【改良型ゴルフGTIをテスト!】カルト的人気を誇るコンパクトカーにVWは更なる磨きをかけた 新型VWゴルフGTI 2.0 TSI DSGをテスト!
2025年2月10日

VWゴルフGTI 2.0 TSI DSG:カルト的人気を誇るコンパクトカーにフォルクスワーゲンは更なる磨きをかけた。我々は、20馬力アップして265馬力となったゴルフGTIをテストした。
カルト的な人気を博すことは容易ではなく、その地位を維持することは本当に難しい。「ゴルフGTI」は1976年以来、このことをうまくやってきたが、現在、内燃エンジンを搭載したスポーティなコンパクトカーの先行きは暗い。
そのため、フォルクスワーゲンは、標準モデルの改良に加えて、自社の象徴である「GTI」にアップデートを施した。
小さな修正が外観を洗練させる
これは、出力が245馬力から265馬力に向上したことにもはっきりと反映されている。もちろん、それにはコストがかかる。新型「GTI」の価格は45,655ユーロ(約750万円)からだが、4,750ユーロ(約77万円)の追加料金のうち2,250ユーロ(約36万円)は、今では標準装備となったDSGの価格だ。残りの2,500ユーロ(約40万円)は、果たしてそれに見合うだけの価値があるだろうか?

「GTI」は見た目も従来通りで、一目でそれと分かる。フロントスカートとデイタイムランニングライトが新しくなり、VWのロゴは暗闇の中でとてもお洒落に光る。それ以外はほとんど外観に変更はない。もちろん、リアライトも新しいレイアウトで輝き、クイーンズタウンホイールが新しい足元を演出する。
19インチのホイールは追加で1,630ユーロ(約26万円)かかるが、これは「ゴルフ5 GTI」のデトロイトホイールを彷彿させるものとなっている。しかし、アルファロメオのクラシコホイールとも似ている。
インテリアは大幅にアップグレード
広さや座り心地はこれまで通りだが、インテリアは大幅にアップグレードされている。センターに新たに搭載された12.9インチのタッチスクリーンは、上部(自由に設定可能)と下部に常に表示されるバーがあり、直接アクセスできる。これは特に、MIB4システムが快適に素早く反応するため、非常に便利だ。

ステアリングホイールには再び本物のボタンスイッチが装備され、簡単に操作できるようになった。品質はまあまあだが、素材の見た目や感触は部分的にかなりシンプルだ。改善の余地はまだある。
265馬力でさらに俊敏に
電子制御の微調整と20馬力のパワーアップにより、新型「GTI」は100km/hまで5.8秒で加速し、200km/hまで21.3秒で到達する。但し、最高速度(250km/h)に達するまでは、明らかに伸び悩む傾向がある。

タイトコーナーからの加速でもパワーのロスはほとんどない。適温であれば、ブリヂストン製ポテンザS005タイヤは文字通り路面に張り付く。アンダーステアは意図的に引き起こす必要がある場合がほとんどだが、注意深くカーブに身を投じれば、理想的なラインを外すことはほとんどないだろう。改良されたドライビングダイナミクスマネージャーと電子制御ディファレンシャルロックを組み合わせることで、以前よりもさらに優れた性能を発揮する。
もちろん、標準装備のバランスがとれたプログレッシブステアリングも、高いレベルのドライビングプレジャーに貢献している。十分ダイレクトで、心地よい抵抗感があり、信頼性の高いフィードバックを提供する。安定性が高く、リニアなブレーキも賞賛に値する。

ドライバーは常に良好なペダルフィーリングを体感でき、重要な場面では、ブレーキが温まった状態で100km/hから停止するまで33.4mしか必要としない。ディスクが冷えている場合は、この操作を行うのに34.6m必要だが、それでも十分に許容範囲内だ。
快適性の面では、改良型「GTI」は明らかに万人を喜ばせようとしている。DCCアダプティブダンパー(865ユーロ=約14万円の追加料金)を装備すれば、日常的な運転では一切の不満は生じないが、必要に応じて十分に引き締まり、邪魔者にならないようにしている。そして、7速DSGは、高速かつ目立たないギアチェンジにより、ほぼすべてのタイプのドライバーに適合する。
総合評価
モデル | VWゴルフGTI 2.0 TSI |
ボディ | 5点満点中4点 スペースをうまく活用したコンパクトカー、1.6トンのけん引能力、ダンパーなしボンネット。 |
パワーユニット | 5点満点中4.5点 今までで最も速いベースモデルGTI、低回転域からのレスポンス良好、DSGは高速かつ機敏、燃費はまあまあ。 |
ドライビングダイナミクス | 5点満点中4.5点 運転しやすく安全、タイトコーナーでもトラクション良好、ブレーキも信頼性あり、ステアリングも良好。 |
コネクテッドカー | 5点満点中4点 音声コントロール良好(ChatGPT使用)、モニター鮮明、ワイヤレス電話ペアリング、衛星マップなし。 |
快適性 | 5点満点中4点 操作性が向上、DCCスプリングは硬め、シートはまあまあ、19インチホイール装着でロードノイズがやや増加。 |
コスト | 5点満点中2.5点 5万ユーロ(約820万円)の壁をすぐに突破、メンテナンス/保険はまあまあ、保証期間は2年のみ。 |
AUTO BILD最終評価 | 2- |
感情が揺さぶられない?確かに「GTI」は本物であり、スポーツモードでも控えめなダイナミックなサウンドを奏で、決して野性的な一面を見せることはない。しかし、それこそがまさにこの車の最大の強みだ。単純に速く、恥ずかしくなることもなく、とても楽しい。
ゴルフGTIは高価だ
ベース価格の45,655ユーロ(約750万円)でも、多くの人がため息をつく。黒いルーフ(1,320ユーロ=約21万円)、19インチのクイーンズタウンホイール(1,630ユーロ=約26万円)、そしていくつかの快適装備を追加した我々のテスト車の請求額は55,175ユーロ(900万円超)だった。

446馬力のV8エンジンを搭載した「フォード マスタング(59,900ユーロ=約990万円から)」は、それほど手頃な価格ではないが、日常的な運転にはより実用的だ。また、フォードと同様に、VWは「GTI」に対してわずか2年間の新車保証しか提供していない。カルト的な人気を誇る車には、それ以上の保証期間が提供されるべきだろう。
結論:
半世紀近くにわたり、フォルクスワーゲンは「GTI」という3文字を大切に育ててきた。そしてそれは良いことだ。最新のフェイスリフトとわずかな性能向上により、コンパクトスポーツカーへの関心は高いまま維持されている。暴れん坊の気配は微塵もなく、相変わらず速く、機敏なコンパクトカーである。他の車種の方が、鳥肌が立つような体験はできるかもしれないが、これ以上に楽しい車はほとんどない。
AUTO BILDテストスコア: 2-
フォトギャラリー:VWゴルフGTIの改良モデル、最初のテスト




















Text: Berend Sanders and Gerald Czajka
Photo: Christoph Börries / AUTO BILD