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2025 AUTOBACS SUPER GT Round.2 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL KeePer CERUMO GR Supraが6年ぶりの優勝!

2025年5月15日

SUPER GT第2戦が富士スピードウェイで行われた。5月4日の決勝レースには綺麗な富士山も見守る快晴の下、49,200人のファンが来場。GT500ではKeePer CERUMO GR Supraが6年ぶりの勝利を獲得。GT300では27位スタートのUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが勝利するなどドラマチックな展開となった。

GT500クラスではポールポジションからスタートしたNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)が、序盤から他車を圧倒するペースで走り切り、トップを譲ることなく快走しチェッカーを受け、6年ぶりに優勝をポールトゥウインで快勝を果たし、ドライバー達は涙涙で喜びを分かち合った。

GT300クラスはトップを死守し優勝間違いなしと思われたNo.61SUBARU BRZ R&D SPORTであったが、最終ラップににマシントラブルが発生しコース脇にストップしてしまうという悲劇に見舞われた。優勝したのは、なんと27位からスタートしたNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)で、大逆転の初勝利を飾った。

GT300 荒れたコンディションの中、なんと27位から最後の最後でトップに躍り出たNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI 片山 義章 / ロベルト・メリ・ムンタン

GT500のスタートは、ポールポジションのNo.38 KeePer CERUMO GR Supra、2番手にNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra、3番手にNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16、4番手にNo.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8と予選順位のまま各車好スタート決める。

GT500スタートシーン

その後方では前戦の岡山で最後尾スタートから3位フィニッシュを果たし、8位からスタートしたNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraがハイペースで追い上げて、35周目までに2位に浮上。

7番手からスタートした王者No.1 au TOM’S GR Supraは、サクセスウェイトが40kgもありながらもハイペースで周回を重ねて、36周目には3番手に浮上してきた。

7番手スタートから着実な走りで見事GT500クラス2位フィニッシュを果たした王者No.1 au TOM’S GR Supra 坪井 翔 / 山下 健太

トップを快走するNo.38は他車を圧倒するペースで序盤から着実にライバル勢を引き離す事に成功。レース1/3の1時間経過時点で38周を走って2位に20秒以上のリードを広げ、40周目にピットインを行いタイヤ交換と義務の給油を行う。ドライバー交代はせず大湯がコースに戻る。大湯は2番手とのリードタイムを20秒ほど保ちながら快走を続け、72周目に最後のピットインをして給油、着実な作業でタイヤ交換を行い石浦にドライバーチェンジしてピットアウト。その後は安定したペースで3時間を走り切り他者を寄せつけいない走りで見事ポールトゥウインでチェッカーを受けた。

喜びも一入:予選から決勝まで大活躍で6年ぶりの優勝に貢献した大湯 都史樹

No.1 au TOM’S GR Supraは終盤にペースの上がらないNo.8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8をオーバーテイクし2位でチェッカーを受け、ポイントリーダーを死守した。

終盤残り15分になったところで12位スタートのNo.12 TRS IMPUL with SDG Zと大バトルを繰り広げた13番手スタートのNo.100 STANLEY CIVIC TYPE R-GTが3位入賞となった。

GT500 表彰台

フェラーリの躍進

GT300は、ポールスタートのNo.777 D’station Vantage GT3がトップで1コーナーに入った。そして予選2位のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT、3番手にはNo.7 CARGUY FERRARI 296 GT3が続く。

GT300クラス スタートシーン

その後方では接触によるアクシデントが多発し、レース開始30分過ぎにはFCY(フルコースイエロー)導入となる。そのFCY導入を予測し上手くピットインして来たのが6番手を走っていたNo.45PONOS FERRARI 296と10番手No.65 LEON PYRAMID AMGが入り大幅なポジションアップを狙う。

FCYが解除され、トップを走るNo.777は32周を終えピットインして給油とタイヤ交換を行う。そしてその翌周には2番手を走るNo.61もピットして給油、タイヤ交換も行う。

この時点で先にFCY時のピットインで大幅なジャンプアップを果たしたNo.45とNo.65、そしてピットインでタイヤ無交換作戦を行ったNo.5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号がトップ3となって順位が入れ替わっていたが、徐々にNo.777とNo.61が追いつき始める展開に。

ペースの勝るNo.777は39周目にNo.65号車を、その後52周目にはNo.45もオーバーテイクして再度トップに躍り出る事に成功。しかし、粘り強く走るNo61もピタリと後ろについてチャンスを伺っていた。

ポールスタートから逃げ切るかと思いきや、タイヤトラブルなどに見舞われながらも最後まで諦めない走りで観客に感動を与え、2位フィニッシュを果たしたNo.777 D’station Vantage GT3 藤井 誠暢 / チャーリー ファグ

レースの中盤に入った55周目にはトップNo.777の左リヤタイヤがパンクしスローダウンしてしまう。だが幸運にも最終コーナーでパンクが発生した為、すぐさま2回目のピットインでダメージを最小限に抑えることに成功。

その隙にトップに立ったのはしぶとい走りでトップを狙っていたNo.61だ。そのNo.61は69周に2度目のピットインをこなしてコースに戻った。その後方ではタイミングよく一度目のピット作業を行ったNo.65が続く。

6位スタートから、2回目のピットインで急遽タイヤ無交換作戦で攻め、見事3位入賞を果たしたNo.2 HYPER WATER INGING GR86 GT 堤 優威 / 平良 響 / ト部 和久

その後方では、なんと27位からスタートしたNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIが上位へと急接近。驚く事に20周ほどで21台抜きの6番手まで浮上していたのだ。最後までピットインを遅らせる作戦に出ていたNo.2 HYPER WATER INGING GR86 GTがピットイン。タイヤ無交換作戦で4番手となる。

2位スタートから序盤のトップ争いを制してそのままチェッカーを迎えようとしたラストラップでトラブルに見舞われストップしてしまったNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人 / 山内 英輝

レースは終盤、再びトップに立ったNo.777が残り11分の時点で、想定外の3度目の緊急ピットイン。これでまたもやトップにはNo.61が浮上。誰もがこのままトップでチェッカーを受けると思っていたファイナルラップしかも残り半周を過ぎたところでドラマが起きた。突然マシンから白煙が上がり、万事休す。コースサイドにマシンを止めた。満員のグランドスタンドから悲鳴が響き渡った瞬間だった。

ホームストレート上にトップで姿を現したのは、27番手からスタートしたNo.6だった!チェッカーを受けたNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIはGT300では嬉しい初優勝となった。

劇的な優勝をもぎ取ったNo.6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI 片山 義章 / ロベルト メリ ムンタン

2位は幸運も重なりNo.777 D’station Vantage GT3。3番手はNo.7 CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗/澤圭太)がチェッカーを受けたものの、ピット作業で違反があり、10秒加算のペナルティを受けて4位へ。代わりに4位フィニッシュしたNo.2 HYPER WATER INGING GR86 GTが3位に繰りあがる結果となった。

GT300 表彰台

今回も最後の最後までもつれたレースとなり、勝者の嬉し涙と敗者の悔し涙が隣り合わせ、こんなドラマがあり得るのかと思わせる展開となった。

今回も爽やか全開のTGR TEAM SARD のレースアテンダント達

次戦のSUPER GTは、2019年以来ひさびさの海外戦となるマレーシア戦が6/27-28で開催される。その後は再び日本に戻り8/2-3に富士スピードウェイにて開催される。

次戦も白熱したバトルが見られるはず。誰もが予想できない展開で観るものを魅了するSUPER GT。是非ともサーキットに足を運び、この素晴らしいレースを観て欲しい。

Photo/text:Hisao.sakakibara

【筆者の紹介】
Hisao sakakibara
モータスポーツフォトグラファー。レーシングカー好きが高じて、サーキット通いに明け暮れる。モータスポーツの撮影取材を始めて25年のベテランフォトグラファー。