【第44回JAIA輸入車試乗会】アイオニック5はBEVのワールドスタンダードを狙っているに違いない!!
2025年2月15日

BEVとして、世界的に評価の高い、韓国製BEV、ヒョンデ アイオニック5(Hyundai IONIQ 5)であるが、その評判を探るべく、今年のJAIAでついに試乗できる機会に恵まれた。評判通りBEVとして走りの良さ、完成度の高さに驚いたのだ。
韓国の自動車メーカー、ヒョンデは、EV専用ブランドとしてアイオニックを立ち上げ、最初のこのハッチバックモデルをアイオニック5と呼ぶ。

ご存じの方も多いと思うが、ヒョンデは2009年に一度日本を撤退して13年ぶりに2022年に再上陸をはたし、その最初のモデルとして日本に持ち込まれたのがこのアイオニック5である。
2009年の撤退前のヒョンデのモデルは、当時はクオリティーや性能より価格の安さで勝負していたモデルであったことを知っている人にとっては、この再上陸でのアイオニック5に注目していなかったと思うが、私もそんな一人であった。
13年間での驚きの進化と再上陸に意気込みを感じるヒョンデ!
早速、ヒョンデのご担当者にアイオニック5の説明を受けながら、エクステリアのチェックと、操作方法の簡単なレクチャーを受け、ドライバーズシートに座る。最初に、エクステリア、インテリア共にクオリティーの高さに驚く。欧州車に全く引けを取らないクオリティーの高さだ。撤退してから13年間での変貌ぶりに驚く。
また、ヒョンデは日本仕様として、ライトスイッチを右側に変更し、足回りについても、ヨーロッパ仕様より柔らかい日本専用仕様に変更されていることを聞いて、この再上陸への意気込みが感じられた。

アイオニック5の概要
ボディサイズは全長4,655 ㎜×幅 1,890 ㎜×高さ1,645㎜であり、フォルクスワーゲン ゴルフよりひとまわり大きく、テスラモデルYよりかはひとまわり小さいといったサイズ感である。ドライブトレインは2種類あり、リアに配置されたモーターでリア駆動をするモデルとフロントにもう1基モーターを搭載して、コーナリングや滑りやすい路面などいざというときは前輪を駆動するオンデマンド型4WDの2種類だ。
また、日本仕様では「ボヤージュ」と装備が充実した「ラウンジ」の2つのグレードが用意され、それぞれ、リア駆動とAWDの選択が可能である。そして今回試乗できたのは、ラウンジのリア駆動モデルである。



BEVでも楽しく軽快に走る!
ライトスイッチ下に位置するシフトレバーをDレンジに入れ、市街地とワインディングロードを試乗すると、アイオニック5は車重2060kgもありながらも、BEV特有の低速からの太いトルクにより、軽快かつ軽やかにワインディングロードを駆け抜けていく。さらにステアリング内にあるBEVお得意のモード切替をスポーツに切り替えると、一段とトルクアップするが、テスラやポルシェ タイカンのような過激な物では無い。
しかし、このアイオニック5運転していると気持ちよく楽しいのだ。コーナーがきつくても、すっとノーズを内側に向けていく。この楽しさの秘訣は恐らく剛性の高い優れたシャーシにあると思う。EV専用のプラットフォームの採用によってフラットで広大なフロアと軽快なハンドリングを実現できているに違いない。
BEVのワールドスタンダードを狙っているに違いない!!
ICEの中で、フォルクスワーゲン ゴルフがワールドスタンダードと呼ばれる最大のポイントは優れたパッケージングと素晴らしいボディ剛性を実現したバランスのとれたプラットフォームにあると思う。今回、アイオニック5を試乗してEV専用の優れたプラットフォームは、BEVのワールドスタンダードを狙っているに違い無いと思ったのだ。
また、ゴルフには、Rやクロスと言った派生モデルが存在するが、ヒョンデもこの優れたプラットフォームを利用して、最近スポーツモデルとして注目を浴びているアイオニック5Nや最低地上高を高められたアイオニック5 XRTと言った派生モデルも増やしている。

今回、スポーツモデルのアイオニック5 Nも試乗を希望したが、残念ながら試乗できなかった。近いうちにこのNも是非試乗したいものだ。


Text : 池淵 宏
Photo: 江渡裕美、河村東真、池淵 宏