【速報】 マツダが直列6気筒エンジン開発を正式に認める
2020年11月22日
マツダ直列6気筒エンジン(2022): 公表、マツダ6、ヴァンケルエンジン(ロータリーエンジン)は?
マツダが今後2年間のうちに直列6気筒エンジン開発し発売することを公に認め、そのエンジンを近日中に投入するという。我々はその第一報を入手した。
マツダは、先日リリースされた四半期報告書で、新型直列6気筒の開発計画を公に認めた。
同社によれば、同エンジンの市場投入は今後2年以内に予定されているという。
遅くとも2022年までには、この直6エンジンは、ガソリン、ディーゼル、スカイアクティブXの3種類が用意される予定だ。
また、電動化にも対応し、48ボルトのマイルドハイブリッドに加えて、プラグインハイブリッドも用意する予定とのことだ。
マツダはまだ性能データを発表しておらず、これまでのレポートでは、「十分なパワーを持つ」エンジンとしか書かれていない。
直列6気筒は以前から検討されてきた。
すでに2019年には、四半期報告書でシリーズ6の開発に言及していた。
現時点では、エンジンの搭載されるモデルはまだ純粋な推測でしかない。
次の世代のマツダ6がデビュー車になる可能性がもっとも高いとされる。
しかし、他のモデル、特にSUVにもこの新エンジンが搭載される可能性は高い。
文書には、その6気筒エンジンのほかにも、マツダらしいヴァンケルエンジン(ロータリーエンジン)という別のエンジンも登場している。
これも2022年までに、さまざまな電動化オプションの一部として復活させる予定だ。
出ては消え、出ては消えするヴァンケルエンジンの噂はファン層の間でも根強く、復活を期待する声は多い。
マツダが6気筒エンジンを開発している、という噂は数年前から話題にのぼっており、公然の秘密であったといってよい。いよいよこの度その正式な発表となったわけだが性能などの詳細はまだなにもわからないまま、である。
おそらくこの6気筒は次期マツダ6と、CX-5、CX-8、CX-9などに搭載されることになるはずだが、その場合縦置きになり、後輪駆動モデルになるはずである。マツダ6ならまだしも、SUVモデルも後輪駆動ベースになるのか、とも思ったが、そんなこと(?)よりも、もっと現時点では、ちゃんと世の中に出てくれるのだろうかと心配になってしまうほど、疑問点が多い。
その1: 情報ではガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、そしてHCCIのスカイアクティブXの3つと言われているが、ガソリンエンジンとスカイアクティブXをなぜ一本化しなかったのかがなぞである。そんなにエンジンバリエーションが必要なのだろうか?それともスカイアクティブXがまだまだ発展途上の未完成なので、ガソリンエンジンと併売しなくてはいけないのだろうか?
その2: 現在ほとんどのマツダのモデルで使用されている6ATは、そろそろアップデートが必要と思われる。果たしてこの6気筒にはどんなミッションが組み合わされるのか? より多段式のATも同時に開発する余地はマツダにあるのだろうか?
その3: 48V仕様のマイルドハイブリッドも、プラグインハイブリッドモデルも用意すると言われているが、そんなにバリエーションを増やして大丈夫なのだろうか? もっとモデル数を整理し、絞って開発すべきではないのだろうか?
その4: 果たしてCX-5やマツダ6といったモデルだけで、6気筒エンジンの開発コストなどをしっかり回収できるのだろうか? 現在のマツダの経営状況で台数をあまり望めないはずの6気筒ユニット(しかも様々なバリエーションで)を新たに発表して大丈夫なのだろうか?
その5: さらに気になるのは価格だが、今のモデルよりも高価になることは自明の理であろう。最上級モデルではおそらく500万円を突破する可能性もあると思われるが、果たしてどれほどの台数が売れるのだろうか?
と、どうもネガティブ(というか、心配になってしまうような)な疑問しか、わいてこないのは、個人的にこの6気筒モデルが以前から大変気になっているからである。マツダが開発した新しい6気筒エンジンを積んだ自動車を開発していると聞いた時から、僕にとってはずっと気になる存在なのである。
もし魅力的な6気筒ディーゼルエンジンがマツダから生まれたら、ぜひぜひ乗ってみたい、だからコロナ禍の影響や、様々な障害を乗り越えて、6気筒エンジンがちゃんと発売されますように、そしてその時にはぜひわかりやすく、魅了的なラインナップと車種に載せられて生まれるようにお願いしますという、一マツダファンとしての願いと期待を込めての、心配から発言した疑問と苦言だということをわかってほしい。
Text: Andreas Huber
加筆:大林晃平
Photo: Mazda engine