【動画付き】この販売中のVW T2ブリにはV8エンジンが積まれている

128

VW T2(1971): その前オーナーのセレブとは?

セレブの手元にあった3.5リッターのV8の搭載されたVW T2ブリが売りに出ている。このVW T2は、ビュイック製の3.5リッターV8を搭載している。そしてこのブリは現在販売中だ。前オーナー? あのシボレー コルベット スティングレイのデザイナー、ピート ブロックだ!

フォルクスワーゲン タイプ2は、タイプ1(T1)の後継車として、60年代半ばに市場に登場した。
ブリ(Bulli=雄牛)という愛称で。
そして今日ではカルト的存在だ。
2013年に、ブラジルで「T2c」として最後のモデルが生産された。
これほど長い歴史を持ったモデルは他にはほとんど存在しない。
1.6リッター4気筒エンジンを搭載し、当初は47馬力、後に50馬力を発揮した2代目VWバスは、瞬く間にベストセラーとなった。
ハノーバー工場だけでも1979年までに約250万台のタイプ2が生産された。
そんな台数の多さにもかかわらず、日では、保存状態の良いブリは非常に希少であり、いつの時代にもカルトなVWバスには絶対的な需要が存在する。
もちろん、これは特にオリジナルに当てはまることではあるが、一方で、巧妙にチューニングが施された個体もファンにとっては魅力の的となっている。

輝かしい歴史を持つT2

現在、オンライン取引所「Bring a Trailer」で、特別な一台が販売されている。
そこでは1971年式VW T2がオークションに出品されている。
白く塗装されたこのトランスポーターは、かつてアメリカの自動車界の伝説的存在であるピート ブロックが所有していたという輝かしい歴史を持っている。
レジェンドデザイナーはレジェンド「C2シボレー コルベット スティングレイ」をデザインし、その外観は今でも伝説として語り継がれている。
彼の趣味であるハンググライダーの機材をゆったりと運べるようにと、70年代初頭にこのタイプ2を購入し、長年に渡って改造を重ねてきた。
広告にも記載されているように、このブリは1973年からブロック家が所有しており、それ以来6万マイル(約9万6千キロに相当)の走行距離を記録している。
しかし、50年近く経過したフォルクスワーゲンは、多少のメンテナンスが必要で、場合によってはおそらく溶接も必要になるだろう。

オリジナルT2。ほとんどの人が知っているVW T2はこんな感じだ。多くのスペース、堅牢で実用的。

8気筒とトランスミッションを後付け

実際にはオリジナルではなくなっているものも多いが、このVWバスの魅力はそこにこそある。
内装の黒革のスポーツシートは、1971年には存在していなかったもので、ドライバーシートは全面的に張り替えられている。
また、90年代のCDプレーヤーや、マニュアル4速ギアシフトも追加されている。
さらに、改造されたT2には、車軸にオフロードタイヤが2本1組で装着されている。
しかし、改造のハイライトはボンネットの下を見て初めてわかる。
そこにはビュイック製の3.5リッターV8が潜んでいる。
定期的なメンテナンスやサービスのおかげで、その性能に関して広告に記載されていなくても、間違いなく実力を発揮するはずだ。
その興味深い詳細は、ジェイ レノによるこのYouTubeのビデオ内で、ブロック自身が詳しく述べている。
長年のオーナーであった彼がこの車を売りたいと考えている理由は不明だ。
しかし、一つだけはっきりしているのは、このT2がおそらく安くはならないということだ。
落札価格は7万ドルから9万ドル(約750万円~970万円)と想定されている。
しかし落札されるまでの道のりはまだまだ長いようだ。
2020年10月23日現在、最高入札額はまだ25,000ドル(約270万円)だ。

伝説の人気番組「ジェイ レノのガレージ」YouTube動画でお楽しみください。

VW T2はとにかく、可愛く、なんとも愛らしいクルマである。今まで世の中に出たワンボックスカーの中でも圧倒的にチャーミングだし、今の時代に世の中にあふれるマイルドヤンキーご愛用のようなオラオラ顔のミニバンに、爪の垢を煎じて飲ませてやりたいようなスタイルである。
だがそれにV8を積むのは、どうなんだろうなぁ、というか危ない気持ちも強い。
確かにトルク満々で快適なことは間違いないだろうけれど、T2は窓全開で、のどかに、パタパタっと海辺の道や高原を走る方が似合っているのではないだろうか。
「羊の皮をかぶった狼」というのはわかるけれど、その車には似合ったパワーユニットというものもちゃんと存在する。前のオーナーがいくら伝説的な人物であったとしても、争いごとの苦手な人間としては、もうちょっと牧歌的なパワーユニットの「普通の」T2を個人的には選びたい。

Text: Julian Rabe
加筆:大林晃平
Photo: Bring a Trailer