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【クラシック オブ ザ デイ】「ポルシェ968 CS」トランスアクスル ポルシェの中でも240馬力と軽量ボディで高性能を発揮するクラブスポーツは最も希少なモデルだ!

2025年7月27日

ポルシェ968 CS(クラブスポーツ):ポルシェ 968 CSは、おそらく最も希少なトランスアクスル ポルシェだ。240馬力と軽量化されたボディで、3リッター4気筒エンジンの性能を存分に発揮する。クラシック オブ ザ デイ!

速く豪華なクーペで収益を上げていたポルシェだが、ブランドの魅力を引き上げるのはスポーツモデルだった。スポーツとは、常にサーキットでの速いラップタイムを意味し、それは軽量化によってのみ実現可能だった。ポルシェは90年代にもクラブスポーツモデルのコンセプトを継承し、卓越したモデルとして閃光のような速さを誇る「ポルシェ968 CS(クラブスポーツ)」を生み出した。

このモデルは、当時最も排気量の大きい3.0リッター4気筒エンジンを搭載していた。4つのシリンダーの排気量は、それぞれ0.75リットルで、4つを合わせると3.0リットルの排気量になる。トルクのあるエンジンとトランスアクスル式(エンジンは前、ギアボックスは後)の動力伝達システムの組み合わせにより、「968クラブスポーツ」は高速走行を好むドライバーにぴったりの車だった。

ポルシェ968クラブスポーツの特徴

「968」のフロントは「944」よりも「928」に近く、「993」の要素も取り入れている。我々のテストドライバーは、「968 CS」を次のように表現している: 「ポルシェのスポーツカーの理念に非常に近い走りをする。他のスポーツモデルと異なり、装備の簡素化がクラブスポーツの価格を低く抑えている。「ポルシェクラブ968」によれば、「CSが968を最も手頃な価格で楽しむ方法だった」とのことだ。

インテリアの簡素化:CSの装備は簡素で、ドライバーと助手席は薄いバケットシートに腰掛ける。

当時、ポルシェは販売不振だった「968」を、「968 CS」で払拭しようとしていた。装備を簡素化することで車重を軽くし、販売価格を引き下げた。パワーウィンドウ、ミラー、シート調整機構は廃止され、エアバッグの代わりに3本スポークステアリングホイールが採用され、座席は軽量バケットシートに変更された。そして、後部座席の代わりに、簡素な荷物用ネットが備え付けられた。「968 CS」は標準で車高が20mm低く、17インチホイールも選択可能だった。1994年には、オプションでリミテッドスリップディファレンシャルが追加された。

968 CSはサーキットでの高速周回を目的に設計されており、窓の電動式開閉装置とエアバッグは省略されている。

968 CSの性能

性能面では、CSはより高性能な968モデルと互角の性能を発揮した。その重量は1,320kgで、3リッター4気筒エンジンは240馬力を発揮、最高速度は252km/hに達した。軽量化はサーキットで大きなメリットとなり、前後輪の重量配分のバランスもその利点となっている。因みに車重は、通常の「968クーペ」1370kg、「ターボRS」1300kg弱、「ターボS」1300kgだ。

ポルシェ968 CS(クラブスポーツ): テクニカルデータ

パワーユニットDOHC直列4気筒エンジン(フロント縦置き)
排気量2,990cc
最高出力240PS@6,200rpm
最大トルク305Nm@4,100rpm
0–100km/h加速6.5秒
最高時速252km/h
駆動システム6速MT、後輪駆動/トランスアクスル
全長/全幅/全高4,320/1,735/1,275mm
乾燥重量1,320kg
新車当時の価格(199580.890ドイツマルク(約683万円)

購入時に注意すべき点

購入前には、点検記録簿などの付属書類のすべてを確認することが重要だ。メンテナンスを怠った個体は、安物買いの銭失いにつながる。タイミングベルトは80,000kmごと(または4年ごと)に交換されているか?車はレースコースで酷使されていないか?

「CS」の価格は、ポルシェらしく、豪華なクーペよりもやや高めだ。いずれにせよ、「CS」は「968」で最も希少なモデルで、「ポルシェクラブ968」によれば、11,763台が製造された。現在、純粋なポルシェは人気が高く、価格も高値安定傾向で、今後ますます値上がりすることが予想される。

結論:
純粋なトランスアクスル ポルシェを運転したいなら、「968クラブスポーツ」が最適な選択だ。968シリーズは、通常の「968クーペ」、「ターボS」、「ターボRS」とバリエーションがあるため、誰もが自分に合った車を見つけることができるだろう。状態の良し悪しと使用履歴が、購入の際の判断基準となる。

Text: Matthias Brügge
Photo: Roman Raetzke / AUTO BILD