第3世代メルセデスCLA登場!ベストセラーモデルのラインナップには初のBEVモデルも その航続距離750km以上!全情報!
2025年4月14日

750km以上の航続距離。新型メルセデスCLAにはBEVもある。技術的な観点では、新型CLAは2022年に発表されたスタディモデル「ビジョンEQXX」がベースとなっている。
CLAに初めてBEVモデルが誕生
メルセデスがIAA(ミュンヘン国際モーターショー)で発表した素晴らしいBEVコンセプトは、いつか「CLA」の後継車となるはずだった。そして、その目標は野心的なものだった。800ボルトのテクノロジー、12kWhの消費電力、航続距離750km以上。これらの数値を考慮すると、それは夢物語だと考える人もいたが、今では明らかだ。メルセデスは約束を守った。
価格:ベース価格は6万ユーロ(約960万円)前後になる見込み
メルセデスは「CLA」のエントリーモデルの価格を発表していないが、「Aクラス」のクーペバージョンは現在、ディーラーで40,256ユーロ(約644万円)から販売されている。しかし、BEVの「CLA」は、技術革新により、かなり高価になるだろう。我々は、「CLA 250+」のEQ技術搭載モデルが6万ユーロ(約960万円)前後になると推測している。これは従来の価格に対してかなりの割増料金となる。

マイルドハイブリッド駆動モデルは、その年の後半に発売される予定だ。これは、より手頃なベース価格で提供される可能性が高い。ただし、メルセデスはまだ正確な数値を公表していない。
デザイン:CLAはスター(スリーポインテッドスター)に包まれている
もちろん、デザインはコンセプトモデルをそのままシリーズに転用することはできず、滑らかに描かれたシルエットや巨大なホイールリムは変更されている。そして、外観に欠けているものがあるとすれば、それはスターだろう。「CLA」は、コンセプトモデルから得られたメインヘッドライト間の星形グラフィックを採用しているが、マルチビームLEDライトと組み合わせた場合にのみ点灯する。ベースモデルでは、これらの要素はクロム製になる。
ラジエーターグリルにもLEDの装飾が施されている。メルセデスでは初めて、縁だけでなく広い範囲にわたってLEDが使用されている。装飾用照明は、合計142個の小さなLEDの星で構成されており、中央の大きなスリーポインテッドスターで完結している。この大きなスリーポインテッドスターも縁が光るようになっている。

リヤにも星が輝いている。連続したライトストリップの代わりに、リヤライトは40個の小型LEDブロックでつながっている。
新型CLAはあらゆる面で成長した
ヘッドライトからフェンダー、サイドラインへと流れる印象的なラインのデザインがエレガンスを強調し、クーペスタイルへと続く。全長が4.72m強しかない「CLA」が3cm以上も伸び、ホイールベースが61mmも長くなったとは信じがたいことだ。

荷室のスペースも増えていると思われるかもしれないが、405リットルという容量は、以前より40リットル少ない容量だ。その代わり、「CLA」はルネッサンスを祝っている。90年以上の時を経て、ベンツに再びフランクが装備されたのだ。「メルセデス130(W23型)」に、1930年代の最後に装備されて以来のことだ。新型「CLA」では、フロントのボンネットの下にも101リットルの収納スペースが設けられている。その結果、合計506リットルと、以前よりも積載量が増えている。
サイズ一覧:
・全長: 4,723mm(先代モデル比+35mm)
・全幅: 1,855mm(先代モデル比+25mm)
・全高: 1,468mm(先代モデル比+29 mm)
・ホイールベース: 2,790 mm(先代モデル比+61mm)
・トランク容量: リヤ405リットル + フロント101リットル、合計506リットル
駆動方式:800ボルト技術を初めて採用
新型「CLA」にはマイルドハイブリッドガソリンモデルも用意されているが、注目はBEVの方だ。この点においてメルセデスは意欲的で、「MMA」プラットフォームでは800ボルト技術と最大320キロワットの充電容量を備えた初のモデルを提供している。10分間で約300kmの走行距離を充電できる容量だ。しかし、メルセデスが800ボルト技術を導入するのは比較的遅いという事実もある。他のメーカーは、ずっと以前からこの技術を採用しているからだ。
新型「CLA」は最大200kWの回生が可能で、ブレーキ時にエネルギーをバッテリーに送り返すことができる。最適化された空力特性と、100kmあたり12.2kWhの目標消費量を実現する効率的な電動モーターにより、少なくとも85kWhの大容量バッテリーでは、792kmという驚異的な航続距離を確保できるはずだ。
2種類の電気駆動モデルが用意されている
後輪駆動のモデルは、「CLA 250+ with EQ technology」という少々冗長的な名称で、リヤアクスルに搭載された電動モーターは200kW(272馬力)のパワーを発揮する。このパワーがあれば、0-100km/h加速を6.7秒で達成し、最高速度は210km/hに達する。
全輪駆動の「CLA 350 4MATIC」の航続距離は若干短くなるものの(最大771km)、出力はさらに高くなる。フロントアクスルに追加のモーターが搭載され、総出力は260kW(354馬力)となる。ガソリンエンジンモデルについては、マイルドハイブリッド技術を搭載した4気筒エンジンであること以外、技術的な詳細はまだ明らかになっていない。
装備:CLAの新型MBUXスーパースクリーン
「CLA」のフラットなルーフラインは、確かにスペースの奇跡を生み出すものではないものの、車内では乗客はより広い空間を楽しむことができる。標準装備のパノラマルーフのおかげで、頭上には十分な空間がある。

シートは非常に快適で、特にオプションのスポーツシートは素晴らしい。素材の選択に関しては、メルセデスは持続可能性を重視しており、リサイクル素材が大部分に使用されている。この価格帯の車としては、内装の下部領域に安っぽい硬質プラスチックが多用されているのが残念である。
OTAアップデートによりシステムを最新の状態に維持
しかし、「CLA」の大きなハイライトはコックピットにある。それは、大型の第4世代、つまり最新のMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエキスペリエンス)スーパースクリーンだ。スーパースクリーンを注文した場合、車内には合計3つのスクリーンが搭載される。メーター類を表示する10.25インチディスプレイに加えて、14インチのディスプレイが2つ使用される。これらは、AIによる音声制御が可能な最新OS「MB.OS」によって制御されている。
さらに、特別に開発されたナビゲーションシステムはGoogleのデータを使用しているため、常に最新の状態に保たれている。これはインフォテインメントシステム全体にも当てはまり、OTA(Over-the-Air)アップデートによって常に最新の状態に保たれている。
テスト:カモフラージュされたプロトタイプのファーストドライブ
メルセデスが「MMA」ファミリーに計画していることは、遅くとも2022年の「ビジョンEQXX」のスタディモデル以来知られていた。そして「ビジョンCLA」で、彼らは2023年のIAAで再びその約束を裏付けた。コンセプトカーがいよいよプロトタイプへと実が結び、メルセデスは、そのプロトタイプの試乗会に私たちを招待したくれた。

風洞実験室での微調整のおかげで、全長約4.75mのクーペスタイルのセダンは、電気自動車のセダンの中でも「1リッターカー」のような存在となり、車内コンピューターには航続距離750km以上と表示される。しかも、85kWhという平均以上の容量のバッテリーを搭載しているにもかかわらずだ。
それに、「CLA」がクリーンなデザインで、フロントとリヤがクリスマスツリーのようにライトアップされ、全体にスターがきらめくことは想像に難くない。

後輪駆動、272馬力
「CLA」プロトタイプは、驚くほど俊敏で操縦性に優れ、さらに南東へ200kmほど走った先にあるような運転の楽しさを少し感じさせてくれる。まず、メルセデス・ベンツの最小モデルでも、今ではフロントホイールドライブとはお別れだ。次に、「CLA」は、重量が2トン強と、BEVとしては比較的軽量だ。そして3つ目に、BEVファミリーのエントリーモデルでも、272馬力を実現している。
この車の横に並ぶ四輪駆動モデルは、フロントに109馬力のエンジンを搭載しており、システム出力は354馬力とされているが、380馬力以上を発生させることも可能だそうだ。もちろんデジタルでカラフルなスピードメーターが240kmまでしか表示されないのには理由がある。
しかし、メルセデスが目指しているのは、追い越し車線を高速で走ることだけではない。たとえ「E世代」の自称「1リッターカー」が充電スタンドに立ち寄ることはほとんどないとしても、メルセデスは充電スタンドでもトップの座を狙っている。「CLA」が停車するのは、ほんの短い間だけだ。なぜなら、800ボルトに接続されると、300kW以上の電流で充電され、15分間で400km分の電気を吸収し、乗客がカプチーノを注文し、飲み、支払いを済ませるよりも速く出発するからだ。
「CLA」の効率性と持続力はリアルに実感することができる。クーペは風を切り裂くように静かに走り、ほとんど抵抗を感じさせない。最大回生時にはセラミックブレーキを搭載したAMGのように減速し、電動モーターは地平線まで走り続けることができる。しかし、プロトタイプのコックピットに敷かれた大型カモフラージュマットの下には、まだいくつかの革新的な機能が隠されている。
メルセデスオペレーティングシステム
「CLA」は、新しい電気自動車時代の幕開けを告げるだけでなく、デジタル革命の次のステップでもある。なぜなら、「CLA」はより簡単にアップデートやアップグレードが可能であるため、年を経るごとに古くなるのではなく、より良くなっていくからだ。開発者たちは、最初のフェイスリフトを待たずに、新しい機能やアプリケーションのコードをすでに熱心に書き始めている。

何よりも、彼らはファミリーの拡充を推し進めている。価格を抑えるために58kWhのバッテリーをもう1つ用意しているだけでなく、まだ迷っている人向けに、136~190馬力の出力を持つマイルドハイブリッド仕様の1.5リッターガソリンエンジンを搭載した内燃エンジンのファミリーも用意している。
そして、メルセデス初のBEV版ステーションワゴン「CLAシューティングブレーク」が今後24ヶ月以内に発売され、その後「GLA」と「GLB」の後継車が続く。
シリーズディレクターのアクセル ハイクス率いる開発チームは、メルセデスが多くの約束を守り、再び先を行く新参者と肩を並べていることをすでにプロトタイプで証明している。あとは価格さえ適切であれば、ついに「エレクトリックアベニュー」にスターが輝くことになるだろう。メルセデスは価格についてまだ曖昧な態度を崩していないが、価格も航続距離や燃費と同様に注目を集めるはずである。
結論:
メルセデスは「CLA」コンセプトで大きな野望を示しており、このシリーズはいくつかの点でそれを上回るはずである。それでも新型「CLA」がメルセデスの電気自動車攻勢に革命をもたらすかどうかは、まだわからない。
フォトギャラリー:新型メルセデスCLA(2025)









Text: Thomas Geiger and Sebastian Friemel
Photo: Mercedes-Benz AG