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2025 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE 超荒れたコンディションを見事制した王者 au TOM’S GR Supra が開幕から勝利を果たす!!

2025年4月23日

待ちに待った2025 シーズンのSUPER GTが 4月13日に岡山国際サーキット(1周3,703m×82周)にてSUPER GT Rd.1 OKAYAMA GT 300km RACEの決勝レースが行われた。開幕前に行われたオフィシャルテストでどんなコンディションでも速さを見せていたNo.1 au TOM’S GR Supra 坪井 翔 / 山下 健太が開幕戦からスタートダッシュを決め見事優勝をもぎ取った。

レース前日のフリー走行、予選は満開の桜が咲き誇る中、ドライコンディションで行われたが、決勝日は打って変わって朝から雨模様。予報ではレース開始頃から雨は上がる予報だったが、スタート時間は迫りつつも雨は多少弱まって来たものの止む気配はなくセーフティーカーが4周先導をした後スタートが切られた。

GT500クラスのスタートシーン。この直後、多重クラッシュが発生する。

この岡山国際サーキットは、雨が降ると水捌けの問題なのか、ウエットタイヤを履いていてもハイドロプレーニングが起きやすく、過去にもウェットレースで大きなクラッシュが過去にも多発している。筆者も当日、1コーナーのスタートシーンを捉えるべくカメラを構えながらも、大きなクラッシュが起こらなければいいなと思いながらもスタートシーンを狙っていた。

その直後だった。大きな音が2コーナー方向から何度も聞こえた。それは6位スタートだったNo.38 KeePer CERUMO GR Supraが1コーナーの立ち上がりでスピンし、後続のNo.23 MOTUL AUTECH Zは見事な危険回避をし接触は免れたもの、別のラインでやって来たNo.16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16と、No.12 TRS IMPUL with SDG Zが次々に接触しマシンがクラッシュし大破してしまい即セーフティーカーが導入され、レースは一時中断となった。

いきなり予感は当たってしまった。幸いにも各ドライバー達に怪我はなかったものの久しぶりの大きなクラッシュに手が震えた。その頃から雨も昇降状態となり、飛び散ったパーツやクラッシュしたマシン、安全を確保するために設置してあるクラッシュバリアの復旧をした後、セーフティカーの先導で再開し、レースは11周目から再スタートとなった。

GT500 堅実な走りで見事2位入賞を果たしたNo.14ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也 / 福住 仁嶺

狙っていたに違いない。その周の2位スタートであったNo.1 au TOM’S GR Supra 坪井が、ダブルヘアピンでNo.14 ENEOS X PRIME GR Supraをすかさず交わしトップに浮上。

その後、14周目の1コーナーで、今度はNo.3 Niterra MOTUL Zがスピンしてコースアウト。グラベルに捕まってしまったために3度目のセーフティカーが導入された。これは19周目で解除され再度スタートが切られる事に。

荒れたコンディションの中1コーナーでスピンアウトしてしまったNo.3 Niterra MOTUL Z

トップを快走するNo.1の後方では、14位スタートだったNo.37 Deloitte TOM’S GR Supraがオーバーテイクにより着実に順位を上げ、なんと3番手まで浮上して来た。

そして各車33周目から続々とピットへ入り始めこの時点の路面は未だウェットタイヤで走行せざるを得ない状況だったが、その後次第に天候が回復、路面も乾いていたが、2番手のNo.14は51周目、そしてトップを快走してたNo.1は52周目に給油とドライバー交代を行うが、タイヤはいずれもウェットからウェットに交換してピットを離れた。

そして55周目、No.100が2度目のピットイン。ここでドライタイヤに交換してコースに復帰すると、60周目にウェット時の最速ラップを更新するとトップ2台もこれを見てタイヤ交換を決断、No.14は62周目、No.1も64周目にピットに飛び込んだ。

GT500 最後尾スタートからも攻めの走りで3位入賞を果たしたNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra関口雄飛 / サッシャ・フェネストラズ

その後66周目、No.19 WedsSport ADVAN GR Supraがコースオフしグラベルにストップしてしまった為、4度目のSCが導入された。これによって1号車の山下はNo.14との10秒以上のリードがリセットされる事に。

最後尾スタートながら攻めの走りで3位入賞を果たしガッツポーズを決めるNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraのサッシャ・フェネストラズ

その後再スタートが切られるがNo.1の山下は、レースが再開すると再び2番手以下を突き放しにかかる。そして2番手にはNo.14を抜いたNo.37が浮上し2位で82週を終えフィニッシュしたが、No.64 Modulo CIVIC TYPE R-GTとの接触で、10秒加算のタイムペナルティとなり、ゴール後の結果では6位に降格となった。さらに、残り数周のバトルで7番手だったNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR SupraがNo.37のタイムペナルティにより3位となり、結果的にTOYOTA GR Supra GT500勢が1-2-3フィニッシュを果たす結果となった。

GT500 開幕戦で優勝を果たしガッチリと握手を交わすNo.1 au TOM’S GR Supra 坪井 翔 / 山下 健太
GT500 表彰台

GT300はポールポジションスタートを切ったNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMGが、2位スタートであったNo.777 D’station Vantage GT3にGT500クラスの多重クラッシュの際に抜かれてしまう。

GT300クラスのスタートシーン

再スタートが切られると、No.777が2位以下とのリードを広げる。また、2番手のNo.4の背後からは3番手スタートだったNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTが接近しテールトゥノーズのバトルとなった。14周目にGT500車両のコースアウトにより、またもSCが導入。

リスタート後、トップNo.777とNo.4が大バトルをしていたが、何と21周目のパイパーコーナーで2台は接触し、No.777がコースアウトしてストップしてしまった。トップに立ったNo.4もドライブスルーペナルティを課せられトップ争いから脱落する事に。

GT300 3位スタートから序盤上位争いをしてたが、終盤で他車に追突され13位となってしまったNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人 / 山内 英輝

トップに立ったのは4番手スタートだっのNo.65 LEON PYRAMID AMGだ。No.61は徐々にトップから離され始め、予選12位から好ペースで迫ってきたNo.18 UPGARAGE AMG GT3とNo.65は43周でピットイン。ドライバーは交代するが、タイヤはまだドライタイヤには交換せずウェットタイヤ交換をしピットアウト。そしてペナルティでポジションを落としていたNo.4がスリックタイヤへの交換を皮切りに各GT300勢は続々とスリックへ交換する。

ウエットタイヤで走り続けたNo.65はスリックタイヤに替えるため、再度ピットイン。この間にNo.18がトップへと浮上する。そこで2番手となったNo.65の後方ではNo.26 ANEST IWATA RC F GT3が何と21番手スタートから3番手に浮上する。

GT300 21位スタートからの猛追で2位入賞を果たしたNo.26 ANEST IWATA RC F GT3 イゴール オオムラ フラガ / 安田 裕信

その後、GT500車両のコースアウトによるSCラン明けの70周目、2番手を走るNo.65がペースを上げ、No.18に急接近。しかし、71周目のアトウッドカーブで2台が接触し、No.18はコースアウトとなる。そしてトップに返り咲いたNo.65だが、この接触で5秒のタイムペナルティが課されてしまったがハイペースを維持して、2位を走るNo.26とのタイム差を広げに掛かる。その作戦は見事成功を果たし、9秒のリードを保つ事に成功しそのままフィニッシュした。

GT300 難しいコンディションの中、見事優勝を果たしたNo.65 LEON PYRAMID AMG 蒲生 尚弥 / 菅波 冬悟

優勝はNo.65 LEON PYRAMID AMG、2位は見事な追い上げでNo.26 ANEST IWATA RC F GT3。3位はリスタート後、猛烈な走りを見せたNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rとなった。

GT300 表彰台

今回のレースも何処で何が起きて、どうなってこの順位なのかモニターを凝視していないと分からないほどめくるめく順位が入れ替わった。最初から最後まであちこちで大バトルが勃発し、全てが予想も出来ない興奮するレースであった。

レースアンバサダーがサーキットに花を添える

次戦のSUPER GT第2戦は静岡県の冨士スピードウェイにてGWの真っ只中の5/2-3に開催される。次戦も随所で白熱したバトルが見られるはず。

SUPER GTオフィシャルステージでは、レースアンバサダーが一堂に集まる「チームスポンサーステージ」が開催される

誰もが予想できない激しいバトルが繰り広げられるSUPER GT。是非とも生でこの素晴らしいレースを観に来て欲しい。

Photo/text:Hisao.sakakibara

【筆者の紹介】
Hisao sakakibara
モータスポーツフォトグラファー。レーシングカー好きが高じて、サーキット通いに明け暮れる。モータスポーツの撮影取材を始めて25年のベテランフォトグラファー。