【モーターサイクルのすすめ】インディアン チーフ(Indian Chief)で行く北海道ツーリング
2025年5月28日

2022年夏、スバル サンバーに貴重な1947年製の「インディアン チーフ(Indian Chief)」を載せてヴィンテージモーターサイクルのイベント「北海道ミーティング」に参加。さらにツーリーングを敢行して総走行距離2400kmを旅した年金ライダーの回想記。
富良野町で8月に開催される北海道最大かつ最も歴史のあるモーターサイクリストクラブ「北海道ミーティング」には初めてコンクールにエントリーして参加させていただいた。このイベントには1934年のノートン(Norton)をはじめ1960年代のメグロ、ホンダなど国内外のヴィンテージモーターサイクルが集まっていた。
イベントに参加したその足で、勇気を出してチーフに跨り、大雪山系周遊の一泊ツーリングを決行。1日目は右方に十勝岳を臨みながら、富良野、美瑛の緩い起伏の丘陵地を走行。チーフの力強いトルクを体感しながら、層雲峡へ。北海道は既に初秋、観光ホテルの温泉を独り占めし、東京の日々の疲れを癒した。


2日目はR39沿いの大雪山湖から始まり、自分が北海道で最も好きな峠である三国峠(R273)を下り上士幌町へ。初秋の爽やかな風を全身で受止めながら、気持ち良いライディングを楽しみ、緩いカーブでは十勝平野を一望できた。上士幌町では、日本一広いナイタイ牧場に行き、広大な景色の背景にチーフを撮ると、アメリカに居るような写真が撮れた。

ここのテラスで大地の恵みソフトクリームを賞味した後、十勝平野の北部を一直線(30km?)に横断するR242を、トップギヤーで走ると、チーフはボクサーエンジンのBMWのように軽やかな鼓動を奏でスムーズに走りに、1947年製のバイクであることを忘れるほど順調にひた走る。

然別湖、小さなダム湖だが、風光明媚な背景にチーフが映える。
直線の終わりの鹿追町で然別湖に寄り、北の大地の山水を背景にワンショット。そこからは新得町から狩勝峠(R38)をトップギャーのままオートマ感覚で一気に上がり切り、午後4時に富良野「太陽の里」に戻って着た。2日間走行距離は380kmだった。

大雪山系を周遊し、出発地(太陽の里)に戻ってきた。左上が夕張岳。
当初、1947年製のチーフでツーリングすることを躊躇していたが、走るうちにチーフは“フツウ”のツアラーバイクとなっていくことにオーナーの自分も驚きを隠せなかった。ハンドチェンジ、フットクラッチ仕様のチーフは北海道で乗ると、スムーズそのもの。広々とした大陸のツアラーであることを痛感した。すっかり安心した筆者は来年もチーフで北海道に来ようなんて、妄想に耽った(実際には2024年の「北海道ミーティング」にBMW R69S(1963)で参加した)

体力、気力には自信のある筆者でも、旧車でのロングツーリングにはネガティブであったが、東京と北海道の往復2000kmは軽バンのスバル サンバーをトランスポーターとして活用することにより、負担の少ないツーリングとなった。これはまさに、四輪と二輪の美味しいどこドリ、“一粒で二度美味しい”充実した約2400kmを走る旅となったのであった。
Text&Photo:佐藤 実
【筆者の紹介】
佐藤 実
66歳で仕事を引退し年金ライダーに。緩いアルバイトの傍ら2輪車ツーリング、ヴィンテージバイクレース、4輪車のイベントに参加。2輪車は半世紀渡りに俯瞰し、国内外の自動2輪40台を乗り継ぎ、現在,BMWR1300GSAをメインに、DUCATI、HONDA、TRIUMPH、Indianなど10台を所有。4輪車はJaguar E Type seriesⅢに乗るエンスージアスト。