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【スクープ写真】次期型メルセデスAMG C 63 全情報

2020年11月7日

メルセデスAMG C 63(2021): プラグインハイブリッド、V8、4気筒

メルセデスAMG C 63は、次世代モデルで多くのことが変わる。次世代型AMG C 63は、おそらく4気筒で駆動し、V8はおそらく過去のものとなるだろう。そして、さらに多くのことが変わっていく。全情報。

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新型メルセデスCクラスのデビューが目前に迫っている。
2021年には新世代Cクラス「W206」が発表されそうだが、AMG派生モデルの登場もそう遠くはなさそうだ。
残念ながら、「M177」ツインターボV8が次期モデルに搭載されることはほぼないだろうと予想される。
「W206」Cクラスは、おそらく48ボルトの電動システムを搭載した4気筒エンジン専用に設計されるだろうが、これはもちろんAMGモデルにも影響を与える。
V8に代わり、次期型63シリーズに必要なパワーを与えるために、Eターボや電動化が主流になると思われる。
また、駆動システムやモデルのバリエーションにもいくつかの変更が加えられるだろう。
標準モデルのCクラスのワールドプレミアは2021年に予定されている。
AMGの派生モデルは2021年末までに発表される可能性は低く、おそらく2022年初頭にワールドプレミアされると思われる。
価格面では、510馬力の現行AMG C 63 Sサルーンは、税込みで84,854ユーロ(約1,060万円)からだが、後継AMG Sモデルの価格は9万ユーロ(約1,125万円)弱、Sを搭載しないAMGのベースモデルはそれよりも9,000ユーロ(約112万円)前後安い価格設定になると想定される。

A 45からのエンジンを搭載

AMGが今後、ほぼ全面的に電動化に力を入れていくという事実は、少し前にトビアス・ムアース前CEO(現アストンマーティンCEO)が明らかにしていた
C 63もその方針に従って次のステップを踏んでいると思われる。
唯一不明なのは、どのエンジンが燃焼の役割を担うのかということだ。
次期型Cクラスでは6気筒と8気筒エンジンは廃止される可能性が高いので、A 45 Sからの「M139」ターボ4気筒が論理的な選択となる。
421馬力を発揮する現行のA 45 Sのパワーユニットは、C 63では横方向ではなく縦方向に搭載される。
併せてより大きなターボチャージャーを搭載すれば、C 63のエンジンは450馬力以上を発揮し、電動モーターを搭載すればSモデルのシステム出力を520馬力程度にまで高めることができるだろう。
次期モデルは、現行のC 63 Sを10馬力上回り、700Nmというトルクも上回る可能性がある。
Sを搭載しない標準モデルの63は、500馬力弱を発揮する可能性がある。
48ボルト車の電動システムのおかげで、E-ターボは、排気ガスのターボチャージャーのレスポンスの悪さを補うことができる。

A 45 S(写真)からの4気筒は、ターボをさらに大きくしてブースト圧を上げれば、450馬力程度は可能と思われる。 ©Lena Willgalis / AUTO BILD

ダイムラー首脳陣によれば、電動的なサポートは、より優れた性能を発揮するためのものだという。
しかし、実際には、これらの性能値を達成するためには、100kW(136馬力)以上の電動モーターとそれに対応するバッテリーを使用することになる。
以上のようなことを考えあわせれば、次期C 63はプラグインハイブリッドとして登場すると考えるのが現実的だろう。
想定される電気のみでの航続距離は約50kmだ。
電動モーターがリアアクスルを駆動するか、はたまたフロントアクスルを駆動するかどうかも憶測の域を出ない。
4気筒と電動モーターを搭載したC 63のメリットは?
電動モーターがリアアクスルを駆動する場合、フロントアクスルの重量が減る。
これは駆動システムの精度アップにつながるというメリットがある。
その代償として、残念ながら、特徴的な8気筒サウンドは当然ながらなくなってしまうことになる。

すべてのCクラスAMGに全輪駆動を採用

ダイムラーはまた、AMGのCクラスにはすべて全輪駆動システムが装着されることを明らかにしている。
現行CクラスAMGモデルで、全輪駆動システムを搭載しているのはC 43 4MATICのみだ。
またリアアクスルのみを駆動する「ドリフトモード」も用意されるだろう。

GT 63 SのようなAMGは、(非アクティブ化された)4MATICでもドリフトが可能であることを証明している。 ©Ronald Sassen / CAR PICTURE

C 43ではなくC 45?

次期型のC 63は、これまでと同様に「エステート」と呼ばれるセダン、クーペ、ステーションワゴンとして提供されると予想される。
しかし、そのネーミングには変更があるかもしれない。
電動システムのサポートを受けるため、63モデルが、C 63eとC 63e Sとして登場することも考えられる。
加えて、A 45の4気筒を引き継ぐことになるので、現在のC 43はC 45と改名される可能性がある。

見た目には、C 63は自身のアイデンティティに忠実なままだ

先日、メルセデスファンが次期型C 63の4ドアと思われるカモフラージュされた「W206」Cクラスのプロトタイプを見つけ、スクープ写真を撮影した。
幅広のフェンダー、パナメリカーナグリル、4本の四角いテールパイプがそれを示している。
それ以上のことはまだ見えてこない。
見えているのは、典型的なAMGスタイルの貪欲なフロントエプロン、リアリッドのティアオフエッジ、リアディフューザーだ。
通常のCクラスと同様、ヘッドライトの幅は狭くなっている。
テーピングされたボンネットからは、2つのパワードームが突き出ているようだ。

カモフラージュテープでしっかりと覆われていて、標準的な装いはあまり想像することができないが、テールパイプによって63であることが露呈している。 ©Automedia

インテリアでは、次期型Cクラスはおそらく、ほぼすべての車両機能をコントロールする新しいSクラスの大型のセンタースクリーンを取得すると思われる。
湾曲したデジタルコックピットも取得する可能性が高いが、その場合には兄貴分のSクラスのものより一回り小さいものとなるだろう。
加えて、EとSクラスの2本のダブルバーを備えた新しいステアリングホイールも、おそらくAMG Cクラスに採用されるだろう。

新型Sクラスの大型のセンタータッチスクリーン(写真)は、同様のかたちで新型Cクラスにも搭載されるはずだ。 ©Daimler AG

ユーズドカーは約36,000ユーロ(約450万円)から
前述のとおり、CクラスからはV8モデルがなくなる。
したがって、今後、V8を搭載したCクラスが欲しい人は、中古車市場を見て回る必要がある。
W205世代のAMG C 63の中古車は、セダンとして36,000ユーロ(約450万円)前後からスタートし、Sモデルであれば、10,000ユーロ前後高い、46,000ユーロ(約575万円)くらいから市場に出回っている。
決して煽るわけではないが、人気の高いAMG CクラスV8は、将来的には希少性が高まって、価格も高騰する恐れもある。

まだメルセデスベンツ新型Cクラスも発表になっていないのに、C 63のニュースだが、最近はAMGのモデルは新型メルセデスベンツの開発と同時進行なので、今回のようにリークされても何ら不思議ではない。
今回のニュースを信じるのであれば、残念なことに次期型のC 63は4気筒モデルになってしまうようで、今までのモデルの推移を見続けているものにとっては、いくら4気筒ターボにハイブリッドシステムが加わり過不足のない性能を堅持すると言われても、迫力にかけることは否めない。
とはいってももう8気筒だ、なんだと言っている時代ではない、ということも事実だし、こういう高性能モデルが残っただけでも十分と思わなくてはいけないのだろう。
とりあえずは、来年と噂されるメルセデスベンツの新型Cクラスのデビューとその完成度が大切で、そこが十分良ければAMGモデルにも大いに期待できると思う。

Text: Andreas Huber, Moritz Doka
加筆:大林晃平
Photo: Automedia