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【メルセデス190 E 2.3-16物語】8日間で5万km!ベビーベンツはナルドサーキットで世界記録樹立した!

2025年2月15日

メルセデス・ベンツ 190 E 2.3-16(W201): ナルドサーキットでの記録的なドライブ。8日間で5万km!1983年、メルセデス・ベンツはW201シリーズの最上級モデルがどれほど頑丈であるかを証明した。40度という気温の中で多くの世界記録が樹立されたのだ!

はい、その通り。メルセデス・ベンツのエンジンは一般的に非常に頑丈で耐久性があるとみなされている。メルセデスがそれを実証したのは、1983年の南イタリアにあるナルドサーキットにおける世界記録へのチャレンジだった。3台の「190 E(W201)」が、気温40度を超える中、その性能を実証した。1983年8月、デビュー直前の「メルセデス・ベンツ 190 E 2.3-16」は多くの世界新記録を樹立したのだった。

その記録は25,000km以上、25,000マイル以上(40,000km強)、そして最も印象的なのは50,000km以上だ。最速車両は5万kmの距離を201時間39分43秒で走破(平均速度は247.9km/h)。この偉大な記録に加えて、3台は2万5000km以上の世界記録をふたつ、クラス記録を9つ樹立している。3台の「190E 2.3-16」のうち最も速い車は、昼夜を問わず、ちょうど8日間以上、全開で走り続けた!給油など、どうしても必要なこと以外は、ただひたすら走り続けた。ベビーベンツが201時間39分43秒間走り続けたという事実は、まるで台本があったかのように思える。

8日以上を経て、ついにメルセデスW 201 2.3-16が3つの新記録を樹立した!

もちろん、このプロジェクトのための「190E」は基本的に標準仕様のままだ。185馬力の出力はそのまま。ただし、エンジンはレッドゾーン(6,000回転)でほぼ一定の負荷に耐える必要があったため、燃料噴射システムが最適化された。また、計測器などの機材の重さの分だけリアシートやリバースギア、パワステを省いて車重を調整している。規定に従って、リアシートの代わりに、エアフィルター、オイルフィルター、スパークプラグ、イグニッションなどの最も重要な交換部品や消耗部品が搭載されていた。

現在、3台の記録車のうちの1台をシュトゥットガルトのメルセデス・ベンツ博物館で見ることができる。そこでは、速度記録車「W125」のすぐ後ろに傾斜した状態で展示されている!ちなみに、ナルドサーキットでテスト走行を行った3台の「W201」は、3台とも5万kmを走破し、見事に完走を果たした。博物館に展示されている「緑のマーキングの車(3台の車にそれぞれ異なる色が付けられていた)は、3位だった。最も速かったのは白マークの車、2位は赤マークの車だった。

メルセデス190 E 2.3-16は、DTM参戦のためのホモロゲーション車両として開発された。

ラジエーターグリルには、エアダクトの詰まりを防ぐために、取り外し可能な防虫ネットが取り付けられた。夜間の気温低下によるエンジンの作動温度の低下を防ぐため、ラジエーターのルーバーも取り付けられ、運転席からラジエーターの最大3分の2を覆うことが可能になった。安全性を確保するために、頑丈なホイールを装備、車高を30mm下げること、エンジンルームと車体下部カバーが施された。

無線や計測機械が見えるテストカーのコックピット。リバースギアは省かれている。

8日間で50,000kmを走破。この途方もない偉業が、ほぼ連続して最高速度、すなわち時速250kmで達成されたという事実が、この話をさらに信じがたいものにしている。ドライバーたちが正気を失わなかったという事実も同様だ。なにしろ、ナルドサーキットはわずか12.6kmメートルしかないのだ。4,000周近くも走ったことになる!そして、記録達成後のフランクフルト・モーターショーで、190 E 2.3-16がワールドプレミアされた。

Text: Kim-Sarah Biehl
Photo: Mercedes-Benz