【比較テスト】コンパクカー対決 BMW対アウディ対VW対メルセデス 勝者は?

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VW Golf 8, Audi A3, BMW 1 Series, Mercedes A-Class: Compact in test

ゴルフ8には、1シリーズ、A3、Aクラスでさえ苦戦している。
ガソリンエンジンと自動変速機を備えた4台の優れたコンパクトカーの比較: BMW 1シリーズ、アウディA3、VWゴルフ、メルセデスAクラス。この4台を比較してみた!

コンパクトカー。
それは以前には何となく、「パンとバター」のようなものだった。
あまり高価ではなく、あまりパワフルでもない、そして過度に興奮もしない。
すべてのユーザーのための非常に堅実な乗り物。
しかし、今日では、少なくともアウディA3、BMW 1シリーズ、メルセデスAクラス、VWゴルフというパンの上には、トッピングとして、バター以上のものがいろいろと載っている。
例えばそれは、パフォーマンス、豪華さ、ディテールにこだわった装備、電子デバイス、などなどだ。

150馬力のゴルフ1.5のeTSIでは、例えば、VWはフードの下に48ボルトの「オルタネーター」を備えていて、加速時に効率よく燃焼させるための電力を供給するのに十分な役割を果たす。
eTSIとして、ゴルフは、高価だが、その7速DSG、バーチャルコックピットなどがきちんと装備され、アップグレードされている。
その新しい兄弟車であるアウディA3も、同様のものを装備していることは言うまでもない。
アウディでは、これはスポーツバック35 TFSI Sトロニックと呼ばれ、7つのギアとデュアルクラッチトランスミッションを含み、ゴルフと全く同じ原理で機能する。
メルセデスのA 200は、そのスリムな1.3リッターから163馬力を発揮する。
4本のシリンダーすべてが常に稼働している必要はなく、巧妙な技術のおかげで、4本中2本のシリンダーは状況に応じて休止させることができるようになっている。
これは言うまでもなく燃料を節約するのに役立つ。

BMWは小型3気筒エンジンだが、その3本のシリンダーで優れたパフォーマンスを発揮する。
1.5リッター3気筒ターボガソリンエンジンを搭載した118iは、典型的なダウンサイジングの原則に従って、燃費の面で効果的に機能している。

各モデルの詳細と結果:

素晴らしいクルマだ。ステアリングは非常によく反応し、エンジン(163馬力、250 Nmの)は強烈なパワーを備えており、ロングトゥーリングに適しており、最高速度域でも高らかに叫びあげる。
シャシーは、クリーンなスポーティさと細かいフィルタリングを同時に行うことができる。

ショックアブソーバーが上手く機能しないのか乗り心地は良くない。一方で回避行動、ブレーキ、運転性能は非の打ちどころがない!
価格と維持費は高い。我々のテストカーは堂々の45,043ユーロ(約563万円)だ。 そのせいで、今回の強豪ぞろいのカルテット中4位に終わった。

第4位 800満点中539点: メルセデス A 200
速く、強靭で、安全。しかし高い。

3気筒というディスアドバンテージがありながら、1シリーズの1.5リッターエンジンは競合他車に引けを取らないパワーを発揮し、仕事をこなす。140馬力と220Nmをフルに活用してよりパワフルなアウディよりも速い。
残念なのは、シャシーが若干バタつくことだ。ステアリングはリセット時に張力が不足しており、路面が荒れていると1シリーズは直線走行が乱れる。BMWは、道路上で落ち着きがなく、不正確に跳ね回る。
フロントシートは基本的には完璧だが(丈夫で安定した張り地)、すべての寸法が小さい。それでも高級感を備えている。特にiDriveロータリーノブコントロールシステムは素晴らしい。テスト車に備わったすべてのエクストラを含めると、BMWの価格は36,652ユーロ(約458万円)となる。

第3位 800満点中542点: BMW 118i
活き活きとしたマシン、優れたブレーキ、シンプルな操作コンセプト。

アウディA3は、他の点では非常によく似たゴルフと、一線を画す2つの点がある。すべてがより洗練されていて高価に見える。そしてそれはまた、すべてをもう少し機敏にする。ステアリング操作により細かく反応し、カーブをよりきれいに曲がり、修正もより速く行われる。
しかし、ブレーキ性能で劣る。ブレーキテストでは、100km/h時から完全停止までの
距離が、VWのほうが1メートル短かった。
アウディの1.5リッター(150馬力、250 Nm)は、全ての回転域で気持ちよく、静かに稼働し、燃費も優れている。誇らしげに224km/hのトップスピードまで駆け上がる。
フォルクスワーゲン ゴルフと同じプラットフォームにもかかわらず、リアには利用可能なスペースが少なく、トランク容量は最小限に抑えられている。
アシスタントシステム満載。追加料金で、交差点アシスタントも入手可能。VWのそれより良くて、より多くの固定ボタンとセンターコンソール内のラジオコントロール。この構成で36,399ユーロ(約454万円)

第2位 800満点中560点: アウディA3スポーツバック 35 TFSI
非常に生き生きとしたゴルフのカウンターパート。値段は高めだが、より洗練されている。

決して新しいアイデアではない。ゴルフ8はある意味普遍的なモデルだ。
意外にも、1.5 eTSIは快適でカジュアルな一方で、スピード感があり、レーストラック向きでもある。
そのエンジン(150馬力、250Nm)は、パワフルでありながら、控えめで経済的だ。今回のテスト中のリッターあたり14.9kmという平均燃費で、比較テスト車中もっともガソリン消費が少なかった。
複数の調整可能なショックアブソーバー(追加料金)により、メルセデスよりもさらにスムーズなサスペンションの快適さが体感できるようになる。ブレーキ性能、回避試験時の走行安定性、悪路での精度に優れている。
軽量化のおかげで、加速でよりパワフルなメルセデスにも、ピッタリと従うことができる。つまり、パーフェクトな走りだ。
VWゴルフ8のほぼすべてのものは、高い位置に配置されたタッチスクリーンを介して制御する必要がある。
テストカーの価格は34,941ユーロ(約436万円)で、ゴルフはこのカルテットの中で最も安いコンパクトセダンだ。

栄えある1位 800満点中566点: VWゴルフ 8 1.5 eTSI
4台中最高のモデルで、走りも最高。

結論:
VWゴルフ8とアウディA3は同じ技術的基盤を共有している。
したがって、2台は特性が似ているが、最終的にはVWが僅差で1位を獲得した。
BMWはより小さなエンジンでスタートして、そのことを感じさせないパフォーマンスを見せる。
メルセデスは優れているが、とても高価で、それが今回の比較テストでは敗因となった。

結局どの車もVWゴルフ8にはかなわなかったのか……ちょっと拍子抜けした感じもするが、やっぱりなぁ、とも思った。
なぜならば、ゴルフは、フォルクスワーゲンを支える車種だから、力の入れ方が違う、というのが原因ではないかと考える。

メルセデスならばCとかEとかS、BMWならば3とか5とか7、アウディは……ちょっと断言できないがA4か、A6か、A8のクアトロだろうか、とにかく各メーカーで最も力を入れて開発している車種というのは、そういうところなのではないか、と思う。
もっとも現在は各社ともSUVに力を入れたりしている可能性もあるが、それだってベース車種が問題なところもあるし、とにかくどのメーカーも直球勝負している車種は、そんなところなのではないだろうか。

そういう意味ではフォルクスワーゲンにとっての全力投球は、パサートでもなければ、ポロでもない。とにかくフォルクスワーゲンにとっての勝負球はゴルフ。ゴルフあってのパサートだしポロ、というのが今回の勝負を決めた大きなファクターなのではないかと推測する。
あとは価格とブランドイメージとのバランスだろうが、まだまだそういう意味でもVWゴルフは横綱的存在と言ってよいと思う。

Text: Jan Horn, Mirko Menke
加筆:大林晃平
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD