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【最も人気の高い日本車】ロータリーエンジンの名車「マツダ RX-7(FD)」の物語

2025年7月8日

マツダRX-7(FD): 最も人気の高い日本車にマツダRX-7がある。ロータリーエンジンのスーパーカーを我々はかつて”vampire on wheels”(車輪の上の吸血鬼)と称した。マツダFDシリーズは最もパワフルなRX-7であり、Googleで頻繁に検索されている。

マツダほどフェリクス ヴァンケルが開発したロータリーエンジンを重要視したメーカーはほとんどない。他の自動車メーカーがロータリーエンジンの開発を断念した1991年、マツダは4代目「マツダRX-7」を発売。「FD」は当時、量産車として最もパワフルなロータリーエンジン搭載車だった。

現在、Googleで最も検索されている日本のクラシックカーは「RX-7」シリーズだ。「AutoScout24」の分析によれば、2024年3月から2025年2月までの間に「マツダRX-7」の検索件数は、27,100件に上った。これにより、「RX-7」は「AutoScout24」のリストで6位にランクインし、かつてのライバルである「ポルシェ944」と同位、「アウディ クアトロ」や「フェラーリ テスタロッサ」を上回っている。

発売当初、RX-7 の価格は85,000マルク(約700万円)だった

「RX-8」の前モデルである最後のシリーズ(FD3S)は、1.3リッターのツインターボにより最大280馬力を発揮し、ドイツ市場向けモデルは239馬力だった。それでも最高速度250km/h、0-100km/h加速5.3秒の性能を誇った。

性能面では、マツダは最後の「RX-7」でほぼ限界に達しており、「FD」は「ポルシェ928 GTS」などの競合車に引けを取らなかった。価格面でも圧倒的に優れていた。1992年のドイツ市場投入時、「RX-7」は85,000マルク(約700万円)で販売されたのに対し、ポルシェは「GTS」のベース価格を「RX-7」の2倍以上、178,000マルク(約1,480万円)に設定していた。

鋭さと燃費 – マツダは「車輪の上の吸血鬼」

「RX-7(FD)」は、ドイツの一般大衆の愛車となるのにそれほど時間はかからなかった。すぐに「ポルシェキラー」や「ロータリーエンジンの奇跡」と称賛され、特に1.3トンという軽量な日本車のパワーは、今でも人々を魅了し続けている。

2基のターボチャージャーのうち、小さい方は、低回転域から驚異的なトルクを発揮。2基目が作動すると、フェリクス ヴァンケルが開発したロータリーエンジンとは思えない力(最大トルク294Nm)が解放される。平均燃費がリッターあたり6.6kmという点は(残念ながら)その性能を反映している。我々が1996年にドイツでの販売終了を機に、この俊足のマツダを「車輪の上の吸血鬼」と名付けたのは、「RX-7」の鋭さと燃費の悪さを皮肉ったものだ。

サスペンションにおいても「FD」は妥協を知らず、硬くスポーティな設定だ。特に雨天時には後輪の滑り出しが容易に起こる。

スタイリッシュ:RX-7の形状は、ポルシェ928を彷彿とさせる。

インテリアのデザインも同様に妥協のないものとなっている: 狭いコクピットには最大2名まで乗車可能で、トランクサイズもミニマムだ。クロームフレームの円形計器がクールで、エアコン、電動ウィンドウ、サンルーフ、レザーシートと充実した装備が標準でついていた。アイコン的なのは、「スリーピングアイ」と呼ばれるリトラクタブルヘッドライトと小さなリアスポイラーだ。

史上最も売れたロータリーエンジン車

1996年にドイツで新しい排気ガス規制が導入され、「RX-7」はドイツ市場から撤退したが、「FD」は2002年まで日本で生産が続けられた。その後、マツダはモデルシリーズを生産終了した。

「RX-7」は、ロータリーエンジン搭載車として史上最も売れた車だ。しかし、最終モデルの車両は現在ではほとんど見かけることがない。特に未改造の車両は現在ほぼ入手不可能で、もし見つけても非常に高価(2万ユーロ=約330万円以上)だ!

ちなみに、この伝説のマツダの交換部品も同様に高価だ。ただし、「RX-7(FD)」は全体として信頼性の高いスポーツカーとして知られており、20万kmを超える走行距離も珍しくない。

Text: Julian Rabe
Photo: Holger Neu / AUTO BILD