キャディラックのイーヴィー「LYRIQ(リリック)」が日本上陸
2025年3月10日

昨年の夏、サンフランシスコ近くで見かけたリリックは、ちょっとSUVのようでありながらどことなくワゴンのようでもあり、不思議な未来的風貌をしていた。
昔からキャディラックは大好きだったし、大変興味深くしげしげとリリックを見たことを思い出す。いよいよ日本でも「キャディラック リリック」が正式導入され販売されると聞き、発表会に出かけた。

キャディラックから発売されるBEVが「リリック」という名前を持つということを数年前に聞いた時、僕はとても嬉しかった。昨今キャディラックのネーミングは他のメーカーでも流行のアルファベットに数字を組み合わせたようなもの(例えばXTC-6などなど)が多く、せっかく昔はエルドラドとかコンコースなど素敵な名前が多かったのに残念だなぁ、と思っていたところにリリックというネーミングを耳にし、リリック(歌詞)とはなかなかいいネーミングではないか、とひとりごちでいたのであった。

ところが今回発表会の会場に行くと、リリックはLylicではなく「LYRIQ」という造語であることが判明し、ちょっとがっかりした気持ちになった。ちなみにキャディラックのBEVシリーズはどれも最後にQの文字を持つことが特徴で2026年に発表となSUVは「WISTIQ」、すでに本国では発表・発売済みで日本に来年やってくる少し小さめのSUVは「OPTIQ」と命名されている。いずれにしても来年には3台ともそろい、さらにリリックの高性能版たる「LYRIQ-V」も発表されるという。

キャデラックジャパンによる今回のような正式な発表会はXTC-6以来5年ぶりだそうで、右ハンドルやチャデモ対応となっている日本仕様のリリックにかける意気込みはなかなか熱いものであった。

Photo:GMジャパン
会場で目の当たりにしたリリックの実物はかなり大きいものに感じたが、全幅は1985㎜、全長は4995㎜と、大型化傾向が進む昨今にあっては、ものすごく巨大というものでもない。だが95.7kWhの容量を持つバッテリーを積んでいることが影響し、車重は2650㎏となる。このバッテリーによる航続距離はWLTPモードで510㎞、発生する出力は384kW、最大トルク610Nmを発生し、デュアルモーターeAWDシステムの4輪駆動でこの大きさの車を走らせる。

ボディ形式はリヤゲートを持つ4ドアハッチバックで乗員は5名、少しだけ座った室内は特にレッグルームが広く、明るく快適なものであった。エスカレードなどにも備わっている湾曲したLEDディスプレイシステムは33インチを誇り、KOMOREBI(木漏れ日)という名のアンビエントライトがキャビンに光の演出を行うという。

AKGのサウンドシステムは19のスピーカーを持つというが、エスカレードの経験から考えると素晴らしくいい音の出るオーディオシステムであることは疑う余地もない。
日本に導入されたリリックは「スポーツ」というグレード一種のみで、275/45 R21の大径タイヤを履き、アクティブノイズキャンセレーションなども装備もすべて標準となっている。またわが国では全国どこで購入しても同じ金額となる「エージェントモデル」という販売方法をとり、誰が購入しても同じ条件で購入できることを謳う。そんなキャデラック リリックの価格は1100万円。正直言うともう少し高いかなと予想していたが、日本に輸入されるリリックは全数アメリカのテネシー工場で生産されることを考えればこれはリーズナブルなものだと思う。なお初年度の輸入台数は450~500台の予定だという。

蛇足ながら、今回の発表会場では、この発表のために本国から来たスタッフはBEVともイーブイともいわず、「イーヴィー(EV)」と呼んでおり、これがなかなか格好良かった。僕も今日から下唇をかみながら「キャディラックのイーヴィー」と呼ぼうと思う。
フォトギャラリー:CADILLAC LYRIC








Text:大林晃平
Photo:アウトビルトジャパン