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【新車情報】ルノー カングー12年ぶりのモデルチェンジ 新型カングーの全情報!

2020年11月20日

ルノー カングー(2021): 電動、エクスプレス、バン

わが国では大人気のカングーがフルモデルチェンジされた。それはカングーを愛する多くの日本人にとって衝撃的なものだった…? 巧妙な積載システムと新しいベースを採用した新型ルノー カングー。12年ぶりに、ルノーがカングーをフルモデルチェンジする。ルノー製バンは、特別なローディングシステムを備え、手頃な価格のエントリーレベルバージョンが用意されている。新着の全情報をお届けする。

カングーがモデルチェンジを果たした。
デビュー後12年もの歳月を経ており、正直言って新型VWキャディやシトロエン ベルランゴのような競合モデルに比べて古びて見えるので、これは朗報と言えよう。
しかし、新しいのは新鮮なデザインだけでなく、巧妙な積載コンセプトや新しいエントリーレベルのバージョンも用意されていることだ。
3代目カングーの市場投入は2021年の春、価格はまだ発表されていない。

最大4.9立方メートルの収納量

カングーのデザインは、新しいブランドフェイスに適応している。
より狭くなったヘッドライト、新しく異なるエプロン、大きなグリルにより、バンは先代よりもでこぼこが少なく見えるようになった。
「ラピッド(Rapid))」と名付けられた商用車として、カングーはロングバージョンで3.3~4.9立方メートルの収納容量を備え持つ。
1.41mの側面積載開口部は、先代モデルの2倍の広さを確保し、積み込みを容易にしている。
新システム「イージーインサイドラック」を採用することで、荷室を空けたまま、かさばる荷物を車内上部に収納することも可能となった。
コックピットのデザインも一新され、より堅牢なシートを採用することで、長時間の移動でも高い快適性を実現している。
また、新しいマルチメディアシステムや、最大48リットルの収納スペースを備えた多数のストレージオプションも用意されている。
カメラ付きのバックミラーを採用し、パネルバンを閉じた状態でも後方の視界を確保している。
ドライビングアシスタンスの面では、トレーラースタビリティコントロールと、改良されたブレーキアシスタントシステムが装着されている。

エクスプレスは、より堅牢なベーシックモデルとして、コストパフォーマンス的に特に優れたモデルとなっている。

より堅牢な基本バージョンはエクスプレスの名が復活

カングーには、商用車版のラピッドに加え、リアサイドウィンドウを備えた5人乗りのファミリーバージョンとしても利用可能だ。
新型ファミリーバージョンは、カングーという名の代わりに、エクスプレス(Express)というモデル名が復活し、命名されている。
エクスプレスは、多くの家族が入手しやすいよう、特別良好な価格が設定されていると言われている。
すべてのバリエーションにショートバージョンとロングバージョンが用意されているが、その寸法はまだ明らかにされていない。
駆動方式は、ガソリンエンジンとディーゼルエンジン、マニュアルとオートマチックトランスミッションが用意されている。
また、後から電動仕様も追加される予定だ。
新型ルノー カングーの市場投入は2021年春を予定しており、価格はまだ明らかにされていない。
段階的に生産が終わるルノー カングーは、現在エステートカーとして19,292ユーロ(約241万円)からとなっているが、新型車の価格も大きくは変わらないはずだ。

シートは耐久性も高く、長距離移動に適している。

ルノーカングーは言うまでもなくわが国ではカルト的人気の一台である。ルノージャポンのラインナップの中の稼ぎ頭であり、一番売れているルノーはカングーなのだから、フランス人もびっくりだろう。
かくいう私も、日本に輸入された最初期の1.4の黄色いカングーを購入し、数年間愛用して、そのなんともいえない魅力と使い勝手には、今でも敬意を払っている一人である。
そんな人間から言わせると、今度のカングーは……。どうなんだろう、これが日本でこれまで通りの人気を保てるのだろうか、という感じのデザインであり、正直最初に見た瞬間「あちゃー」と思うようなスタイリングだった。
それは醜いとか格好悪い、という意味ではなく、フォルクスワーゲンやオペルのような、普通のフロントグリルと全体的フォルムで、今までの可愛さがどこかにすっかりと消えてなくなっているからである。

パネルバンタイプは車名に続いて“VAN”が付く。

内容としてみれば興味深いドアのレイアウトや、最新の電子デバイスの採用などなど、本当に正常進化の一台であり、そもそも本国ではコマーシャルバンとして徹底的に実用に使われる車であることを考えれば、このお姿に文句をつけることは本末転倒だろう。
だがあの可愛いカングーを愛してやまない日本人にとっては、このデザインはかなりショッキングであり、現行カングーの駆け込み購入者が増えそうな気もする。
実をいえば、ルノー4、エクスプレスといったルノーのコマーシャルバンが昔から大好きだった私も、今のうちに、来年の春には旧モデルになるはずのカングーを買っておいた方がいいかな、と思っているのである。在庫はいつまであるのだろうか…。

Text: Moritz Doka
加筆:大林晃平
Photo: Groupe Renault