアストンマーティン ヴァルキリーの返品を要求。アストンマーティン ヴァルキリーの所有者は、300万ユーロ(約5億1千万円)のハイパーカーを購入以来、問題ばかりが続いていると主張し、現在訴訟を起こしている。

新車を購入する人は、当然ながら欠陥のない車を渡されるものと期待する。その価格が2万ユーロ(約340万円)か数百万ユーロ(数億円)かはどうでもよい。例えば、ノルトライン=ヴェストファーレン州での最近の事例では、「Handelsblatt」紙によれば、「アストンマーティン ヴァルキリー」の所有者が、約300万ユーロ(約5億1千万円)のハイパーカーを引き渡されて以来、車に問題ばかりが発生し、現在訴訟を起こしているという!

アストンマーティン ヴァルキリーは235台のみ生産

2016年、アストンマーティンはレッドブル レーシングと共同でプロジェクト「AM-RB 001」を開始した。目標は、F1技術を採用し、1馬力あたり1kgのパワーウェイト比を実現した公道走行可能なスーパースポーツカーの開発だった。この車は2017年に正式に「ヴァルキリー」と命名され、2021年に生産を開始した。生産台数はわずか235台で、そのうち150台がクーペ、85台がロードスターだ。

アストンマーティン ヴァルキリーは、レッドブル レーシングとの共同開発により誕生したハイパーカーだ。

このハイブリッド ハイパーカーは、コスワースが開発した6.5リッターV12エンジンと電動モーターを組み合わせ、システム出力1,155馬力を発揮する。これにより、「ヴァルキリー」は0から100km/hまで2.6秒で加速し、最高速度は、354km/hに達する。

ヴァルキリーには、1,000馬力を超える6.5リッターV12ガソリンエンジンが搭載されている。これに電動モーターが組み合わさり、システム出力は1,155馬力となる。

複数の不具合と問題

訴訟の話題に戻る:「Handelsblatt」紙の報道によれば、所有者は2022年にヴァルキリーを購入した。以来、彼はこの車に問題ばかりを抱えてきたとのことだ。報道によれば、彼は「この車は、私の他のすべての車を合わせたよりも多くの不具合があった」とまで述べている。

納車されてすぐに冷却液が漏れたとのことだ。所有者によれば、車はその後検査されたが、問題の解決策は見つからなかった。そのため、アストンマーティンはイギリスから技術者を派遣し、ウォーターポンプの修理を何度も試みたが、失敗に終わった。最終的にエンジンが取り外され、アストンマーティンに送られた。しかし、これだけで終わりではない。所有者は、ウィングドアの故障とエンターテインメントシステムの故障も報告している。この車は、合計で約15ヶ月間、走行不能の状態が続いたとのことだ。

ある事件が、事態を最悪の事態へと追い込んだ

すべての「ヴァルキリー」には、エンジンが大きな騒音を発するため、乗員が走行中に着用するための特別なヘッドフォンが付属している。このヘッドフォンには、外部音を車内に伝達するマイクが搭載されており、周囲の状況を知ることができる。この「ヴァルキリー」では、このシステムが機能しなかったため、救急車と衝突する事故が発生した。オーナーはサイレンの音を聞くことができなかったのだった。

アストンマーティンに対する訴訟

この件は現在、アーヘンの裁判所で審理中である。WAZ紙によると、不満を抱くオーナーは購入契約の解除を求めている。しかし、アストンマーティンは不具合が重大なものだとは認めておらず、さらにこの車両は「はずれ車(いわゆる“月曜日の車”)」でもないと主張している。

もし顧客がヴァルキリーを返却する場合、これまでに約400キロ走行していることから、使用に対する補償としておよそ5万5,000ユーロを差し引かなければならないと新聞は報じている。その根拠として、メーカーによればこの種の車両の年間走行距離はおよそ300キロとされているからだ。

さらにアストンマーティンは、顧客が車両を適切に使用していなかったとも非難している。たとえば、ホイールの交換を専門業者に依頼せず、自分で行おうとしたことなどが挙げられている。

補償として、アストンマーティンはヴァルキリーを別の2台のモデルと交換することを提案したとされている。しかし原告はこれを拒否し、「アストンマーティンにはもううんざりだ」と述べ、同ブランドへの信頼を失ったと語っている。

この件で早期に和解が成立する可能性は低い。というのも、報道によればアーヘン地方裁判所は自らに管轄権がないと判断しており、手続きはイギリスで継続すべきだと指摘しているからである。

Text: Nele Klein
Photo: Aston Martin