メルセデス・ベンツは「GLE」の価格戦略的モデルを追加発売する
2025年6月27日

メルセデス・ベンツ日本は、メルセデス・ベンツ GLEの価格を下げた戦略的なモデルを発売する。
「メルセデス・ベンツ GLE 300 d 4MATIC(ISG)」の装備を見直し、メーカー希望小売価格を1,268万円から1,147万円に変更。「GLE 450 d Sports 4MATIC (ISG) (SUV/Coupé)」の装備を厳選し、戦略的価格のグレード「GLE コア」を追加した。
GLEの歴史
メルセデス・ベンツの世界戦略において北米市場の拡大にはSUVが不可欠であったが、メルセデス・ベンツにはオフローダーのゲレンデヴァーゲン(Gクラス)しかなかった。そのゲレンデヴァーゲンは基本設計が軍用車両に起源することもあって、コンポーネンツを使いまわすことは不可能であったのである。
そこで、メルセデス・ベンツはドイツで設計開発して、アメリカ現地に工場を建造して生産することを決定した。それが1997年に発表されたアラバマ州タスカルーサ工場での「Mクラス/W163」生産である。
つまり、初代MクラスはプレミアムSUVのパイオニア的存在で、クロスカントリー的な4WDが独占していた北米マーケットにメルセデス・ベンツの上質感や先進性を持ち込んだのである(日本では1998年からML320を販売開始)。この初代Mクラスの後継モデルとして進化を遂げた「GLE」は、SUVの力強さとスポーティ性を表現したエクステリアデザイン、上質な内装、オン/オフロードでも優れた走行性能を発揮する「プレミアムSUV」だ。
2015年10月には名称を「GLE」に改め、EクラスファミリーのSUVとして位置づけられた。現行モデルでは、GLE全モデルが電動化を遂げ、より力強い走りと高効率な燃料消費を実現している。自然対話型インフォテインメントシステム「MBUX」や実用的な安全運転支援システムを標準装備とし、利便性も兼ね備えたモデルとなっている。
GLE 300 d 4MATIC (ISG)の特長
「GLE 300 d」は今回、一部装備の変更を行ったことで、メーカー希望小売価格を1,268万 円(税込)から1,147 万円(税込)に120万円ほど低く設定。「プレミアム SUV」にふさわしいデザインや走行性能、インフォテインメントシステムは残しつつ魅力的な価格に設定し、購入し易いGLEのエントリーモデルとなっている。


従来の GLE 300 dから今回の主な変更点
・標準仕様の乗車定員を7名から 5名に変更。「3列目シート」を有償オプションとして設定
・「パノラミックスライディングルーフ」を標準装備から有償オプションに変更
・「6ウェイパワーシート(2列目左右)」を標準装備から有償オプションに変更
新規ラインアップ
「GLE 450 d 4MATIC Sports コア (ISG)」、「GLE 450 d 4MATIC クーペ Sports コア (ISG)」の特長

「GLE コア」は、GLEの主力モデルであるGLE 450 d 4MATIC Sports (ISG)の持つハイドライビング・パフォーマンスやAIRMATICサスペンションの乗り心地、3列シート(7名乗車)の利便性といったGLEの「コアバリュー」を残しながら、一部の装備内容を見直し、戦略的な価格を実現したGLEの新たなラインアップ。

ベースモデルとなるGLE 450 d 4MATIC Sports (ISG)から今回の主な変更点は以下 の通り。
・AMGラインインテリアを廃止
・「本革巻スポーツステアリング(ナッパレザー)」を「本革巻ステアリ ング(ナッパレザー)」に変更
・「本革シート(本革/ナッパレザー)」を「レザーARTICO」シートに変更
・「アンスラサイトオークウッドインテリアトリム」を「ブラウンウォールナットウッドインテリアトリム」に変更
・「ドアクロージングサポーター」を廃止
・外装色を7色から2色に厳選

パワートトレイン
「GLE 300 d」のパワートレインは、2.0L 直列4気筒ディーゼルターボエンジン「OM654M」を搭載。エントリーモデルであるが最高出力は269PS、最大トルク 550N・mと十分なパワーと優れた燃料消費率を実現している。「GLE コア」は、3.0L 直列 6気筒ディーゼルターボエンジン「OM656M」を搭載。最高出力は367PS、最大トルク 750N・mと余裕を感じさせるパフォーマンスを発揮する。
両モデルには、ISGの技術が組み合わされ、最大15kWの追加出力と200N・m以上の追加トルクでディーゼルエンジンをサポート。ISGはエンジンとトランスミッションの間に配置された電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねる。この電気モーターと「48V電気システム」により、従来のハイブリッド車のような回生ブレーキによる発電を行い、約1kWhの容量のリチウムイオンバッテリーに充電する。エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うことで、高い効率性と力強い加速を実現。スターターが高出力な電気モーターとなり、エンジン始動時の振動を抑え、エンジンスタートおよびアイドリングストップ時の再スタートの快適性を向上。
また、アイドリング時には電気モーターの充電電流を調整して、エンジン回転数を低回転で安定に保つことが可能となり、効率性、快適性および静粛性に貢献している。加えて、このモーターはシフトチェンジ時にも使用され、エンジンが理想的回転数に達するまでの時間を最小限に抑えるためのアシストも行う。このため、シフトチェンジに必要な時間が短縮され、スムーズでタイムラグの少ないシフトチェンジを実現。
GLE(SUV/クーペ)の主な装備
・アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(再発進機能付)
・アクティブエマージェンシーストップアシスト
・アクティブブレーキアシスト
・緊急回避補助
・アクティブレーンキーピングアシスト
・ブラインドスポットアシスト
今回発売の各GLEモデルのメーカー希望小売価格(税込)は下記の通りである。
「GLE 300 d 4MATIC (ISG)」=¥11,470,000(右ハンドル)。
「GLE 450 d 4MATIC Sports コア(ISG)」=¥13,790,000(右ハンドル)。
「GLE 450 d 4MATIC クーペ Sports コア(ISG)」=¥13,930,000(右ハンドル)。
Text:アウトビルトジャパン
Photo:メルセデス・ベンツ日本