ニュルブルクリンクの歴代最速モデル32台一挙紹介! 実際のところ、いちばん速く走れる車ってどれ?
2020年12月2日

ニュルブルクリンクをいかに速く走れるか…。それは各メーカーのエンジニアやテストチームをいつも悩ませている。サーキットではあるものの、あらゆる走行条件が試せる通称「緑の地獄」とまで呼ばれる20.823kmのコースを一番速く走れる車は?

Photo: Daimler AG

Photo: CAR PHOTO ASSEMBLY Audi RS Q8 / Audi AG

*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: Lynk & Co

*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: RENAULT

Photo: AUTO BILD Assembly Mercedes-AMG GT R Pro / Daimler AG

ポルシェは、このGT2 RS MRでニュルブルクリンクサーキット北コース上最速のロードカーとなった。
700馬力のGT2 RS MR(MRはManthey-Racingの略)には、チューナーのパフォーマンスキットが装着されていた。
全体的なセットアップは、緑の地獄(ニュル北コース)の特性に合わせて行われた。
*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: Porsche AG/9pm media

5分19秒55*!
この素晴らしいタイムで、ポルシェ919ハイブリッド エボに乗ったファクトリードライバーのティモ ベルンハルトは、ステファン ベロフの35年前の記録(6分11秒13分)を大幅に更新したのだった。
以降、伝説の「緑の地獄」、ノルトシュライフェでより速い記録を樹立した車は今日まで他にない。
919ハイブリッド エボはこれまでで最も速い車だ。
この記録を持つポルシェは、2015年から2017年にかけてル マン24時間耐久レースで3連覇したプロトタイプをさらに発展させたものだ。
さすがにルマンに出場したモデルの発展型ともなると、速さのレベルが違いすぎる。
*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: Porsche

数々の軽量化により、アヴェンタドールSVJは1.98kg/PSというパワーウェイトレシオを備えている。
そのアクティブなエアロダイナミクスにはエアロベクタリングが含まれている。
セットアップを全面的に見直し、オプションのピレリPゼロ トロフェオRタイヤを装着して記録を達成した。
Photo: Lamborghini

6分47秒3というタイムでノルトシュライフェを周回している。
ポルシェによれば、ポルシェのテストドライバー、ラース カーンとレーシングドライバーのニック タンディは、ランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテの持つ6分52秒のラップタイムを5秒縮めた。
2人は6分50秒以下のラップタイムでノルトシュライフェを数周した。
ツッフェンハウゼンからの情報によれば、700馬力の911は、標準タイヤのミシュラン パイロット カップ2を履いて走行し、全長20.6kmのコースでの平均速度は184km/h前後だったという。
最近では、元F1レーサーのマーク ウェバーがGT2 RSでノルトシュライフェに挑戦したという。彼自身の声明によれば、最長のストレートでは336km/hの速度を記録したという。これはGT2 RSがランボルギーニ ウラカン ペルフォルマンテよりも32km/h速いことを意味する。
Photo: Car Photo assembly 911 GT2 RS / Porsche AG

Photo: Automobili Lamborghini

これにより、911 GT3 RSは、7分未満でコースを完走した7台目のストリートリーガルスポーツカーとなり、この項目では4台目のポルシェとなる。
Photo: Porsche

Photo: Werk

Photo: Ronald Sassen

しかし、バイパーは2017年9月1日に2つの他の関連する記録を樹立した。それは米国製ロードカーとしての最速タイムとマニュアルスポーツカーとしてのトップタイムだ。
Photo: Werk

Photo: Daimler AG

Photo: Werk

*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: Volkswagen AG

Photo: NIO

最速のチーム。メーカーによれば、この記録は1台のポルシェではなく、積んだトレーラーを牽引した状態でニュルブルクリンクでの特別記録を樹立した。
ポルシェ パナメーラ スポーツツーリスモ ターボは、モエテフィント社のトレーラーを装着して12分06秒でラップを完了した(十分に速い)。
トレーラーには魅力的なオールディーズトラクター「ポルシェ ジュニア」が搭載されていた。
ハンドルを握っていたのは、2011年のル マンで総合1位を獲得した「ドイツ最速の3兄弟」の一人、レーシングドライバーのパトリック シモンだった。
Photo: Porsche


*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: Lynk & Co

*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: Automedia

Photo: Thomas Starck

Photo: BMW Group

Photo: Toni Bader

Photo: Subaru

*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: Audi AG

*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: Daimler AG

Photo: Fiat Chrysler Automobiles

*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: Lynk & Co

*ニュルブルクリンク公式認定記録
Photo: RENAULT


シビック タイプRは先代のタイムを7秒も上回ったと、メーカーは当時語った。成功の鍵は、10馬力の向上、エアロダイナミクスの改善、ブレーキ時の安定性を高めるための新しいマルチリンクリアアクスルの採用だった。
安全性を考慮して、記録挑戦のためのシリーズ仕様のプロトタイプにはロールケージが装着された。これはボディの剛性には何の影響もなく、重量が増えるだけだった。それを補うために、インフォテインメントシステムとリアシートが一時的に取り外された。
Photo: Honda
ホンダのオンボードカメラによる映像はYouTube動画でどうぞ。

Photo: VW


パガーニのタイムは不明だが、ちゃんと走ればおそらく7分は楽に切れるだろう。
Photo: Werk

Photo: Werk
いつもこういう数字の記録合戦を見ていると、いったいいつが限界なのだろう、と思ってしまう。
陸上競技などでも世界最高記録や、国内最速記録というものがあるが、それがいったどこまでで打ち止めで、それ以上は人間の肉体的限界、と言えるのか、という思いを抱いてしまうのである。
クルマだって物理の上に成立しているのだから、必ずどこかでそれを超えることができない限界、がやってくる。それがニュルブルクリンクサーキットの場合、いったいどれくらいなのか。今回の記録を見る限り、市販車のスポーツモデルなどには7分の壁、というのが存在し、そこから先に進むことはものすごくリスクの多い、厳しい挑戦であることがわかる。
そしてニュルブルクリンクサーキットでの記録挑戦の場合、自動車だけの性能だけではなく、それを操るドライバーのテクニックも必須であることは言うまでもないだろう。
いずれにしろ根性一発でなんとかなる世界では絶対になく、多くのスタッフが理論的かつ情熱的に組み上げた世界、それがこういう記録に結び付く。そしてそのことは自動車の開発と進化のためには必要な過程であるともいえよう。
加筆:大林晃平