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【1000kgものダウンフォース】ポルシェのパートナー マンタイレーシングがポルシェ911 GT3 RSにモータースポーツの最高技術を投入!

2025年4月17日

ポルシェ911 GT3 RSマンタイキット(Porsche 911 GT3 RS Manthey kit):2度磨き上げられた。これほどまでに話題となった車は稀である。強力なダウンフォースとセミアクティブサスペンションを搭載した911 GT3 RS。しかし、まだ公式のノルドシュライフェでのタイムは出ていない。

ポルシェが現行の「911(992.2)」の最もスポーティなバージョンである「911 GT3」を発表したのは、ほんの数週間前のことだった。そして今、ポルシェモータースポーツのパートナーであるマンタイレーシングが、「992.1」をベースとする「911」の最もホットな「GT3 RS」に、モータースポーツの最高技術を投入した。

ポルシェが過半数株主であるレーシングおよびチューニングの専門メーカー、「マンタイ(Manthey)」は、ほぼ限界に達していると考えられているサーキット上での走行性能をさらに向上させる方法を再び示している。しかし、これまでのところノルトシュライフェ(ニュルブルクリンク北コース)の悪天候により、マンタイキットを搭載した「GT3 RS」は、その性能を試すことができないため、ラップタイムはまだ出ていない。

だが、内部情報によれば、マンタイとポルシェは6分40秒未満のタイムを期待しているようだ。ちなみに、ポルシェのテストドライバーであり、ブランドアンバサダーでもある、イェルク ベルクマイスターは、マンタイキットなしの「GT3 RS」で2022年に「ループ(ノルトシュライフェ)」を6分49秒33で周回した。

ホイールアーチエクステンションとフラップでダウンフォースを増大させ、レーシングブレーキパッドでコントロール性を向上させる。

「当社のデータでは、標準のGT3 RSと比較してラップタイムが大幅に改善することを約束します」と、マンタイ レーシング社のマネージングディレクターであるニコラス レーダーは説明する。この目標を達成するために、マンタイは秘蔵のテクニックを駆使し、極めて緻密な調整と洗練された改良を加え、すでに超スポーティな方向に大きく傾斜している市販の「GT3 RS」を徹底的に改造し、ありとあらゆるテクニックを駆使して最適化した。

広範囲にわたる空力特性の改良に加え、マンタイキットには、スプリングレートを適合させたセミアクティブコイルオーバーサスペンションが含まれている。フロントは15%、リヤは30%高くなっている。セミアクティブ?4つのホイールと3つのボディ加速度センサーが、新開発の制御ユニットと連動し、自動的に非常に高速で、さらに精密なダンパー調整を行う。ドライビングモード(「ノーマル」、「スポーツ」、「トラック」)に応じて、ダンパー特性を変更するパラメーターセットが用意されている。

セラミックブレーキシステム搭載車には、レーシングブレーキパッドが用意されている。これはサーキット走行用に特別に開発されたもので、フェード、レスポンス、コントロール性、摩耗を改善する。

新しい翼断面形状のフロントリップは拡大され、ストラットで固定されている。

ホイールアーチガーニーやフラップの再設計など、新しい空力パーツにより、フロントアクスルのダウンフォースが増加した。世界スポーツカー選手権の優勝車である「963」は、強力なCFRP製シャークフィンのインスピレーションの源となった。これは、リヤウィンドウに代わるカバー上に設置され、他の6つのルーフフィンや分割式DRSウィングブレードとともに、コーナリング時の安定性を高めるとともに、後部の空気の流れを冷却する。リヤホイール用のエアロディスクや、より幅広で長いCFRPフィンを備えたリヤディフューザーも、ドラッグを増やすことなくダウンフォースを増大させる。

すべての空力コンポーネントを合わせると、285km/hで1,000kgものダウンフォースを発生させる。これまで、「マクラーレン セナ」がこの分野の王者であり、250km/hで800kg のダウンフォースを発生していた。イェルク ベルクマイスターは、すでにこのモンスターカーを数周試乗している。「この車は、ロールやピッチングがさらに少なく、そのため、はるかに安定した空力プラットフォームを提供しています。高いダウンフォース圧は、あらゆる運転条件下で一定に保たれています」。

リヤの空力パーツを組み合わせると、時速285km時に1,000kgものダウンフォースを生み出す。

マンタイキットの価格はいくらか?91,524ユーロ(約1,465万円)+取り付け費用が加算される。正直かなり高額だ。しかし、「GTS RS」の顧客は気にしないだろう。ベース車両にすでに少なくとも25万ユーロ(約4,000万円)を費やしているのだから(笑)。まだ足りない情報はあるだろうか?そう、ニュルでのラップタイムだ。次回のレポートをお楽しみに!

結論:
さほど小さくない、非常に効果的な最適化により、マンタイは公道でもサーキットでも1,000kgのダウンフォースを発揮するモンスターを作り出した。ニュルブルクリンク北コースのラップタイムは6分30秒台のようだ。

Text: Ralf Kund
Photo: Porsche AG