【第44回JAIA輸入車試乗会】クルマを超えた未来の乗り物に乗る ポルシェ タイカン ターボ クロスツーリスモはBEVといってもポルシェはやっぱりポルシェだ!
2025年2月21日

2023年のJAIA試乗会にてアウトビルト編集部でポルシェタイカン・ターボ・クロスツーリズモを試乗した。あれから2年、昨年大幅改良されたこのモデルに再び試乗する機会に恵まれた。パワーも大幅にアップされて完成度もあがったこのモデルを再び試した。
ポルシェのBEVとして2019年に発表され、知名度を得たタイカンであるが、1390万円以上もするモデルだと、私には到底縁の無い車であり、またBEVであることもあって、タイカンの知識も無く、2度目の試乗と相成った。
試乗を終えて、最初に思った事は、「BEVにターボは無いだろう!」と独り言のように突っ込みを入れて疑問に思った。調べてみるとポルシェは高性能なモデルの記号として「ターボ」を用いているようだ。
クロスツーリスモはSUVモデルだった
さらにタイカンのラインナップについて調べてみると、日本では販売されていないステーションワゴンタイプの「タイカン・スポーツツーリスモ」があり、日本で販売されているセダンタイプの「タイカン」とSUVタイプの「タイカン・クロスツーリズモ」の3タイプがあることを知る。今回試乗したクロスツーリスモがSUVモデルと知りホイールアーチに黒い樹脂パーツが使用されていることを理解した。しかしSUVモデルとは言えタイカンより最低地上高は20mm高いらしいが、それでも車高は低い。

今まで車で体感したことが無いような強烈な加速性!
昨年の改良では、エクステリアの一部と、パワートレイン系やバッテリーの大幅な変更により、航続可能距離が延び、パワーアップにより、0-100mの加速性能が改善されているようだが、884馬力もあり、0-100km/h加速が2.8秒と言われても。車を超えた異次元の加速やパワーのため、公道での体感は難しい。

それでも、走りだした瞬間、さっきまで乗っていた(かなり高価で高性能なはずの)BEVが瞬間的に霞み、ちゃんちゃら、比べることなどばかばかしくなってしまうこの走行感覚。なんとも陳腐で申し訳ないが、BEVといってもポルシェはやっぱりポルシェなのだと改めて認識した。
ポルシェのポルシェらしいところは個人的にガッチガチの剛性感溢れる(でも精度の高い)ステアリングフィールと、これまた巌のようなボディだと思っていて、それらが醸し出す乗り心地は他の凡百の自動車とはまるでちがう。好きか嫌いかは別にするが、ポルシェというのはそういうクルマなのだと、ポルシェが苦手な僕はいつもそう感じる。
今回2年ぶりに乗ったタイカンで感じたのは、これはもうすべてがとことんポルシェである、という当たり前のことだった。
細いといってもいいステアリングホイールを握って路上に出た瞬間、このBEVは他の幾千のBEVとはまるで違う自動車であるということをいやというほど実感する。むち打ちになるほどの爆発的な加速力も、制動力がすごすぎて追突されることが心配になってしまうほどのブレーキ性能ももちろん素晴らしいが、それらを含めてもう身体にふれるすべての部分が本物のポルシェであることがこの車の魅力といえる。そしてそれは内燃機関でなければならないとか、そういう台詞を頭の中から消え去らせるほどのポルシェらしい迫力と説得力を持っている。
近年、複数台のBEVを試乗する機会に恵まれてきたが、BEVは大きなタッチパネルや自動運転等EVを強調するモデルと、EVでありながら疑似エンジンサウンド等、ICEを演出するモデルに分かれる気がするが、このポルシェタイカン・ターボ・クロスウーリスモはBEVでありながら、ポルシェ・エレクトリック・スポーツサウンドと呼ばれる、エンジンサウンドに似ているようなモーター音のような官能的なサウンドや、今までの車で体感したことが無いような、強烈な加速性能等、BEVとかICEでは無く、車を超えた未来の乗り物を感じるモデルである。


結論:
(ありえない話ではあるが)もし自分で911を持っていたら、隣に並べる普段着の自動車をポルシェブランドから選ぶ場合、マカンでもカイエンでもパナメーラでもなく、迷うことなく僕はこのタイカンにすると思う。ポルシェに必須のオイル交換時期なども気にすることのないBEVながら、乗ってみればまごうかたなきポルシェ・・・。そこに注がれた技術と開発者の努力はものすごいことなのではないだろうか。




Text: 大林晃平、池淵 宏
Photo: 江渡裕実、池淵 宏、AUTO BILD