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【第44回JAIA輸入車試乗会】カングーとドブロどっちを買うか?! ルノー カングー リミテに試乗&チェック

2025年2月22日

万人から愛されるルノーの大ベストセラー、カングーのリミテッドエディション「ルノー カングー リミテ」にJAIA輸入車試乗会で試乗することができた。そのインプレッションをお届け!

今回JAIA輸入車試乗会において、カングーの試乗はアウトビルトジャパン編集部O氏と2人でスタートした。最初にステアリングを握ったのはO氏である。

O氏は、ステアリングを握りながら開口一番、昨年一緒に試乗した、フィアット ドブロの話から始まり、お互い好印象だったことを思い出しながら、ヨーロッパのこの手の商用車ベースの車は、乗りやすく魅力的だといった話から、カングーとドブロ買うならどっち?といった究極の選択話しで盛り上がったのである。

私は歴代モデルのカングーのステアリングを握ったことはあったが、この現行型カングーについては、この日初めての試乗であった。自分でステアリングを握るまでは、正直、この究極の選択の答えは、昨年印象が良かったドブロになるのではないかと思っていた。

リミテは標準でOZ製のオリジナルラリーレーシングのホイール装着し、走行性能をアップグレードするためCOXボディダンパー装備、50台限定で既に完売している。

SUVに近いドライビングポジション

我々アウトビルトジャパン編集部で試乗コースとして使っているルートの折り返しポイントで、O氏とドライバーチェンジをして、今度は私がカングーのステアリングを握った。ドライバーズシートに座ると、私の知っている歴代カグーと比べて非常にアイポイントが高くなっていることに驚く。そのため、ドライビングポジションも大きく変わり、SUVのようなドライビングポジションを強いられる。

現行型カングーのドライバーズシートはアイポイントが高く、SUVタイプに近い。唯一このカングーで気になった部分は。Aピラー付近の視界を確保するための三角窓が設けられているが、デザイン優先のようで、その形状やミラーの位置が悪いため見づらい。
メーターパネルは中央のメーター部分のみディスプレイとなる。また、ダッシュボード中央のディスプレイはスマートフォンと接続することで、ナビが使用可能となる。シンプルで必要最低限の機能といった感じで、個人的には好みであるが、価格が395万円と思うとこの装備はちょっと寂しい。

全高1,810mmあるにもかかわらず、ハンドリングは軽快だ!

今回試乗したカングー リミテはルノー・日産・三菱アライアンスとダイムラーにより共同開発された1.3リッター直列4気筒、筒内直接噴射型ガソリンターボエンジンで、131馬力を発揮する。トランスミッションは電子制御7速ATである。1,600rpmから240Nmの最大トルクを生み出すエンジンの走りは、ワインディングロードを10分も走らないうちに、カングーのイメージが大きく変わった。全高が1,810mmあるにもかかわらず、重心は低く感じられ、ハンドリングも軽快で、メガーヌに非常に近い印象だったのだ。

更にワインディングロードを走って、今度はブレーキ制動を確認すると、リアシートに人を乗せず、ラゲッジスペースに荷物を積んでいない状態ではあるが、すばらしい制動力であった。

試乗後、ブレーキのスペックを確認すると、なんと前後ベンチレーテッドディスクが付いていることに驚いた。今やカングーはコマーシャルバンではなく、スポーツワゴンのような良好なハンドリングをしめすMPVとして熟成されているのである。

左右非対称の観音開きバックドアは使い勝手が良さそうだ。

カングーとドブロは別ジャンルの車では?!

最後に、カングーとドブロ買うならどっち?という話しだ。ドブロは走行性能も十分に確保されているが、スペースや使い勝手、遊び心等を優先しているMPVであるのに対し、カングーはこの特徴的なボディ形状を続けながら、走行性能を高めたクロスオーバー的な性格の車であった。つまり、この2台での比較は間違っていたと思うのだ。どちらがいいかなんて決められない!が答えだった。

リアシートはカングー伝統の3座席独立のデザイン。背もたれを前方に倒した場合は、折りたたんだシートがトランクルームの床面とほぼフラットに格納される。
跳ね石や土砂からブレーキを守るためにリミテでは、OZ製のオリジナルラリーレーシングのホールを標準装備。ラフな環境でも頼もしい走りを見せる。

Text : 池淵 宏
Photo: 江渡裕美、河村東真、池淵 宏